昔懐かしい遊び「駆逐水雷」の遊び方。多人数に対応したルール。

駆逐水雷(くちくすいらい) という遊びをご存知でしょうか。追いかけてタッチする点では鬼ごっこに似ているのですが、2つのチームに分かれて戦う点が、どこか戦争ごっこのような感じもあって、チームで対決して勝敗を争う競技のようでもあり、とても楽しめる遊びです。

私も小学校の頃、頻繁に遊んだのですが、とても好きな遊びの1つでした。最近はあまり遊んでいるような話を耳にしませんが、子供にとっては思い切り体を動かして楽しめるので、機会を見て遊ばせてみるのもいいでしょう。

ルールは地域によって差があるようですが、ここでは私が馴染んできた、数十人から百数十人位の多人数で楽しめるルールを説明します。

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チーム編成

チームはAチームとBチームの2つに分かれてチーム間で対戦します。ひとつのチームには、一人の大将と、赤、白、青の3色で区別された複数のメンバーで構成されます。

(各チームの構成員)
大将 一人
赤 ・・・チームの人数の三分の一
白 ・・・チームの人数の三分の一
青 ・・・チームの人数の三分の一

例えば、チーム員が50人の場合、大将が一人、赤が16人、白が16人、青が17人などとなります。赤白青の人数は同じでなくても構いませんが、チーム人数の約三分の一になるようにし、赤白青の人数間の差がないようにします。

AチームとBチームの人数は半分ずつにしますが、どちらかのチームが一人多くても問題ありません。

場所と用具

遊ぶ場所は、校庭やグランドなど平らで広い敷地が一般的ですが、自然公園などの高低差があるフィールドなどでは、より一層楽しめます。どんな場所で遊ぶにしても、領域を明確にしておくことが大切です。

広さとしては数十人規模であれば一般の小学校のグランド程度で十分ですし、百数十人であれば比較的広めのグランドなどがよいでしょう。

用具としては運動しやすい服装の他に、敵味方と赤白青及び大将を区別するための目印となる物が必要です。一般的には、つばのある帽子などをかぶり方を変えて識別する方法が用いられていたようですが、私が遊んでいた時のように、ハチマキを使用するのが最も簡単でいいと思います。

また、大将はハチマキではなく、タスキが1つずつ必要です。赤、白、青のハチマキを人数分用意して、それぞれの役割の人に配ります。Aチームはハチマキを頭に巻き、Bチームはハチマキを腕に巻き、ハチマキを巻いた位置で敵味方を区別するようにします。それぞれの大将は目立つように、体にタスキを掛けます。

このように、遊ぶのに必要なものは、広い空間と色分けした人数分のハチマキと、タスキが2つあれば良いのです。

遊び方・ルール

まず、競技をする領域内で、AチームとBチームの本陣をそれぞれ決めます。長方形のグランドの場合は、対角の隅をそれぞれの本陣とするのが良いでしょう。

本陣には植木やポールなど、何かつかむことが出来るものを決めておきます。双方のチームは、それぞれの本陣付近に集まり、合図で開始します。

グランドでは対角をそれぞれの本陣とする

赤は敵の青をタッチすれば捕えることができ、同様に、白は敵の赤を捕えることができ、青は敵の白を捕えることができます。

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自分が捕えることができる色の相手を狙ってタッチすれば、捕えた相手を本陣の方に捕虜として連れて行くことができます。この際、捕まえた人と捕まった人はペアになって、捕まえた人の本陣に向かい、捕まった人は敵の本陣の奥の植木(又はポール)に捕まって立ちます。

捕まえた人は味方の陣に捕虜として連行する

次に捕まった人は、その前に捕まった人と手をつなぎ、更にその次に捕まった人がいれば再び手をつないで、同様につかまった人はつぎつぎに手をつなぎ、一列に並んだ状態で、敵の本陣から自分の本陣方向に伸びて行きます。

捕らえられた捕虜は手をつないで敵陣から味方の方に向かって一列に並ぶ

捕まった捕虜を助けたい場合は、捕虜となって手をつないで並んでいる列の誰かしらにタッチすれば、捕えられていた味方は全員、解放されて逃げることができます。

敵陣に乗り込んでつかまらずにタッチする必要があるので、そう簡単にはいきませんが、人数が多い分だけ駆け引きや作戦などを考えて行動を起こせるので、そこに面白さがあります。

勝敗は敵の大将を捕まえた方のチームが勝ちとなります。大将を捕まえることが出来るのは青だけで、それとは反対に、大将は青以外の赤や白を捕まえることができます。たとえ、捕らえた敵の数が多くても、大将が捕えられたチームは負けになるのです。

また、敵味方の同じ色どうしがタッチすれば、お互いに一旦それぞれの本陣まで戻って本陣の植木(又はポール)を触ってからでないと戦地に戻れません。

従って、自分が青で、敵の赤に狙われて追いかけられた場合、その赤にタッチされるよりも早く敵の青にタッチすれば、双方の青はお互いの本陣に一旦戻らなければならないので、直後に赤にタッチされても無効となって捕まらずに済みます。

同じ色同士がタッチすると、お互い自分の陣地に戻らなければならない

また、捕虜を助けに敵が乗り込んで来て、捕虜の列にタッチしようと近づいてきた場合、助けに来た敵にわざとタッチして捕まれば(例えば、助けに来た敵が白、わざと捕まる人は赤)、捕まえた人は捕まった人を一旦自分の本陣まで捕虜として連れて行かなければいけないので、捕虜が解放されるのを防ぐことができます。

たとえ捕虜をたくさん捕えても勝敗はあくまで相手の大将を捕えた場合に勝利しますので、自分の大将が捕まえられないように、通常その周りには味方が何人も取り囲んで守るようにします。

実際は、捕虜をたくさん捕えるほど戦いを有利に進められますので、いかに相手を多く捕えるかが勝敗のカギになります。

また、相手を捕えれば捕えるほど、捕虜の列の長さは伸びて行くので、救出する側は救出しやすくなりますし、捕虜を逃がさないようにする側はその分だけ守るのが大変になります。しかし、そこがこの遊びの楽しいところでもあります。

以上、簡単に駆逐水雷の遊び方を説明しましたが、一度やるとその楽しさを分かってもらえると思います。小学生くらいの年代が集団で楽しんで遊べるので、とても有意義です。機会があればぜひ試してみて下さい。

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