かつての生活は、5時間も睡眠をとれば「たくさん眠った」という感覚を持つようなリズムでしたので、仕事中に眠くなることがしばしばありました。
仕事中に眠るわけにも行きませんし、ウトウトすれば印象や評価が悪くなりますから、眠らないように色々と工夫をしてきました。
そんな経験から筆者が自然と身に付けた、職場での眠気対策を紹介します。
まずは要因を排除
まず、仕事中の睡魔に対する対策を考える前に、眠くなる根本的な要因を考え、これを排除することが何より大切です。眠くなる要因には色々あるかと思いますが、大きく分けると一時的な要因によるものと、継続的な要因によるものの2種類があります。
一時的な要因には、急用で寝不足となったり、風邪を引いて体調不良となったり、寝つきが悪かったりしたなどがあります。
また、 継続的な要因には、不眠症に陥っていたり、多忙な日々が続いていたり、生活リズムが乱れていたりするなどがあります。
一時的な要因から生じる場合は、イレギュラーな要因によるものですから、不可避な場合が多く、要因を取り除くのは難しい面があります。従って、イレギュラーな要因に起因する睡眠不足の場合、仕事の状況が許すのであれば、思い切って休暇を取得する方が良いかもしれません。
一方、継続的な要因から生じる場合、その要因を取り除こうと考えることが大切です。
もし、不眠症になっているのであれば、治療を受けることも考えるべきでしょう。
多忙な日々が続いているのであれば、何に忙殺されているのかを見つめ直してみることも大切でしょう。
生活リズムが乱れているのであれば、そのリズムを改善すべきでしょう。
いずれにしても、人間は睡眠を必要とする生き物ですから、十分な睡眠を取らないなどの原因があれば必ず反動が生じます。
睡眠が十分でないのであれば、まず、そうなっている要因を真っ先に見つめ直すことが一番大切です。
眠気の要素を除く
とは言え、実際に生活していると簡単に睡眠不足を解消できないものです。また、相応の睡眠を取っていても眠くなる時はどうしても眠くなります。
そこで、職場環境に横たわっている、眠気を誘発する要素を取り除いてあげることが大切です。
分かりやすい例をあげれば、ポカポカした環境や昼食直後などは眠気を感じやすくなりますし、立ち仕事よりもデスクワークの方が眠くなります。つまり、可能な限り、このような眠気を感じやすくなる要素を取り除くのです。
具体的には、
「服装は薄着にして身体を温めないようにしてなるべく涼しい状態を保つ」
「昼食後は眠気を誘うデスクワークなどの作業にならないように仕事の段取りを組む」
「昼休みや休憩時に体操をするなど、身体を適度に動かす」
などの方法が有効です。
また、もし可能であれば、空調温度を調整して眠くなりにくい温度に変更するとか、座って行う作業でも、敢えて立って作業するとかなどの方法もあります。
要は、眠くなる要素を少しでも取り除いてあげることです。
常套手段
さて、実際には、眠くなる要素を取り除いただけでは、眠気を抑制することはできても、必ず収まるものではありません。そこで、眠気が生じた時には、その都度、具体的な対策を採る必要があります。
以下は一般的な方法でもありますが、相応の効果がありますので、取り入れない手はありません。
まず、最も一般的な方法は、コーヒーを飲む、ガムを噛むなどがあります。コーヒーはカフェインがあるから効果的で、ガムは噛む動作が脳を刺激することで、眠気を抑制してくれます。
コーヒーの代わりに別な飲物にしても、 気分転換そのものが眠気を防いでくれますから、一時的には効果が期待できます。
しかし、コーヒーに飲み慣れたり、極度の睡魔があったりすれば、カフェインがあっても眠気を防ぐことはできません。
そんな時に強力な味方となるのが、市販の眠気防止薬です。眼眠打破なんかが定番で有名です。私は用いたことはありませんが、 使用経験者の話では、効果はけっこうあるが、薬の効力が切れた時は、ものすごい睡魔が襲ってくるそうなので利用には注意が必要です。
また、別な常套手段としては、身体を動かす、 外の空気を吸う、顔を洗うなどがあります。洗面所に行くついでなどがあれば、そのついでに顔を洗うとか、ちょっと外の空気を吸うなどは簡単なことですから、ぜひやってみましょう。
たとえついでがなくても、一般の職場であれば、少し離席するくらいは問題ないでしょうから、外に出て空気を吸って、軽く身体を動かすのもいいでしょう。
究極はやはりこの方法
しかしながら、「常套手段などでは眠気が収まらないから因っている」というケースもあるでしょう。殊に徹夜してそのまま勤務しているなどであれば、その眠気は凄いものがあります。
そんな場合には、常套手段ではなく非常手段が必要です。その非常手段とは、究極の方法であり、最善の方法でもある「眠る」ことです。
「仕事中に眠れるか!」との非難を浴びそうですが、眠気に対する最善策は眠ることです。これに勝る策は絶対にありません。
問題は、どのように「眠る」かですが、私の経験上、これには2通りあります。
1つは、休みの時間にしっかり仮眠をとることで、もう1つは就業時間内にうまく仮眠をとることです。
休息時間の睡眠
休み時間に仮眠をとるのは実際に実行している人も多いと思いますが、工夫が大切です。寝るからには少しでも良い睡眠を採った方が良いわけですから、可能であればベッドなどのしっかり休める場所で眠るのが一番です。
とはいえ職場にベッドなどはないのが普通ですから、それに近い環境が望ましいです。
私の場合、昼寝用のダンボールと梱包材(プチプチ)を確保しておいて、人が通らないような部屋の片隅でそれらを布団代わりに敷いて、熟睡するように心掛けていました。 本当に深刻な寝不足をしている場合はとても効果が大きいです。
椅子に座ってデスクにうつ伏せて寝るのも良いですが、可能であればより眠りやすい状態にしましょう。
また、仮眠というと昼休みだけを考えがちですが、終業前後や、中休みなど短い休息時間が定められている職場もあると思います。本当に眠い時などにはそんな僅かな時間でも仮眠を取りましょう。人間は本当に眠い時には、たとえ5分や10分眠っただけでも、かなり眠気が取れるものです。
就業時間内の睡眠
そして、終業時間内に仮眠を採る方法ですが、これはトイレの中で眠る方法がいいです。もちろん衛生的ではありませんし、眠るのにはふさわしくない環境ですが、プライベートが確保されて周りから眠っているところを見られない唯一の場所と言えます。
眠さが極まってどうしようもないというような状況の時は、たった5分間眠るだけでも全然違いますから大いに活用しましょう。
実際に私は何回も実行したことがあります。この話を聞くと、「終業時間内にそんなことをするのはちょっと気が引ける」と感じる人も多いと思います。
しかし、眠いのを無理して仕事をしていても効率は上がりません。 「リフレッシュすることで仕事の効率をあげて会社に貢献する」くらいの割り切った気持ちを持つことも大切です。
また、 別な方法として、職場にある診療施設などを利用するのもひとつの手です。これはそうした施設がなければできませんが、本当に極度の眠さの場合は、体調が優れないということで、利用させてもらいましょう。少なくても、いざという時の選択肢として、頭には入れて置きましょう。
少し休んだら「体調が楽になった」と言って、そのまま職場に戻って業務に就けば、何ごともなかったかのように仕事を継続できます。利用できる施設をうまく活用して効果的に睡眠を取ることはとても有効な手段です。
もちろん終業時間内に眠る方法はあくまで非常手段ですから、何かあった時の方法と心得ておきましょう。