我が家では、長男が成長して来ても、なかなか夜尿がなくならない問題がありました。
小学校へ上がっても、まだ夜尿をする日が多く、親として心配になり、思い切って病院に行ったのでした。
結果としては病気でも何でも無く、成長過程であるとのことで、むしろ生活習慣の改善と、日々のちょっとした訓練を指導されたのでした。
この経験から、同じようなことで悩んでいる方のために、まずできることをアドバイスしたいと思います。
病気が原因はごく一部
長男が受けた検査は、尿検査と超音波エコーによる腎臓と膀胱等の検査でした。医師の説明では、尿の成分には異常は無く、腎臓も膀胱も全く問題はないとのことでした。
親としては、一番気になるところに問題がない、とのことで一安心でしたが、ではいったい何が原因なのだろうと思ってました。
考えてみれば、夜尿の問題がある子供の数を年齢別に見れば、年齢が大きくなるに従って減少していて、大きくなっても問題が残っている人はごくごく一部です。
換言すれば、基本的には成長とともに収まり解決するので、所詮は個人差の問題であって、病気に起因するケースはごく一部ということです。
実際に夜尿の問題を抱えるとされる割合を年齢別に調べたところ、下表のようになっていました。
年齢・学年 | 割合 |
5~6歳 | 15% |
低学年 | 8% |
10歳 | 5% |
簡単にできる尿の量の確認
長男の検査結果に異常がなかったことが判明したあと、医師からは、次の二つのことを確認するように指示がありました。
(1)我慢できる尿の量
(2)夜間に溜まる尿の量
(1)については、排尿を我慢できるだけ我慢して、我慢できなくなった時に排尿した尿の量をはかります。
(2)については、寝る前にオムツをしますが、その時に事前にオムツの重さを測っておきます。そして朝起きた時にオムツの重さを計り、そこから事前に測ったオムツの重さを差し引きます。
これにより、オムツに染み込んだ尿の重さを知ることができますが、これを1[g]=1[cc]と換算します。その換算量に対して、朝起きた直後にした尿の量を測って足し合わせます。
(使用後のオムツの重さ[g])-(使用前のオムツの重さ[g])+(朝一番の尿の量[cc])
これにより夜間に溜まる尿の量、換言すれば、本来我慢しなければならない尿の量がわかります。
これら二つの尿の量を、数回に渡って取得するというのがその医師の指示でした。
尿の量から状況を判断
尿の量を数日測った後、再診察を受けたのですが、まず医者が見たのが、我慢できる尿の量でした。
数回測定した結果のうち、最も数値が大きい量が我慢できる最大量と見て、その量が年齢相応であるかを確認したのでした。結果としては年齢相応で問題はありませんでした。
ちなみに、我慢できる量の、年齢別の標準的な数値は下表のようになっています。もしここで、標準的な量と著しく異なる場合は、成長が遅れているといった、問題がある可能性があるということでしょう。
年齢 | 量 |
6~8歳 | 150[cc] |
9~11歳 | 200[cc] |
12~15歳 | 300[cc] |
さて、次に医者が見た点は、夜間に溜まる尿の量との比較でした。
その結果、長男の場合は、夜間に溜まる尿の量は、我慢できる尿の量を大きく超えている日がほとんどで、その数値は我慢できる尿の量の1.5倍から2倍もありました。
これらの数値は、診察を受ける前から、測って知っていたことでもあったので、我慢できる量を超えているのだから無理もない、との感覚だけはありました。
しかし、どうして夜間に溜まる尿の量がこんなに多くなるのかは分かりませんでした。
生活習慣の改善を指導される
これらの結果をもとに、その医師から受けた指導は次の二つでした。
(1)夜間の飲食を抑えること
(2)我慢する訓練を続けること
(1)については、夜の飲食が多かったり、遅かったり、或いは塩分を多く摂取したりすると、尿の量が増えるので、そのような生活習慣は改善するように、とのことです。
夜間の飲み物については気にかけてはいたのですが、食べ物についてはあまり注意しておらず、たとえ食べ物であっても、含まれる水分はバカにならないので注意が必要だと気づかされたのでした。
実際、長男は夕食後に「お腹が減った」と言って、遅い時間にけっこう食べることも多く、気付かないところで原因を作っていたのだと、思い知らされました。
(2)については、尿をギリギリまで我慢することで、尿意を脳に伝達する力を訓練することができて、漏らす前に目覚めやすくなるとのことでした。
まず様子を見てから判断を
以上のことから、家庭で尿の量を確認知ることで、ある程度の状況を知ることができることが分かります。
子供の夜尿で心配な方は、あわてて医師にかかる前に、まず、家庭でもできる2つの尿量の測定を試してみることをおススメします。
「尿のがまん量」を測定して、標準的な量から著しく外れているかどうかで、病的な要因があるかの目安になるでしょう。
また、「夜間に溜まる量」を測定して、「尿のがまん量」との大小を比較し、我慢できる範囲であれば、尿を我慢する訓練を続けて、脳へ尿意が伝わりやすくするよう努力するといいでしょうし、我慢できない範囲であれば、我慢する訓練に加えて、夜間の飲食を抑える生活改善をするといいでしょう。
いずれにしても、多くは成長過程で生じる問題ですので、あせらず、少しずつ改善してゆく姿を見守って行くことも大切でしょう。
長男の場合も、医師の指導に従うことで、少しずつ改善して行くことができましたが、決してすぐに治ったわけではありませんでした。
小学生でも夜尿の問題を抱える子供は、それ相応の割合がいます。あわてて病院に行くよりも、まず家庭でできる簡単な確認や訓練などから始めてみたらいかがでしょう。