ウィルス感染がなぜ爆発的に拡大するのか誰にも分かるよう簡単に説明

今、世界は新型コロナウィルスによるパンデミックが発生して、未だその収束が見えない状態です。

その感染は、当初、ごく一部の地域だけで確認されていた状態でしたが、瞬く間に世界中に拡散して、一気にパンデミック状態となりました。

ウイルス感染はなぜ爆発的に拡大するのか

このように瞬時に拡散していく一連の流れを見ていて、「どうしてここまで爆発的に拡散するのか」との疑問を抱いた人も少なからずいるかと思います。

ここでは、なぜこの種のウィルス感染が爆発的に拡大して行くのかについて、小さな子供でも容易に理解できるように、実感を持てるように簡単に説明します。

指数関数的な増加

まず何といっても、感染の爆発的な拡大の理由は、基本的な増加の仕方が指数関数的であることによります。

しかし、指数関数的と言われてもあまりよく分からない、ピンと来ない人も多いと思います。

そこで、この指数関数がどんなものなのかを理解するために、一旦、感染拡大の話は脇に置いておき、

簡単なクイズ

を出してみます。

みなさん、ちょっと考えてみて下さい。

このクイズは、以前、実際に私の息子に出したことがあるクイズと同じものです。

クイズを考えよう

では早速、クイズを出します。

クイズ
今日から1か月間(30日間)に渡って、毎日、お小遣いをあげます。お小遣いを貰う方法はAコースとBコースがあって、どちらか1つのコースを選ぶことができます。お小遣いの各コースの内容は下記の通りです。Aコース

「初日は一万円、二日目は二万円、三日目は三万円のように、前日より一万円加算した額を毎日、一か月間貰える」

Bコース

「初日は一円、二日目はニ円、三日目は四円のように、前日のニ倍の額を毎日、一か月間貰える」

さて、どちらのコースを選んだ方が得する(たくさんお小遣いを貰える)でしょうか?

クイズの答えは

このクイズの答えはどちらだと思いますか。

正解はBコースです。きちんと計算した人や、よく考えた人はそれほど難しくなかったハズです。

では、実際に金額を比較してみましょう。

Aコースの場合

初日1万円、二日目2万円、三日目3万円…で30日間ですから、
これは、1万円+2万円+3万円+…+30万円となり、その合計は465万円になります。

分かりやすい計算方法は、初日と30日目、二日目と29日目、三日目と28日目…のそれぞれの合計は全て31万円で、それが15回(30日÷2日)ありますので、31万円×15回のように計算すると、465万円という結果を直ぐに導きだせます。

Aコースの場合、一か月間のお小遣いの合計額は465万円。もちろん、子供のお小遣いにしては結構、大きな額と言えるでしょう。

Bコースの場合

では、次にBコースの場合です。

初日1万円、二日目2万円、三日目4万円…で30日間ですから、
1万円+2万円+4万円+…+2^(30-1)万円(2の29乗)となり、その合計は実に1,073,741,823円にも及びます。

桁数が多くて分かりにくいですが、10億7374万円1823円です。まるで宝くじの高額当選みたいですね。子供のお小遣いにしては多すぎますが…。

Bコースでは、初日に貰える額はたったの1円、10日目でもせいぜい512円です。

しかし、20日目に貰える額は524,288円にまで増加しますし、最後の30日目に貰える額は5億3687万円余まで増えるのです。

みなさん、きちんと正解にたどり付けましたか。

参考までに、AコースとBコースについて、日ごとに貰えるお小遣いの額を表記しておきます。後半になって目に見えて増加して行くことがよく分かると思います。

Aコース Bコース
1日目 1円 10000円
2日目 2円 20000円
3日目 4円 30000円
4日目 8円 40000円
5日目 16円 50000円
6日目 32円 60000円
7日目 64円 70000円
8日目 128円 80000円
9日目 256円 90000円
10日目 512円 100000円
11日目 1024円 110000円
12日目 2048円 120000円
13日目 4096円 130000円
14日目 8192円 140000円
15日目 16384円 150000円
16日目 32768円 160000円
17日目 65536円 170000円
18日目 131072円 180000円
19日目 262144円 190000円
20日目 524288円 200000円
21日目 1048576円 210000円
22日目 2097152円 220000円
23日目 4194304円 230000円
24日目 8388608円 240000円
25日目 16777216円 250000円
26日目 33554432円 260000円
27日目 67108864円 270000円
28日目 134217728円 280000円
29日目 268435456円 290000円
30日目 536870912円 300000円
合計 1073741823円 4650000円

