先日、子供の運動会があったので見に行ってきました。
改めて子供の吸収力の凄さ、成長の速さには驚かされたものですが、今回、いろいろな競技や演技を見ていて、とりわけ印象的であったのが、踊りや組体操といった、集団で行う競技の息の合い方でした。
一年生は、振り付けや動作を覚えるのも覚束ない状態ですが、学年が1つ上がるごとに、難しい動きをこなせるようになり、
4年生だと、団体としての一体感が強く出て、
5年生になると、ここまで動作が揃うのかといった感じで、
6年生になると、ここまでピッタリ合うのか、
といった具合に、子供達のしっかりと息の合う動作が、高学年になればなるほど顕著に表れていました。
そんな演技の姿を見ながらふと思ったことは、限られた練習時間という難しい状況で、
「何でここまで上達できるのだろうか?」
という疑問でした。
そして、考えをめぐらした結果、気付いたことは、
「子供達は、教師の指導や指示を、そのまま素直に実践するから、繰り返す中に自然と身に付けて行くのだ」
という点でした。
大人がともすると忘れてしまう
「素直が伸びる一番の秘訣」
なんだと思っては、何か見習う点があると感じました。
人間は、大人になればなるほど、色々な面で成長して行き、様々な知識や経験を得て行きますが、そのことが却って、自身の成長を妨げる要因にすらなる面があります。
例えば、人からの指示や助言、アドバイスがあった時に、
「そんなことは言われなくても分かっている」
と反発したり、
「それについては私の方が詳しい」
と耳を貸さなかったり、
「私の方が、経験が豊富で知識もある」
とスルーしたりすることがあるかと思います。
つまり、自分が得た知識や経験が邪魔をして、他人の言葉を素直に聞けなくなっているところが、誰にでもあるということです。
そんなことを考えていると、以前、
「まず、言われた通りに素直にやってみて」
と、ある後輩に対して、私が何度も何度も指導したことを思い出し、
「それって実は、自分自身にも当てはまる事ではないか」
と感じて、自問してみました。
思い返すと、普段の生活の中で、妻が私にいう事に対して、
「分かったよ」
と口では言っておきながら、心の中で
「うるさいなぁ、そんなこと分かってるよ」
と思っていたり、
「それは俺の方が詳しいんだ」
と思ってみたり、或いは、時には
「それは違う」
と妻の言葉には、全く耳も貸さずに反対することがしばしばありました。
しかし、あとから振り返ってみた時に、
「妻のいう事にも理がある」
とか
「妻の方が正しいかも知れない」
とか
「妻の意図することはこれだったのか」
と思い知らされたことも、けっこうあったと気付きました。
これこそ、大人が忘れてしまった「素直が一番伸びる」ということではないか、とハッとする思いでした。
今回、子供の姿を通して、またひとつ、大人が見習うべき点を学ばせて頂いた思いでした。
大人は、ともすると、自身の得た知識や経験が邪魔をしてしまい、素直に耳を傾ける姿勢を忘れ、大切な自身の更なる成長の機会を、知らないうちに失ってしまっているものだと、気付かされました。
日々の成長のために、「素直が一番の伸びる秘訣」ということを忘れず、常に自身に言い聞かせながら、前進して行きたいと心したものです。