長野に引っ越して来たばかりの頃、少しショックだったことがありました。
それは、まだ小さかった下の子をベビーカーに乗せて妻が外出した時のこと。
電車を使って長野駅に出ようと思って、近くの駅に向かったのですが・・・。
いざ駅に着いたとき、駅のホームに出るためのエレベータが無くて困ってしまったのです。
ベビーカーでの移動が困難
仕方がないので、子供を乗せたままベビーカーを抱きかかえて、階段を登り降りすることになりました。
その時、駅員を呼んで手を貸して貰おうと声を掛けたのですが、断られたのです。
「弱者を助けようともしないこの姿勢は何なんだ?」
と、妻は少し憤慨したようです。
それもその筈で、さいたま市に住んでいた時は、こんなことは1度も無かったからなのです。
恐らく、妻の中では「ありえない」だったのでしょう。
以前住んでいた、さいたま市あたりでは、通常の駅ならエレベータがあるのは当たり前。
エレベータの設備が整っていない駅なんかでは、駅員に声を掛けると、快く手伝ってくれました。(埼京線と武蔵野線の乗り換え駅でよく手伝って貰っていました)
そもそもベビーカーで電車に乗る事については、賛否両論あるかと思いますが、ここではその賛否そのものを論じるつもりはありません。
まぁ、必要があればベビーカーで乗らざるを得ない訳ですし、乗る以上は混雑をさける心掛けも大事だと思います。
問い合わせてみると…
さて話を元に戻して、妻からその話しを聞いた私も、エレベータそのものが無いのは地方の駅でもあり、未だに設備が整っていないのは仕方がない面もあるとは思いました。
しかし、キッパリと断るその姿勢には違和感を感じ、あまりにも不親切ではないかと思い、問い合わせることに。
いざ、問い合わせしてみると、
「車いすの方であれば対応はするが、ベビーカーの場合は対応できない」
とのことで、理由を聞いてみると、駅員が少なく対応できないとのことでした。
実際、そこの駅員は一人しかいないことも多く、営業時間内でも夜間になると、無人駅にもなります。
これを知り、
「仕方がない、これが現実か…」
と、長野という地方都市の現状を見せつけられた感じでした。
(原始時代にタイムスリップしたとの話もありますが・・・)
都会で生まれ育った私には奇怪なことだったのですが、こちらではどうやら普通のことみたいです。
そして、
「世の中には、事情により、どうしてもベビーカーの手助けが必要な場合もあるかと思いますが、対応して貰えないものなのでしょうか?」
と更に聞いてみたところ、
「やむを得ない場合は、事前に何日の何時何分の電車に乗るとのことを電話で連絡しておいて下さい」
とのことで、これが精いっぱいの対応なのだろうと思ったものでした。
長野市では、何か行事があれば、
「公共交通機関をご利用下さい」
と、よく言われます。
「だったら、公共交通機関の設備を充実させろよ」
と叫びたくなります。
また、店なんかに行けばエスカレータの脇には、
「ベビーカーは危険ですので、エレベータをご利用ください」
と貼ってありますが、エスカレータがある駅を見ては、
「ベビーカーは危険でもいいのかよ」
とすら、叫びたくなります。
東京の常識は長野の常識ではないのですね。