中国こぼれ話「お金のためなら何でもやる」私が見た現地の人々の姿

上海などを中心に、中国へ何度も足を運んできた私は、現地で色々な体験をしてきました。

今回は、私が直に接して来た「お金を得るためには何でもやる中国人の姿」をいくつか紹介します。

中国では、お金のためには何でもやる姿が目に付いた

ありのままの姿なので、実感を持ってもらえると思います。

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背景

他の記事にも色々と書いていますが、私がよく中国へ行くようになったのは、友人の友達が中国人であったからです。

訪中する時は、単に観光地を巡るようなことはあまりなく、むしろ現地の人々の日々の生活に接するような機会が多くありました。

従って、中国人の実状を目の当たりにすることが多く、単なる旅行では得られない貴重な経験となりました。

今回の記事も、そんな経験の中から、「お金に貪欲だ」と感じたいくつかの姿を書きます。

私が頻繁に行っていた上海は、中国南方から出稼ぎのために移り住む人も多くいて、経済的に余裕の無い人も珍しくなく、お金に対して欲深さがにじみ出ている人も少なくありません。

中国へ行く機会があれば、「こんなこともあるんだ」と、頭の片隅にでも入れておいて下さい。

色々な体験

ここで紹介する話題はその1からその5まで、全部で5つあります。

以下、話題ごとに書きましたので、興味が無い話題があれば、次の話題まで読み飛ばして下さい。

その1.白タクの充満

まず初めは、白タクが充満している話です。

白タクとは白ナンバータクシーの略称で、正規の資格を持たないタクシーのことを指します。

「白タク」は日本語での呼び名ですから、中国のタクシー車両のナンバーの色を意味する訳ではありません。

もちろん、無資格のタクシーですから日本でも中国でも犯罪になります。

上海は、中国南部にある大都市で、自動車の交通量がとても多い地域です。

従って、タクシーは、空港や駅周辺はもちろんのこと、街中にもたくさん走っています。

日本では、表だった白タクは存在しませんが、白タク行為に該当すると言われるような違法はあるようです。

しかし、中国の場合、白タクは数多く存在しており、むしろ「どこにでも居る」と言っても過言ではありません。

ある日のこと、地方都市を訪れた私たちは、高速バスで上海に戻ってきました。

到着した場所は、上海市内のバスターミナルで、各地から多くのバスが到着します。

我々が到着して、これからホテルへ移動しようとすると、何人もの人が声を掛けてきました。

その頃は、まだ言葉もチンプンカンプンでしたので、同行していた知り合いの中国人が全て対応してくれました。

声を掛けて来た人たちを追い払った後、同行していたその中国人は、なぜ多くの人が声を掛けてきたのかを説明してくれました。

この人達は、皆んな白タクの運転手で、客引きの為にバスから降りてきた人に対して誰にでも声を掛けている。バスターミナルのように人が多く集まるような場所は、とても多くの白タクが待機している。正規の資格を有するタクシーは一部と考えてもいいくらい、たくさんいるのが現状だ

話しをよく聞けば、仕事を求めて上海に集まる人は多くいて、手っ取り早くお金を稼ぐために白タクをする人が多いそうです。

いちいち資格を取得するのでは直ぐにお金を稼げないため、違法と知りながらも多くの人がやっているとのことです。

また、タクシーを利用する側の一般市民も、白タクの方が正規のタクシー料金よりも少し安くなることから、好んで白タクを利用する人も多いとのことでした。

お金を稼ぐためには違法と知りながらも何でもやる。中国人らしい一面を見た思いでした。

そして2~3年後。訪中に慣れた私は、ある時、一人で上海浦東空港へ向かいましたが、到着口から空港を出た瞬間、私の様子を窺っていた中国人が素早く駆け寄ってきて、

どちらへお越しですか?タクシーを利用しませんか

と声を掛けて来ました。

その反応の素早さには改めて驚きましたが、直ぐに白タクだと分かりました。

その時は

友達が車で迎えに来るからタクシーは不要だ

ときちんと断りましたが、「何も知らないと、ちょっと怖いなぁ」とも思ったものでした。

その2.高額な宿泊料を求める宿泊施設

次は、ホテルが高額な宿泊料を求めてきた話です。

上海にも慣れてきた頃、ふだん同行していた中国人が不在の時に、前日まで宿泊していたホテルをチェックアウトして、別なホテルで宿泊手続き(チェックイン)をしようとした際、想定外の値段を言い渡されたのです。