感染拡大はBコース

さて、このクイズの答えを考えてみて、正解を得られた方は多くいたと思います。

しかし、AコースとBコースの差額がここまで大きくなるとは思っていなかった人も多いのではないでしょうか。

少なくても、きちんと計算しないで、感覚的に直ぐに答えを考えた場合、ここまでの差があるとは思わなかったことでしょう。

そして、ウィルスなどによる感染拡大を考える場合、上記のクイズにおけるBコースがこれに当てはまるのです。

ここで、AコースとBコースの額をグラフで見てみましょう。

AコースとBコースの比較

グラフを見ると、両コース間でとても大きな差があることをより実感できることでしょう。

そして、このグラフのBコースの曲線を見ると、緊急事態宣言が発令される以前の増加曲線に似ていることが分かると思います。

ウイルスなどによる感染拡大の基本的な増加の仕方は、まさにBコースと同じ増加の仕方をすることがよくお分かりでしょう。

数式で見ると

ではここで、小さな子供にとっては少し難しく感じると思いますが、両コースについて数式を考えてみましょう。

その日に貰えるお小遣いの額をY円、何日目であるかをX日目とすると、
これらYとXの関係(関数)は、Aコース、Bコースそれぞれ下記のようになります。

<Aコース>
Y=X×10000[円]

<Bコース>
Y=2^(X-1)[円]

つまり、AコースではYはXの一次関数であるのに対して、Bコースでは、YはXの指数関数であることが分かります。

ウイルス感染などが、指数関数的に拡大し、それがいかに大きな増加であるかが、より深く理解できたかと思います。

なぜBコースなの

しかし、ウィルスが爆発的に拡散して行くのはどうして上記のBコースに該当するのかがピンとこない人もいるかと思います。

でも、これを理解することは、それほど難しくはありません。

実際の感染拡大では、感染した人や周囲の非感染者がどのような行動をとるかによって変わりますので、感染がどのように拡大して行くかを一概に言うことはできません。

しかし、平均的な数値で考えれば理解しやすくなりますので、この考え方で説明して行きます。

ある人がある日(一日目)に、ウィルスに感染したとします。その人が誰か他の人に感染させてしまうとして、他の誰か一人を感染させてしまうまで一日の時間を要すると仮定します。すると翌日(二日目)には感染者は二人になります。

仮に、感染した人が直ぐに他者への感染能力を持つと仮定すると、その次の日(三日目)には最初に感染した人から新たに感染する人と、二日目に感染した人から新たに感染する人の二人が加わり、感染者は合計で四人になります。

次の日(四日目)には三日目までの感染者四人とその四人から感染した四人が加わり八人になります。

このように、次の日には十六人となり、更に次の日には三十二人となり、上記のクイズのBコースのパターンと同様であることが分かります。単純に言えば、感染者が多いほど新たに感染する人も多くなるということですね。

