歩道橋下に張られたネット。理由は分かったが、却って新たな疑問が浮上。

先日、ある大通りの交差点を渡る時に、交差点の直ぐ上にある歩道橋を見つめていたら、歩道橋の橋の真下に、ネットが張られているのを見つけました。

ふと歩道橋を見上げると・・・

こんなところにネットなんて、いったい何のために張っているのだろう?」とふと疑問に思いました。

橋の下部にネットが張られている

よく見てみると、橋の下には橋に沿ってケーブルが通っているくらいで、落下防止のためだとしたら不自然な状態でした。

落下しそうな物は特にない

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設置理由は直ぐ分かった

「では?」と思って、よく見ていたところ、橋の両端、すなわち、歩道部分の上だけにネットが張られていて、車道部分の上にはネットがないことが分かりました。

ということは、信号待ちの歩行者に対する何らかの防止策だろうと思いながら、改めてよく観察してみると、ネットのない車道部分に鳥の巣があることを発見しました。

そして、すぐその下を見ると、車道にはいくつも鳥の糞の跡が残っていて、「信号待ちする人の糞害防止のためのネット」だと、直ぐに分かりました。

鳥の巣の真下の車道には鳥の糞が

ネットを張ることで、橋の下部を塞いで、鳥が出入りできないようにして、巣を作らせないよに採った対策だったのでした。

設置の意図に反して…

なるほど、鳥はこんなところに巣を作りたがるものなのか…」と思って、通り過ぎようとしたのですが、その次の瞬間に目に付いたものは、意外な実態だったのでした。

それは、私が最初に見つけた鳥の巣の他に、2つの鳥の巣を見つけたのですが、後から見つけた2つの巣は、いずれもネットが張られた場所に作られていたのです。

ネットがあることで却って目立たなくなっていて、最初は気付かなかったのですが、鳥の巣防止のためのネットが、却って鳥の巣作りの手助けをしている感じになっているのです。

ネットの上に作られた鳥の巣

ネットの上に作られた鳥の巣(写真の下方)

なぜネットのある所に作るのか

そこで新たに疑問に思ったことは、「鳥はなぜ、わざわざ入りにくいネット脇から入り込んでまでして、ネットの張られた場所に巣を作るのだろうか?」ということです。

人間から見れば、「ネットを張れば、出入りしにくくなって、巣は作らないだろう」と考えたのでしょうが、実際に鳥から見れば、そんなことは関係ないということなのでしょう。

では、なぜネットが設置してある部分にわざわざ巣を作るのか、その理由について推察してみました。

端を好む

まず、思ったことは、「橋の端付近を本能的に好む」のではないかということです。

例えば、人間が電車の7人掛けの座席に座る場合、多くの人は、座席の両端のどちらかに最初に座ります。こういった行動は、人間が無意識のうちに、自分の空間を作ろうとしている本能的なものだそうです。

鳥も、本能的に縄張りや自分の空間のようなものを持っていて、その本能によって端っこに作ろうとするのではないかということです。あくまで憶測ではありますが、本能的にそのような傾向を持っていても、何ら不思議ではないと感じたわけです。

もしかしたら、真下に車両が通る場所は、本能的に嫌う傾向があるのかも知れません。

外敵から守る

次に、思ったことは、「外敵から身を守りやすいと感じたから」ではないでしょうか。

一般の鳥にとっては、ワシやタカなどの大型の鳥は脅威となりますので、できるだけそのような外敵が入り込みにくい、狭い場所に巣を作りたがるのではないでしょうか。ネットで囲まれている分だけ、外敵が入りにくいと感じるのでしょう。

作りやすい

そして何と言っても、一番の理由は、ネットがある方が巣を作りやすいということでしょう。

橋の下側には、水平になっている鉄板部分があるのですが、その面積は限られていますので、それなりの大きさの巣を作れば、落下の可能性が出てきます。

しかし、ネットがあって、そのネットをうまく利用すれば、落下の可能性は極めて低くなります。巣を安全に作ろうとして、自然とそのような場所を選んだのかも知れません。

今回、身近なところでとても興味深いものを発見しました。人間が生き物に対して行う対策と、それに対する生き物の実際の反応・行動が食い違う点を見て、面白いものだと感じました。

生物の行動を考えようとしない、人間の安易な発想が、このような結果を招いていると思うと、滑稽さすら感じたものでした。

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