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水泳の練習に使用するパドルの意義と効果。

水泳を本格的にやろうとした時、練習用のパドルを使用する機会が出てくると思います。

しかし、水泳を始めたばかりだと、パドルを使う意義や得られる効果が何なのか、よく分からないものです。

「パドルを使えば速く泳げるけど、本番の競泳で使えないなら意味ないのでは」などと考えるかも知れません。

水泳用のパドルは泳力向上に役立つ

私も以前は、水泳練習用のパドルについて、よく知りませんでした。

しかし、子供が本気で練習をするようになってパドルを使うようになったことを機に、パドルを使う意義とその効果について詳しく知ることができました。

水泳用のパドルとは

そもそも、水泳用のパドルとは何かですが、水をかくために手のひらに取り付けて使う、水泳の練習用の用具のことです。

パドルの語源は英語のpaddleで、英語のpaddleの意味にはカヌーを漕ぐときの擢(かい)や、かいで漕ぐこと、又は、かい状のものを表します。

実際の水泳用のパドルは、形状がフラットなものや凹上にカーブのあるもの、手のひらサイズより少し小さいものや手のひらよりも大きめの面積を持っているものなど、色々な種類があります。

いずれにしても、手のひらに取り付けて、泳ぐときに水をかくために使います

パドルの意義

では、パドルを使う意義は何でしょうか。

これを理解するためにはまず2つのことを頭に入れて置くことが大切です。

1つはパドルを取り付けることで、

水をかくための手のひらの面積が広くなる

ことで、もう1つは

あらゆる泳法において、手のひらで水をかくことは効果的に永ぐ上で重要である

ことです。

1つ目の「水をかくための手のひらの面積が広くなる」ことは、パドルを付けることで手のひらが受ける水の抵抗が大きくなります

これによって、手のひらをかくときに力が必要となりますが、その反面、水を大きくかくことができるようになります。

パドルを使うと手のひらの面積が広くなる

また、面積が広くなることで、手が感じる水の流れの感覚に対して敏感になります

2つ目の、「あらゆる泳法において手のひらで水をかくことは効果的に泳ぐ上で重要である」ことは、クローク、ブレストストローク(平泳ぎ)、バタフライ、バックストローク(背泳)などの四泳法のいずれにおいても、手のひらの使い方が泳ぎのカギになるという意味です。

魚のヒレやカエルの手のヒレなど、水中に生息する生物の身体的な構造を見ても分かるように、人間の手のひらは泳ぐ上ではこれらのヒレのような役割をしますから、手のひらの使い方によって、泳ぎの良し悪しが決まって来ると言えます。

手のひらの使い方は泳法によって微妙に異なりますが、いずれの泳法においても手のひらの使い方が重要になるのです。

まさに、バドルを使う意義は、あらゆる泳法で重要となる手のひらの実質的な面積を大きくする点にあります。

バドルの効果

さて、パドルの意義が分かっても、バドルを使うことで実際に得られる効果が分かったことにはなりません。

手のひらの面積を大きくして、その場だけ速く泳ぐために使うのならば、水泳の練習としての意味がありません。

パドルで手のひらの面積を広くすることで2つの効果が期待できる

パドルを水泳の練習に使用するのにはしっかりとした目的があり、泳カアップのための効果が期待できるからです。

バドルを使用することで期待できる具体的な効果には、次の2つがあります。

(1)水をつかむ感覚を会得する
(2)泳力向上のためのパワーアップをはかる

(1)水をつかむ感覚の会得

水泳においては、キャッチと呼ばれる水をつかむ感覚を得とくすることが重要です。

水を正しくキャッチするためには、手のひらが受ける感覚を身に付けることが大切ですが、パドルを身に付けることで、手のひらが受ける負荷が大きくなり、感覚を味わいやすくなります。

どのように水をとらえる(キャッチする)かによって、手のひらでの水の感じ方が異なりますので、この感覚をもとに手のひらの動きを改善して行けば、泳ぎのテクニックを向上できるという訳です。

言い方を換えれば、手のひらを面として捉えることで、手のひらを意識したストロークができるとも言えます。特に、感覚が鈍感な小指の方にも相応の負荷がかかりますので、手のひら全体の感覚をつかみやすくなるのです。

中には手のひらより小さめのパドルもありますが、たとえ手のひらが受ける負荷が大きくなくても、パドルを付けること自体で手に伝わる感覚が敏感になるため、泳力向上に役立つのです。

(2)泳力のパワーアップ

パドルを使う主な目的は上記(1)に記載した点ですが、パワーアップをはかる目的でも使われます。

一般に、バドルを取り付けることで水の抵抗が大きくなりますから、ストロークの時に、より大きな力が必要となります。

つまり、ジムトレーニングなどでバーベルの重量を大きくするのと同じ理屈で、筋力のパワーアップをはかる目的で使用することができます。

パドルには色々な種類がありますが、比較的面積が広い構造のパドルや、曲面を持たせた構造のバドルなどは、水をしっかりつかむことができると同時に水の抵抗も大きくなりますので、パワーアップ増強に、より重点を置いた用具と言えます。

効果を得るための使い方

ではここで、理解を深め、より大きな効果が得られる使い方ができるように、具体的に例をあげて説明しましょう。

クロールを例にとると

説明を簡単にするために、ここでは4泳法の代表であるクロールについて的を絞ります。
他の泳法についても、基本的な考え方は同じです。

クロールでは、手のひらで水をかく動作を両手で交互に繰り返します。この時、手のひらでしっかり水をつかむことが推進力の上で最も重要になります。

この時、手の動作としては、

「水中に手を入れる」(キャッチ)
「手を引いて水をかく」(プル)
「水中から手を水面上にあげる」(フィニッシュ)

