孝養という言葉の意味・読み方・用例・類語などを徹底調査してまとめた

このブログでは孝養心の大切さを主張していますが、そもそも孝養心の孝養とは何かが気になりました。

そこで、孝養という言葉について、その意味、読み方、用例や類語・関連語などを詳しく調べてみることにしました。

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孝養の意味

まず、孝養の意味についてですが、

  • 現代の一般的な意味
  • 語源が持つ意味
  • 古語が持つ意味

の3つに分けて説明します。

現代の一般的な意味

まず、現代の一般的な意味ですが、デジタル大辞泉には、

子が親を大切に養うこと。

と書かれています。

また、岩波国語辞典には、

親をやしない孝行をすること。

とあります。ここに記載されている孝行とは、親を大切にする意味です。

つまり、孝養とは、

子が自分の親を大切に養うこと

です。

孝養は、親を「大切にすること」と「養うこと」の2つの意味を併せ持っていると言えます。

語源が持つ意味

では次に、孝養をその語源から見て行きましょう。

孝養は「孝」と「養」の2つの漢字で構成されていますので、2つの漢字を一字ずつ見て行きます。

一字目の「孝」ですが、漢字源には

(1)子が心から親をたいせつにする。また、そのさま。また、親につかえる行い。
(2)祖先をたいせつにすること。

とあります。

要するに、「孝」という漢字そのものに「子が心から親をたいせつにする」意味があることが分かります。

ちなみに、「孝」は会意文字で、老人の姿を意味する「老」という漢字の上部と、子を意味する漢字「子」が合わさってできた漢字です。

二字目の「養」ですが、漢字源には

(1)やしなう。食物を与えて力づける。
(2)やしなう。子どもを育てる。また、妻子やめかけを食べさせて生活させる。
(3)やしなう。心や知恵などにプラスするものを与えて、力強く育てる。
(4)やしない。よい食べ物。
(5)食事をしつらえる。また、その人。
(6)うむ。子どもをうむ。
(7)やしなう。下の物が上の人の飲食をととのえて仕える。

とあります。

「養」という漢字には色々な意味がありますが、孝養における「養」は、上記「(1)やしなう。食物を与えて力づける。」が当てはまります。

ちなみに、「養」は会意文字かつ形成文字で、「羊」と「食」が合わさってできた漢字です。
「羊」は、昔の中国で形よくおいしい肉の代表とされてきましたが、「養」は羊肉のように力をつけるのに適した食物を意味します。

以上から、孝養は「孝」と「養」がそれぞれ持つ意味が、そのまま熟語としての意味になっていることがよく分かります。

古語が持つ意味

最後に、古語としての孝養ですが、これには大きく分けて2つの意味があります。

1つは現代と同じ「子が自分の親を大切に養うこと」の意味です。

もう1つは、「亡くなった親を供養すること、心を込めて亡き親の冥福を祈ること」の意味です。また、この意味から転じて、一般の死者に対して供養することや、弔うことの意味も持っています。

古語ですから、現代では一般に使われなくなってはいますが、孝養には親を弔い供養する意味もあるのです。

孝養の読み方

孝養の読み方ですが、通常は「こうよう(コウヨウ)」と読みます。

また、孝養を「きょうよう(キョウヨウ)」と読むこともありますが、この場合は、供養の意味をあわせ持つのが一般的です。

また、孝養には、下記のような読み方もあります。

「かうやう(カウヤウ)」
「けうやう(ケウヤウ)」
「けいよう(ケイヨウ)」
「きょうやう(キョウヤウ)」

これらの読み方は、古い書物などで多く使われています。

孝養の使い方・用例

次は、孝養の使い方・用例です。

孝養は名詞ですが、さ行変格活用の動詞としても使われます。

従って、動詞としては、

孝養して、孝養します、孝養しろ、孝養しない、孝養したい
孝養する、孝養すれば、孝養すれども、孝養すると、
孝養せず、孝養せよ、孝養せねば

などと言った表現をします。

また、他の語にくっ付いて「子が自分の親を大切に養うこと」を表現する様々な述語として使われます。

例えば、

孝養ができる
孝養をいたす
孝養をする
孝養につとめる
孝養を怠らない

などの表現です。

そして、厚く孝養することを表わす表現として「孝養を尽くす」があります。
この表現は、とても頻繁に用いられる言い回しで、「尽くす」は「孝養」と最も結びつきやすい述語と言えます。

尽くすは、精一杯やる、果たす、全うする、尽力する、極めるなどの意味がありますから、「孝養を尽くす」と言えば、精いっぱい孝養することを意味します。

尽くすは、旧字で「盡くす」と書きますので、古い書物などでは「孝養を盡くす」と言う表現も多く使われています。

とても厚く孝養することを表す言い方として「孝養の限りを尽くす」という表現がありますが、これもよく使われる定型的な言い回しです。

ところで、孝養は本来は名詞ですから、述語としてではない表現も多くあります。
例えば、

孝養のために
孝養ぶり
孝養の心
孝養の気持ち
厚い孝養
孝養の念

などです。

このように、孝養は「子が自分の親を大切に養うこと」の意味として、色々な使い方をします。

孝養の類語・関連語

孝養には、類語や関連語に相当する熟語がたくさんあります。

下記に、これらの熟語とその簡単な意味を示します。

孝行(こうこう):子どもが親を敬い、親に仕え尽くすこと。
孝子(こうし):親によく仕える親孝行な子どものこと。
孝心(こうしん):親に孝行しようとする心。
至孝(しいこう、しこう):この上もない、最上の孝行のこと。
孝貞(こうてい):親孝行で、貞操が堅いこと。
追孝(ついこう、ついきょう):亡くなった父母の供養を怠らず孝の道を尽くすこと。
供養(くよう):亡くなった人の冥福を祈ること。
養老(ようろう):老いた人をいたわって世話をすること。
敬老(けいろう):老人を敬い、大切にすること。
扶養(ふよう):世話をしながら生活できるように養うこと。
孝廉(こうれん):正直で欲が少なく親孝行であること。
孝道(こうどう):親によく仕える人としての孝行の道。
大孝(たいこう):この上もない、最上の孝行のこと。至孝。
愛日(あいじつ):時間を惜しんで親への孝行を尽くすこと。
孝志(こうし):孝行を尽くす心や気持ちのこと。孝心。
奉養(ほうよう):父母など年上の人を養うこと。
孝順(こうじゅん):父母の意に逆らわずによく従い、親孝行を尽くすこと。
定省(ていしょう、ていせい):「昏定晨省(こんていしんせい)」が略された言葉で、子どもが親を敬う心を持って仕えること。
孝悌(こうてい):親に孝行で兄弟の仲もよいこと。

以上、孝養という言葉について色々まとめましたが、孝養の重要さを感じてもらえたと思います。

本ブログの主張でもある孝養心の大切さを少しでも深めて頂ければ嬉しいです。

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