盆栽と言えば、本来は「鉢植えの芸術」とも言える奥の深い世界です。
実際、専門家が高度な技術を用いて作り上げる盆栽には、本当に魅了されます。
しかし、その一方で、多くの年配者が趣味として楽しむ一面もあります。
高齢者が盆栽を楽しむのは、メリットが多く、初心者でも取り組みやすいという理由があるからです。
この記事では、老後に盆栽を趣味にしたいと考えている人のために、老後に盆栽を趣味とするメリットについて述べます。
奥は深いがハードルは低く初心者が取り組みやすい
盆栽の経験がない人が、とかく抱くイメージは、「育て方が難しいのでは？」という疑問です。
確かに、水やり、日当たり、温度調節、栄養剤など基本的なことも知らないのが初心者。
更には、土の種類、植え替え、剪定、虫対策など、より高度な技術を考えると気が引けてしまうかも知れません。
しかし、高度なテクニックがなくても、盆栽は簡単に始められます。
仮に庭が無くても、環境さえ整えれば室内で育てることも難しくありません。
単に趣味とするのであれば完成度や芸術性などを求める必要は全くありません。
育てやすい種類の樹木を選び、簡単に取り組めることから始めればいいだけです。
盆栽は地道に継続していくものですから、知らず知らずのうちに後からでもノウハウは身に付いて行きます。
まずは、楽しむことを第一に、スタートしてみることが大切と言えるでしょう。
ペットのような手間のかかるケアが要らない
さて、盆栽は植物を栽培することですから、ペットの飼育と同じく生き物を育てることに当たります。
動物を飼う場合、餌などは定期的に、且つ頻繁に与えなければなりませんので、それなりの苦労を伴います。
犬や猫だと、病気にでもなれば、動物病院に連れて行くなどの急ぎの対応が必要な場合もあります。
また、動物は身体を動かすだけでなく、時には速く走るようなこともありますから、相応の体力も必要です。
しかし、盆栽を栽培するなら、日々のケアは必要ですが、動物ほどの苦労はありません。
動物と違って、緊急の対応を要することもなく、体力的な負担も大きくありません。
老後は、のんびりと生活したいもの。
何かと負担の大きい動物のケアなどと比べ、盆栽は高齢者に適しているのです。
老後なら長期的に取り組める
盆栽は、樹木を育て上げる作業ですから、何年もかけて行うことになります。
樹齢何十年というものも珍しくありません。
だから、長期的に取り組めることが非常に重要になりますが、老後こそ打ってつけです。
今や人生100年と言われる時代ですから、60歳で定年を迎えても、老後生活が30年以上というのも普通。
種から盆栽を育てても樹齢30歳に到るまで育てあげることも可能です。
じっくりと長い時間を掛けて、育てて行けるのですね。
育てる中に、愛着が湧いたり、孤独がまぎれたりもします。
盆栽こそ、長期的に取り組める老後にピッタリの趣味といえます。
毎日接することができるから、きめ細かな手入れができる
ところで、何か趣味を始めて挫折した経験はないでしょうか。
興味を持って始めたハズなのに、長続きせずに止めてしまった。
そのような経験は、誰にでもあることでしょう。
そんな場合、挫折の大きな原因の１つは、時間的な要因が占めているものです。
忙しくて続けられない日々が続き、気付いたらいつの間にか止めていた。
そういうパターンとても多いですね。
現役時代は、とにかく忙しいのです。
子育てで余裕の持てない期間が長くあります。
仕事が忙しい時期もあります。
プレイべーとでも、色んな活動があるもの。
だから、現役時代は、のんびりとじっくり続けることは難しいのです。
でも老後なら、そんな心配は必要ありません。
のんびり、じっくり、コツコツと取り組めるんですね。
盆栽と毎日、しっかりと接することが可能だから、きめ細かな手入れを積み重ねることもできるのです。
留守などの不在時の水やりを気にしなくてよい
そして、意外と盲点になるのが水やりです。
樹木の種類や季節にもよりますが、基本的には水やりは毎日すべきこと。
だから、長い間、留守が続くことがあると、育てるのに支障をきたします。
現役時代は、活動量も多く、家を空ける頻度も多くなりがちです。
しかし、老後はそれほど長期的な不在をすることはありません。
不在となる頻度も低いものです。
水やりは地味な作業ですが、地道に継続することは盆栽が元気に育つためにはとても重要。
たとえ断続的であっても、留守がちとなれば、盆栽も元気がなくなります。
そう言う意味でも、地味な水やりをしっかり継続できる老後には相応しい趣味なのです。
以上、老後に盆栽に励むメリットに触れて来ました。
「盆栽と共に暮らす」
それくらいの感覚を持ち、愛情込めて育てて行けば、やり甲斐の持てる趣味になります。
定年を機に、盆栽を始めてみてはいかがでしょうか。