現実には一日に倍になることはなく、二日で倍、或いは三日で倍と言った具体に、倍になるまでの期間はもう少し長いのが一般的でしょう。

また、感染した人が直ぐに他者への感染能力を備える訳ではありませんし、感染者の中には回復する人もいますから、この通りに広がる訳ではありません。

しかし、基本的な感染の仕方が指数関数的であることに変わりは無く、これが爆発的な感染拡大の第一の理由と言っても過言ではありません。

コロナでは他の要因も

では、なぜ新型コロナウィルスがここまで爆発的に広がりパンデミックに到ったのでしょう。通常のインフルエンザなどの流行では、ここまでの拡大にはなりません。

これは、新型コロナウィルスの場合、単に指数関数的に増加するだけでは説明がつかない、他の要因もあるからです。

その主な要因を上げると、下記の通りです。

(1)予防接種ワクチンや専用の治療薬がなく抗体もない
(2)潜伏期間が他のウイルスと比べて長い
(3)無症状や無自覚の人が多くいる

では、ひとつひとつ説明して行きましょう。

(1)予防接種ワクチンや専用の治療薬がなく抗体もない

この新型コロナウィルスは、新種のウイルスで予防接種ワクチンや、患者に使う専用の治療薬がないことが、感染拡大の大きな要因のひとつです。

感染しても治療が容易であれば、回復する人も多く、回復に要する時間も短くなりますので、その分だけ周りを感染させる機会は自ずと減少します。

しかし、感染者がなかなか回復しない状況が続けば、その分だけ周囲に感染を広げてしまうリスクが高まるのは当然です。

また、新種のウイルスであるため、抗体を持っている人がいない(或いは少ない)というのも、感染が拡大した大きな要因のひとつと言えます。

実際、今回の新型コロナウイルスに感染した人の中には、1ヶ月以上も入院生活を送った人は少なくありませんでした。

インフルエンザでそこまで長期間の闘病生活を送るケースはごく稀であることを考えても、その差は大きいことが分かります。

(2)潜伏期間が他のウイルスと比べて長い

次に、新型コロナウイルスの場合、他のウイルス性疾患と比べて、割と潜伏期間が長いことが感染拡大の要因になったと言えます。

新型コロナウィルスでは、最長だと2週間も潜伏すると言いますからとても長いことが分かります。報告によれば、更にもっと長いケースもあったとも言われています。

潜伏期間が長ければその分だけ、自覚を持てませんから、水面下で広がっていても分からず、気付いた時には凄く広がっていたということになり兼ねない訳です。

もし、潜伏していることが自覚できれば、その分だけ対処しやすいですが、潜伏期間中に自覚を持つことは現実には難しいことです。

また、潜伏期間が短ければたとえ発症しても、二次感染に対して早めに対処することはできますが、潜伏期間が長ければ長い程、発症後の対処は後手になり、その分だけ感染を広げてしまいます。

要は、他のウイルスと比べて潜伏期間が長いことも、感染拡大の大きな要因になっているのです。

(3)無症状や軽症の人が多くいる

そして、新型コロナウイルスが厄介な点は、無症状や軽症の人が多くいることではないでしょうか。

各国で色々な報告がありましたが、どこの国でも無症状や軽症の人がけっこういたことが大きな特徴でした。

無症状や軽症の場合、感染者自身が他者を感染させてしまうリスクを自覚できませんから深刻です。

今回、感染経路が不明であった感染者が無数いましたが、その原因の多くはこうした無症状者や軽症者が多くいたことに起因したとも言われています。

新型コロナウイルスについては、未だに解明できないことが多々あるのが現実ですが、他の感染症ではあまり多く見られない、無症状者や軽症者の存在が大きかったと言えるでしょう。

まとめ

以上、見てきたように、ウイルス性の感染が爆発的に拡大するその原因の本質は、指数関数的に増加する点にあります。

実際の数値で見ることが一番分かりやすいと思いましたので、クイズを例にあげて説明しましたが、増加の仕方がいかに驚異的であるかが実感を持って頂けたのではないかと思います。

そして今回の新型コロナウイルスについては、歴史的にも稀に見るパンデミックとなりましたが、その感染拡大の背景には、他のウイルスにはあまり見られない独特な3つの特徴があったこともその要因でした。

新種のウイルスが発生して、そのウイルスと闘う。この繰り返しをして来たのが人類の歴史とも言えます。

しかし、人類がウイルスといかに共存して行くかを考えることの方がより現実的とも言えます。

そういう意味では、今後また新たなウイルスが発見された場合、指数関数的に増加することを決して忘れることなく、しっかりと頭に入れておくことが重要と言えるのではないでしょうか。

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