になります。

このうち、最も推進力を生むのは「プル」ですが、この時、パドルが水をきちんとつかめているかどうかは、手のひらが受けるパドルの感覚で分かります。

もし効果的に水をかく動作が出来ていない場合、パドルの脇へ流れて行く水が増える分だけ、手のひらが受けるパドルの力は弱まります。

また同時に、パドルが少し横に動く感覚が生じますから、効果的に水をかけていないことを把握できます。

逆に、水をしっかりかけている場合、パドルから手のひらに伝わる力は大きくなりますし、パドルが横に動く感覚も弱くなりますから、水をきちんとかけていることが分かります。

つまり、手のひらが受けるパドルに働く力を知ることで、自分のストローク(腕で水をかくこと)が効果的であるかが分かり、それがフォームの改善に役立つのです。

そして、これはプルの動作だけでなく、キャッチの動作や、フィニッシュの動作にも同じことが言えます。

手を入れる時も、手を水面に出す時も、角度やタイミング、姿勢、動作などが微妙に推進力の違いを生みます。

手を入れる瞬間や手を水面から出す瞬間に手のひらが受けるパドルの感覚によって、手の使い方が効果的になっているかを知ることができる訳です。

以上のように、キャッチ、プル、フィニッシュの一連のストローク動作で、手のひらが効果的な動作をしているのかを体感できるのです。

手のひらの感覚をよくつかんでストロークの動作を把握し、フォームを改善しながら繰り返すことが、パドルによる効果を得るためにとても重要となります。

ボートを考えるとイメージしやすい

さてここで、ちょっと話はそれますが、池の上でボートを漕ぐことをイメージしてみて下さい。

ボートを漕ぐ時にはオールを使いますが、オールの動作としては、水に入れ、オールを引き(こぎ)、水から出す、という3つの動作を繰り返します。

この動作の中で、オールを水に入れる瞬間に引く動作を伴わなければオールは却って推進力を妨げる働きをします。

また、オールを引く時にオールが斜めだと推進力は弱まります。

更に、オールを水面から出すタイミングが遅くなれば、推進力を妨げる働きをする場合もあります。

ボードを漕ぐ動作では、オールを持っている手の感覚によって、効果的に漕げているかを知ることができますが、水泳の場合は身体が直接水に触れているため、力の伝わる感覚が鈍くなるのです。

パドルを使うことでパドルに働く力をそのまま手のひらで感じることができるため、力の伝わる感覚に敏感になり、それがストローク技術の向上に役立つのです。

種類別の効果の違いと選び方

さて、パドルの意義や効果は理解して頂けたかと思いますが、「何でこんなに種類があるの?」と思う人も多いと思います。

種類が多い理由は、パドルを使う意義は基本的に同じでも、何に重点が置かれているかが異なるからです。

以下、主なパドルの種類と、そのパドルごとの意義のポイントについて説明します。

(1)フラットタイプ

この種のパドルは、上記で掲載した写真のような、手のひらサイズよりひと回り大きく、ほぼ平面の構造を持ったタイプのパドルです。

このタイプは、最も一般的なパドルで、ストローク技術の向上とパワーアップの向上の両方がバランスよく考えられた万能なパドルと言えます。

初心者が最初に用いるのには、この種のパドルが一番適していると言えるでしょう。

どのサイズがよいかは、その人の体格や年齢、水泳の腕前にもよりますが、サイズが大きめのパドルほど、よりパワーアップに重点が置かれることになります。

(2)カーブタイプ

この種のパドルは、カーブを描いている分だけ、より確実に水をキャッチすることができます。

裏を返せば、水をつかむ技術が未熟でも、水をキャッチしやすくなるため、ストローク技術の向上よりも、パワーアップ向上の方に重点が置かれていると言えるでしょう。

初級上級を問わず、パワーアップを主目的としたい場合に適したパドルと言えます。

(3)指先用パドル

この種のパドルは、手のひら全体を覆わず、指の部分だけを覆う構造になっています。

指の部分を覆う小さめのパドル

これは、指先の感覚に敏感になることを想定して作られていて、手のひらの先端部分に伝わる力を感じ取ることで、手のひらの細かなフォームや動作を改善しようとする目的で使います。

より高度な泳ぎを追求する場合、指先の細かな使い方が無視できなくなりますから、上を目指す人にとっては重要と言えます。

このタイプは、中上級者向けと言えるでしょう。

(4)テクニカルパドル

この種のパドルは、手のひらだけでなく手首の動きも含めた技術向上のために作られた少し特殊なパドルです。

手首へのつながりを意識するためのテクニカルパドル

面積の広い手のひらは、水をかく上で重要ですが、前腕の手首付近は平たい構造をしているため、より強い推進力を求める上で手首へのつながり部分は重要です。

このタイプのパドルは、手首を真直ぐにすることで、手のひらと前腕とのつながりを意識しながらストロークの改善をめざします。

このパドルを(バンドで留めるのではなく)手で握って泳げば、腕で水をかく感覚を養成することもできます。

前腕とのつながりを意識させてくれるのがこのパドルの最大の特長で、中級者以上であれば、ぜひ揃えたい用具のひとつです。

このように、パドルには色々な種類があります。

細かい種類をあげればキリがありませんが、重点が置かれる点が変わるだけで、その意義や目的は本質的には変わりません

その人の泳力や目的を念頭に、何に重点を置くかでパドルの種類を決めればよいでしょう。

ただし、本当に上を目指すのであれば、種類の異なるパドルを揃え、練習内容に応じて使い分けるのが理想でしょう。

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