長野市で特定外来生物のアカカミアリが見つかる。

アカカミアリ(長野市公式サイトより)

去る4月20日のこと、私が住む地域に長野市の広報車と思われる車両が、市内を循環しながら、住民に対してスピーカで、注意を促すアナウンスをしていました。なんだろうと思って聞き耳を立ててみると、ヒアリに似た特定外来生物であるアリが市内で発見されたとのことでした。

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アカカミアリが発見される

ヒアリについては、毒性を持つ外来生物であることは知っていましたので、気になり長野市のホームページで確認したところ「アカカミアリ」が1匹発見されたとのことでした。

このアリは、2018年4月14日土曜日、長野市内の住宅内において発見され、環境省と専門家のその後の調査により、4月18日に、特定外来生物の「アカカミアリ」の無翅女王アリ(一個体)であることが確認されたとのことです。その後のモニタリングでは、その周辺で疑わしいアリは他に確認されていないそうです。

従来、この種の生物は、海外からコンテナなどの荷物に付着して入り込むケスが一般的で、港湾地区やコンテナを扱う事業所で発見されていたようですが、長野という内陸で見つかったことは異例で、進入経路は調査中とのことですが、輸入品に紛れ込んでいた可能性があるようです。今まであまり気にも留めていなかった特定外来生物ですが、身近なところで発見されたので少し驚き、調べてみました。

アカカミアリとは?

アカカミアリは、米国南部から中南米に生息する赤褐色(頭部は褐色)の小型のアリで、体長は3mm~5mm(働きアリの場合) と、大きさにバラつきがあるのが特徴で、刺激すると、お尻にある針で刺されることがあって、ヒアリと同様に強い毒を持っているので注意が必要です。

亜熱帯地域の裸地や草地などの開けた環境に生息していて、巣は土の中に形成し、水に浮んで集団で移動するなど拡散の能力も高いそうです。雑食性で、甘露や植物の種などを餌とするほか、攻撃的で高い採餌能力を持ち、他の小型節足動物なども捕食するとのことです。

もし発見したら

もし、発見したら、以下のことが大切とのことです。
・強い毒性を持つため、素手で絶対に触らない
・アリを踏む、巣を壊すなど刺激しない
・速やかに市町村等の役所へ連絡して、発見日時、発見場所、状況などを伝える

ちなみに、市販のスプレー式殺虫剤を使用して、駆除が可能とのことですが、屋内等で少数を緊急的に駆除する場合に限った方がよいようです。攻撃性が強いので、中途半端な駆除は刺されるもとになりかねません。

もし刺されたら

刺されたときは、20~30分程度はまず安静にして、体調の変化がないかをよく注意し、急激に容体が変化する場合には、速やかに医療機関を受診すべきだそうです。

毒への反応は人によって大きく異なるそうですが、刺された瞬間は熱いと感じるような、激しい痛みが走り、軽度の場合、刺された部位の痛みやかゆみがあり、10時間ほど経つと膿がでてくるそうです。

中度の場合は、腫れが広がり、部分的、または全身にかゆみをともなう発疹(じんましん)が現れることがあるそうです。

重度の場合は、刺されて数分から数十分の間に息苦しさ、声がれ、激しい動悸やめまいなどを起こすことがあり、進行すると意識を失うことすらあるそうで、重度の場合は即時型のアレルギー反応「アナフィラキシー」である可能性が高いそうです。

頭に入れておく

今回、身近なところでアカカミアリが確認されたことで、ふだんはあまり意識しない、特定外来生物について調べるキッカケになりました。特定外来生物といえば、アカカミアリよりもヒアリの方が知名度は高いのですが、ヒアリの場合、アメリカでは既に大問題になっていて、その被害額と対策費用だけで年間7000億円にも及ぶそうです。

日本でもヒアリやアカカミアリに対する水際の防止策を必死で採っていますが、中国や台湾などではヒアリは既に拡散して防げなくなっているのが実情だそうです。日本におけるアカカミアリの発見件数はまだまだ少ないのですが、ヒアリはそれに比べて多く確認されています。

いずれも今のところ、日本では繁殖は確認されていないそうですが、近年の急速なグローバル化や、温暖化の影響もあり、いつどこで爆発的な繁殖が始まるか分かりませんし、既にセアカゴケグモのように、定着しつつある生物もあります。特定外来生物の危険性は、国民一人ひとりが頭に入れて意識し、その拡大を防ぐように心掛がけることが大事といえるでしょう。

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