老後破産の原因「生活レベルを変えられない」を衣類に着目して考えた

老後破産が起きる原因には色々あると言われていますが、そのひとつに、「今までの生活レベルを変えられない」という原因があります。

生活レベルは人によって異なりますが、衣食住が生活の基礎をなしていることについてはみな同じです。

ここでは、生活のレベルを変えられない、即ち生活レベルを下げられないことについて、衣食住のうちの「衣」にスポットを当てて考えてみます。

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生活レベルと衣類

衣食住の「衣」すなわち、衣類・衣服は生活に必要なものですが、どんな衣類をまとうかについては人それぞれです。また、その人の衣類に対する考え方や生活レベルによっても異なります。

老後の収入減少に伴って、着用する衣類にどのような影響が出るのかを考える場合、衣類の価格の差がどの程度であるかがカギになります。

誰しも、着る衣服が優れていれば優れているほど良いに決まっていますし、安価であれば安価であるほど望ましいハズです。

しかし、実際には衣服が優れているほど価格は高くなりますし、劣っているほど安くなります。簡単な言い方をすれば、グレードが高い服は高価で、グレードが低い服は安価ということです。

しかし、ひとことで「衣類のグレード」といっても、その価格を決める要素には様々あります。以下、衣類のグレード・価格を決める要素を見てみます。

衣類のグレード

衣類のグレード・価格を決める要素は色々ありますが、これを端的に言えば機能と性能です。

機能と性能は似ている面もありますし、重複する部分もありますので、明確に分類するのは困難ですが、端的に分類すれば以下のようになるでしょう。

衣類の機能

機能とは、衣類が本来備えている働きや、果たしている役割のことですから、本来の主機能としては、身体を覆って裸体を隠すと言う点や、体感温度を一定に保つ働き、身なりを整える役割などがあります。

また、レインウェアであれば雨から身を守ることが主機能ですし、帽子であれば日光を遮るのが主機能になりますから、衣類の種類によってその主機能が異なって来ることも分かります。

そして、主機能の他には付加機能と呼ばれる機能がありますが、これには撥水機能、紫外線対策機能、静電気対策、保湿機能、保温機能などなど、様々なものがあり、付加価値としてその衣類の価値が高まり、より便利に、より快適に着られるようになります。

衣類の性能

一方、性能とは、衣類が持つ性質や能力のことを指しますから、強度や耐久性や耐用年数、或いは硬さ、重さや肌ざわりなどの着心地がこれにあたります。

また、保湿性能や保温性能、撥水性能など諸機能の能力、更に言えば、見た目のデザインやブランド力も性能の一部と言えます。

更に言えば、衣類などを維持する上ではクリーニングやメンテナンスも必要ですから、それらに要する出費も無視はできません。

衣類を使い捨てにできれば維持に必要な費用は何ら発生しませんが、そういう訳には行きません。

グレードを落とすとは

服さえあればいいは問題ない

このように衣類のグレード・価格を決める要素はいくつもありますが、老後の収入減少に伴って、こうしたグレードを落とせるかどうかが問題になるといえます。

衣類に対して全くの無頓着で、「着る服さえあれば何でもよい」という感覚を持っている人であれば、まず問題は無いと言えるでしょう。

もし、問題があるとすれば、最低限の服すらも買えないほど収入が不足している場合ですから、ここで考えている「生活レベルを変えられない」というテーマとは異なる問題になります。

