義父の急な入院で多忙な家事育児を体験。育児施設の不足、片親の苦労を実感。

長野に引っ越して来てから間もなくのこと、義父が緊急入院したことで、妻が2週間に渡って急きょ泊りで看病に行くことになりました。突然のことで、何ら準備をする間もなかったので、子供達をどうするかが問題になりました。

当時は上の子がまだ幼稚園で、下の子は幼稚園に入る前だったのですが、私が仕事へ行けば誰も子供を見る人がいない状態になるため、どうして良いかとても迷いました。

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まだまだ充実していない保育施設

臨時預り保育を調べて、何件も問合せしたのですが、時期的に繁忙期でもあり、どこも予約がいっぱいで、急な対応はできないとのことでした。

やっと見つけた保育施設は、認可保育園ではなく私的な運営施設で、保育料が高額なだけでなく、送り迎えも困難な遠方にありましたし、親から離れた経験のなかった下の子を、そのような施設に預けるのは適切ではないと感じたので、どうすべきかたいへん悩みました。

仕方がないので、結局、私の母に長野まで泊まりに来てもらうことになったのですが、母は高齢のため家事は期待できず、育児についてもまともにできるとは思えず、せめて子供が危ないことだけはしないように、見張っててもらうくらいしかできない状態でした。

実際に母は、体力が落ちてきていることもあり、動作も遅く、もし、子供が走れば追いつくことはできません。しかも、物忘れも多くなってきており、子供を任せるのには躊躇があるくらいでした。

休む時間がない

実際の家事においては、料理、洗い物、洗濯、買い物、掃除等々全て私がやることになり、また、幼稚園に通っていた長男の弁当作りも必要でした。

そして、育児に於いても、幼稚園の準備や、着替えの準備や手伝いもやり、風呂に入れたり、寝付かせることまで全て私ひとりがやっていました。

当時、長男は習い事を幾つかしていたので、可能な限り振替レッスンに変更しましたが、無理な場合はレッスンを休ませたり、私が取得する休暇に合わせて、参加させるように調整しました。

私自身、普段から、家事・育児は精いっぱい手伝って来たつもりでしたが、ほぼ全てのことを一人でやるのは、息を付くことができず、正直とても大変なことでした。

土日は仕事が休みではありましたが、洗濯をまとめてしたり、買い出しをしたり、日々手が回らない掃除をしたりして、休める時は少しもありませんでした。

睡眠時間も毎日5時間くらいでしたが、かつて平均睡眠時間が4時間半もなかった私にとってはそれほど苦にはならず、むしろ、「私に何かあったら子供達はどうしよう」との精神的な負担がもっとも大きなプレッシャーになっていました。

片親の子育てがいかに大変か

当時は引っ越したばかりで、長野の生活にはまだまだ不慣れであったことや、あまりにも急なできごとであったこともあり、結局この2週間のあいだには、半日休暇を4回、全日休暇を1回、取得せざるを得ませんでした。

この経験を通して感じたことは、現在の日本では、保育施設の体制が全くと言ってよいほど整っていないということです。「一億総活躍の社会」などと威勢のいいことを言って、所詮は票集めのための言葉であって、活躍できる体制にはまだまだほど遠い、と感じるのは私だけではないでしょう。

また、片親で子育てに励んでいる方々の苦労・気持ちを一部でも味わえた気がして、世のシングルファザー、シングルマザーに深い敬意を払いたい思いが湧いてきました。

そして、込み上げてきた思いは、片親に育てられた方々は、その親の苦労を誰よりも知り、より一層の孝養心に立って欲しいとの切なる願いです。

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