ホテルのグレードや料金の相場などには慣れていたため、とても不可解に感じましたが、何よりホテルフロントに掲示してある料金体系とはかけ離れた金額であったため、納得の出来ない状況でした。

そこで、

なぜ掲示してある料金体系とは異なるのか

と問うたところ、

これは基本の料金で、滞在条件など状況によって変わってくる。宿泊料金はあくまで先ほど申し上げた料金となる

とのことでした。

何か要領を得ない回答で、相場の料金を知っていただけに納得ができず、最終的にはふだん同行して貰っている中国人に、わざわざ来てもらうことになりました。

その中国人がホテルに着くや、直ぐにフロントの人と交渉して貰うと、当初の値段よりかなり安くなり、結局そこに滞在することに決めました。

しかし、一般の相場と比較するとそれでもまだ高めであったことから、「どうしてなのか?」と不可解な思いが残っていました。

あとからその中国人に詳しく話を聞くと、そのホテルでは

日本人の宿泊客に対しては、一般の料金よりも高額な料金とするような決まりがあるので変えられない

更に、

日本人は他の国の人よりもお金持ちだから、多めに払って貰うという上部の意向・指針で実施されていることで、それに従っているだけだ

とのことでした。

それを聞いて、本来はあるべきではないとても不平等なことですが、良い悪いは別として「そんなことまでやるとは、さすがに中国は凄い」と思わざるを得ませんでした。

その3.値段をフッカケてくる土産屋

次は値段をフッカケてくる店の話題ですが、これについては何度も経験しました。

単純な話をすれば、中国では「値切って買うのが当たり前の世界」ですから、買い物における値段は、最初の段階では相場よりも高い値段で交渉が始まります。

しかし、おなじ価格交渉においても、観光地などに連なる土産屋などでは、最初は考えられないくらい高額の値段が提示されることが頻繁にあります。

また、相手が日本人だと、値段をフッカケてくることがしばしばあります。「相手は、お金を持っている」と考えるんですね。

これらは何度も経験したからこそ、本当に実感を持てるのですが、初期に提示される価格と最終的な価格との差が凄く大きい場合が少なくないのです。

特に、観光地にある土産屋で対象が日本人の場合は、本当に凄いです。

例えば、日本では珍しい興味を引くような土産物を見つけて、値段を店員に聞くと

100元

と返答してくる商品があったとします。

こんな場合、実は1~2元でも充分もとが取れる商品であることが珍しくないのです。

ですから、こんな商品は粘り強く交渉すれば、20~30元くらいになることはザラです。

この例のようなことが実際にあって、交渉して20元まで安くなったから買おうとした時、同行した中国人が割り込んで来て、

そんな物がそんな高い訳ない!

と直接交渉してくれ、5元になったことがありました。

こんな時、「いったいあの100元という当初の値段は何だったんだ」との思いを抱くんですが、このようなことは頻繁にありました。しかし、それが普通なんですね。

とにかく、観光地で相手が日本人の場合、とくに高い値段をフッカケて来ます。

でも、売る側にとっては少しでも儲けようとするだけのことで、あくまで普通なんです。

中国へ訪れる人は絶対に覚えておきたいですね。

その4.釣銭を渋るタクシー運転手

さて、これは、私と同行したもう一人の日本人の連れと、二人でタクシーに乗った時の話です。

上海市内を移動するため、走行中のタクシーをつかまえて乗車し、30分ほどして目的地に着きました。もちろん、白タクではない正規のタクシーです。

到着後に請求された乗車料金は私の記憶では60~70元でした。説明のために70元ということにしておきましょう。

料金を支払う際に私が運転手に渡したお金は100元札でしたが、運転手はなかなかお釣りを渡そうとしませんでした。

連れの日本人は急いでいたことから待ちきれず、先に車両を降りて、目的地に向かって歩き出していました。

車内に残された私は、お釣りを早く渡すように伝えたところ、運転手は、

お釣りを渡したいが、手元には細かなお金は十元札一枚しかない。お釣りは十元しか渡せないが、これではダメか?