では、衣類のグレードを落とすことに何らかの抵抗を感じるのはどういう場合でしょうか。それは、端的に言えば、衣類に対して何らかの頓着、即ちこだわりがある場合です。

そして、そのこだわりが、機能面にあるのか、或いは性能面にあるのか、また、機能性能のうち具体的にどのような点にあるのかについては、人それぞれでしょう。

性能や機能へのこだわり

例えば、暖かくて軽いダウンジャケットなどは冬場の寒さをしのぐにはとても便利ですが、それ相応の値段がします。

もし購入する衣類の値段を下げなければならず、同じ保温性を得ようとすれば、衣類の重みが増して着心地が悪くなることでしょう。

これとは反対に、衣類の値段を下げなければならず、同じ軽さの衣類にしようとすれば、保温性が低下してしまうことになります。

この例の場合、軽さと言う着心地、暖かさと言う快適さへのこだわりがある場合にグレードを落としにくくなると言えます。

つまり、衣類に対する何らかのこだわりがあれば、その性能・機能を維持したいという願望から、グレードを落としにくくなります

維持費も関係する

また、衣類のグレードを維持するためのクリーニングやメンテナンスについてですが、クリーニング不要な服を中心にする、絶対に必要なメンテナンス以外は処置しないなどは、比較的取り組みやすいことでしょうから、生活レベルの変化(低下)の影響はまだ受けにくいと言えます。

しかし、衛生上のことや身だしなみを考えると、洗濯だけは回避しづらいと言え、洗濯機のグレードを落とせるかがカギとなるでしょう。

グレードを落とせるかどうかのカギは見栄

さて、実際にグレードを落とすとなると、衣類に対するこだわりが何であるか、そのこだわりがどの程度であるかが問題になります。

しかし、老後の収入低下に伴う生活レベルの変化という視点で見た場合、衣類の価格差が大きくなるグレードの差こそが最も現実的に影響を及ぼすと考えることができます。

基本性能機能などは大きな価格差を生まない

例えば、保温性という衣類が基本的に備えている性能・機能に関する場合、うまく服を選ぶことや型落ちや処分品などをうまく見つけるなどすれば、それほど価格に大きな差がでない範囲で、より保温性の優れた衣類を探すことは難しくないでしょう。

要は、基本機能については、よほど大きな機能向上でもない限り、コストパフォーマンスの低下は無いと言えます。

また、付加的な機能について言えば、本来は二次的な機能という趣が強いため、比較的我慢しやすい、つまり、グレードを落とすことにあまり抵抗がない要素と言えます。

仮にそういった機能に強いこだわりがあったとしても、似たような機能を兼ね備えたものを探せば、割と同じような価格で代わりとなる衣類も多いでしょう。

更に、性能面の話をすれば、優れているに越したことはないものの、廉価品でも実用上の性能は十分に満たしていると考えられますから、多少の性能低下さえ容認できれば、決してグレードを落とせない話ではないハズです。

では、洗濯機についてはどうでしょうか。高性能・高機能の全自動洗濯機に慣れてしまった人は、シンプルな全自動洗濯機や手間のかかる二層式洗濯機に変えるのは大変なことかも知れません。

しかし、最低限の機能を兼ね備えた商品という視点で洗濯機を選べば、それほど経済的な負担があるわけでもありません。

それは洗濯機は耐久年数が相応年数あり、買い替える頻度が低く、一日当たりの単価にすれば決して大きい額とは言えないからです。

見栄こそが最も捨てにくい

以上のことから、単純に機能・性能面の差を考えた場合は、少し我慢すれば決してグレードを落とせないことはありません。

では、実際にグレードを落とせないで苦労するのは、どういう場合でしょうか。

それは、対象となる機能・性能の中でも、最も価格差を生み出し、且つ、こだわりを捨てずらい要素です。

この要素とはまさに、ブランド品に対するこだわりで、そのこだわりの起因となるものこそ、見栄やプライドです。

優雅でオシャレな衣類、殊にブランド品を着なれた人ほど、周りからどう見られるかという見栄やプライドを強く持ちます。

そして、収入が落ちれば、古い衣類も着続けなければならないという問題も生じますが、この問題も、突き詰めて言えば、「古い服ばかり来て恥ずかしい」などと言った見栄やプライドから来るものです。

つまり、衣類に関して生活レベルを落とせるかどうかのカギは、見栄やプライドを捨てられるかどうかにかかっていると言えます

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