先日、敬老の日を迎える時期に合せて、息子が通う幼稚園において、祖父母参観という行事が開催されました。
これはその名の通り、参観日の参加者を祖父母に限定したもので、ふだん孫に接する機会の少ない祖父母にとっては貴重な行事ですし、孫と同居している祖父母にとっても、幼稚園におけるありのままの姿を見る機会として価値あるものです。
祖父母にとっては、このような機会はめったに無い稀なことであり、そんな機会を作ってくれた幼稚園側の取り組みは立派だと感じると共に、感謝の思いを抱きました。
母が長野まで来る
この祖父母参観には、私の母がわざわざ遠路はるばる長野まで泊まりに来て参加しました。父は老いのため遠出は無理なので参加は出来ませんでしたが、参加した母にとっても老いの身にムチを打ってのことでしたので大変なことでした。長野に来るにしても体力的に心配な面があり、実際、祖父母参観の話を伝えた段階で、とても迷っていました。
しかし、普段会えない孫の顔を見られるとの思いと、今後ますます年老いて行けば、「この機会を逃したら二度とこのような機会はない」との考えがあったようで、結果としては、「これが最後」との思いで来たそうです。
満足な姿
いざ、母が我が家に来た時は、天候にも恵まれ、体調も優れていたこともあって、難なく遠路を移動できたのですが、さすがに老体のため疲れはあったようで、その日は早々とぐっすり寝ついていました。
すっかり年老いて、以前よりもかなり痩せ、以前のような力強さもなくなった母親の姿を見て、胸が詰まるような思いを抱きました。
そして翌日、祖父母参観のために幼稚園まで送って行くと、笑顔をこぼしてとても楽しそうにしていました。祖父母限定の行事であったため、参観中は同行できなかったのですが、終了時間に迎えに行くと、とても満足げな顔をしていました。
その後、参観の様子を楽しそうに話してくれましたが、そんな母を見ては参加して本当に良かったと思いました。
家に戻ってからも、我が家で楽しそうに孫と接していて、終始、母の笑顔は絶えませんでした。
祖父母参観で、息子が幼稚園で作った「おじいちゃん、おばあちゃん、ありがとう」のメッセージが入った飾り物を受け取った母は、それをとても大事そうにしていて、その姿は非常に印象的でした。
親孝行
今回、祖父母参加という孫の成長を見る場を作ってもらい、このような行事を開催してくれた幼稚園に感謝の気持ちでいっぽいです。
私にはもちろん、孫はいませんので、孫を持つ者の気持ちはよく分かりませんが、祖父母が孫を思う気持ちというのは、親が子を思う気持ちに次ぐものがあると思います。
以前の記事で、自分が成長した姿を見せるのも親孝行だとの記事を書きましたが、孫の成長を見せるのも親孝行のひとつなのではないかと感じました。
これは、何か物理的なプレゼントを贈るよりも、心を満たしてあげるという意味で、もっと喜ばれる大きなプレゼントといえるのではないかと感じます。ささやかな親孝行ができたと感じては、改めて幼稚園に感謝の思いです。