と言って来ました。

不足しているお釣りはわずか二十元なので、大した問題でもないのですが、いかにもお粗末な話なので少し頭に来ました。

私は

細かいお金を用意して来る

と運転手に伝えて、連れの後を追って事情を説明しましたが、あいにく小銭を持ち合わせず、両替などができるようなお店も近くにありませんでした。

急いでいた私たちは仕方がなく、結果的にその運転手の要求通り、100元札を渡して10元分だけお釣りを受け取り、不足分の20元は諦めました。

その後、現地の中国人にその話を伝えると、

運転手はお金が欲しいから故意にそのようにやったのだろう。本当に小銭を持っていなかったかどうかは疑わしい

とのことでした。

少しでもお金を稼ぐためには、そんなことまでするタクシー運転手の姿に触れ、金銭感覚の違いを感じたものでした。

その5.障害児をたてに金銭を求める

最後の話は、上海市内を4人でぶらぶら歩いていた時の話です。

汚れた服をまとい、小さな子供を連れた一人の女性が我々の方に近寄って来ました。

着ている服はボロボロで、見るからに貧困に苦しんでいるという様子で、我々にお金を恵んでくれと迫ってきました。

その女性は一緒にいる子供を指さし、我々の同情を誘おうとしてきたのです。

と言うのも、連れている子供はパッと見た外観ですぐ分かるような身体的なハンディキャップを負っていて、その子供の看病や育児で大変であることをアピールして来たのです。

我々は、その子供の余りにも痛々しい姿を見て、少しでも役に立てるならと思い、少しだけ寄付してあげようと考えました。

すると同行していた中国人が

絶対にあげてはダメ!!

と、かなり強い口調で制止してきました。

現地の人が言うからには理由がある筈だと思い、人情としては去りがたい思いでしたが、その場を立ち去りました。

しかし、その後もその女性はしばらく我々の後を追って来て、しきりにお金を求めて来ました。

同行していた中国人は

一切無視して!早く立ち去ろう!!

と言ってくるので、その通りにして、その女性から遠ざかって行ったのでした。

その後、女性の姿が見えなくなると、同行していた中国人は、このことについて説明してくれました。

あのような手段で人の同情を誘って、金品を求めて来る人は多い。何も知らない人だと、同情してお金を渡す人が多いのでそれを知っていてワザとあのようなことをやってくる典型だ。連れていた子供が本当に彼女の子供かどうかも疑わしい。ああいう人を見ても、絶対にお金などを渡してはいけない。一種の詐欺みたいなものだ。

それを聞いて、「お金のためならそこまでやるのか」と、手段を選ばないやり方にびっくりしました。

さすがに日本ならそこまでやる人はいないだろうと思った時、ある意味、貴重な場面に出会えたなぁと思いました。

単なる観光でないから面白い

さて、如何でしたでしょうか。

いずれも、私が直接経験したちょっとしたこぼれ話ですが、ありのままの話なので新鮮な感じが味わえたのではないでしょうか。

こういった体験は、単なる観光地を巡るだけの旅行では経験しにくいです。

旅先で自由な行動をとり、現地の人々と深く接した来たからこそできた経験だと思っています。

もし、中国をはじめ、どこかへ旅行を考えているのであれば、ぜひ、オリジナリティの強い旅行をおススメします。

私が経験したこともドキドキが沢山ありましたが、その分だけワクワクと、楽しさもいっぱいでした。

他にも色々な体験をしてきましたが、こぼれ話として幾つか記事にしています。

興味のある人はぜひ下記の記事を読んでみて下さい。

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