どうして人はポイント制度に踊らされるのか?

何か買い物をすると、「ポイントカードをお持ちですか?」「無料ですからお作りしておきましょうか?」なんて会話は当たり前のようにされていて、誰しもポイントカードは何枚も持っていることかと思います。

しかし、これだけ普及しているポイント制度ですが、そのほとんどが還元率は小さいもので、実際にはそれほど得にならないものが多くあるのが実態です。

中には還元率が比較的高いものもありますが、それでも2割引き、3割引きなどといったセールに比べれば、それほど魅力のある還元率ではありません。しかしながら、実際の還元率以上にポイントの魅力にひかれて、ついつい買い物をしてしまう人も少なくありません。

ここでは、どうしてそれほど還元率が高くもないポイントに魅かれてしまうのか、更に言えば、なぜポイント制度に踊らされてしまうのか、その理由を考えてみました。

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お得感

まず言えることは、ポイント制度そのものがあることで、プラスアルファで得られるものがあるという「お得感」を感じます。それは、どれほどお得かという程度には無関係に「本来は貰えないものが貰える」という感覚と、「無いよりもあった方がよい」という感覚から生まれるものです。

これは、「いまなら〇〇プレゼント」などというセールスをやっている時に感じる「お得感」に似ていて、プレゼント品がほんの些細なものであっても、つい買いたくなってしまう感覚に似ています。

このように、どうせなら少しでも得したい、という気持ちを満たしてくれるのがポイントで、どこかそれだけでいい気持になってしまうところがあるものです。

単位が異なり錯覚

ポイントというと、還元率の相場は恐らく売値の1 %というところが一番多いのではないでしょうか。還元率が1%だとすると、100円買ってもたったの1円分で、1000円買っても 10円分ですから、額にすると本当にわずかであることが分かります。

もし、1000円の商品が1割引きで売っていたら100円分得になりますから、換言率1%のポイントだと10倍分に相当しますので、これを見てもポイントはあまり大きくないことが分かります。

1円だけ、10円だけとなると「たったそれだけか~」という気持ちが強く湧いてきますが、これが「円」という単位ではなく「ポイント」という単位になると、なにか錯覚みたいなものを起こして、「たったそれだけか~」という気持ちが幾分弱くなってしまいます。

ちょっと計算してみれば具体的な相当額はすぐ出てくるのですが、単位が「ポイント」→「円」のようにワンクッション置かれることで紛れやすくなります。

貯める達成感

ポイントは貯めることができるので、貯まったことに対する達成感を味わうことができます。これはポイントの大小にかかわらず、何かあるレベルに到達したことで、ある種の達成感が生じるわけです。

特に、ポイントが、ある一定のポイントに達して初めて使えるようなタイプだと、達成したことでポイントを使えるようになることから、その達成感は比較的大きなものになります。

人間は何かを達成すると、そこには満足感が得られる特性をもっていますので、ポイント制度はこの人間の特性をうまく利用したものとも言えます。

大きく見える

ポイント制度の中には、ポイント5倍キャンペーンとか、毎月10日はポイント10倍の日などとうたって、販売を促進しようとします。この5倍、10倍という数字は掛け算なので大きく見えてしまうのです。

しかし、還元率が1%なら10倍でも10%、つまり 1割にしか相当しないことが分かります。

ポイント20倍とか30倍とかの広告を目にすると、これはさすがに凄いと感じますが、それでも2割や3割なのです。2割3割分の値段の違いなら、販売店の違いだけでも生じ得る程度の差です。例えば、スーパーAにて、1000円で売られている物でも、スーパーBでは3割引きに相当する700円で売られているようなことはよくある話です。

まして、季節品の売れ残った商品などは2割や3割値引いて販売するものも多くあります。このように、安く購入することを心掛けただけで2~3割程度のお得は割と簡単に生じるもので、日常の買い物でも得られやすい程度のものなのです。

2割引きや3割引きの商品が販売されていても直ぐには飛びついて買わないこともあるものですが、これがポイント20倍とか30倍になると比較的、飛びついて買いたくなってしまうのではないでしょうか。それだけ、何倍という表現はインパクトがあるのです。

ステータスがある

ポイント制度の中には、ステータスのあるものがあります。ちょっとしたブランドショップなどでは、そこのポイントカードを持っているだけで、ある種のステータスみたいなものがあって、そこに生じる優越感みたいなものが消費者を刺激するのです。

そして、そんな優越感みたいなものを利用した制度が、ポイント会員のランク付けです。たくさん購入すればするほど、その会員はランクが上がってブロンズ会員、シルバー会員、ゴールド会員或いはプラチナ会員などと変化し、ランクが上がるほど還元率も上がるものなので、なおさらステータスを感じるのです。

そのステータスが魅力でポイントの虜になってしまう人すらもいることでしょう。ただし、実際の還元率を考えた時、本当に価値の高いポイント制度もありますから、そんな場合は必ずしも踊らされているとは言い切れないですね。

以上、人々がなぜポイント制度に躍らせれてしまうのか、その理由を見てきました。人間の心理をうまく利用した制度なのだなぁと、改めて実感したものです。総じて見てみると、ポイント制度とは、理性よりも感情に訴える制度と言えるのではないでしょうか。

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