実例が示すあいみつ(相見積り)は業務の基本。でも個人こそ重視すべき

「あいみつ」とは、相見積もりの略で、複数個所から見積もりを取り、取捨選択することを意味します。

これは、少しでも安い業者を選ぶための手段として重要で、ビジネスの上では基本中の基本になっています。

あいみつ(合い見積もり)はとても重要

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ビジネスでの基本

そもそも見積とは、何かを購入したり、工事を発注したり、サポートを受けたりする時などに、事前に必要となる費用を算出して貰うことを意味します。

見積は、具体的な契約をする前段階で費用を知ることができるため、複数の業者などから見積もりを取る(通常、あいみつ)ことにより、より低価格な業者を選ぶことができるようになります。

ビジネスの世界では、業種の違いはあっても、設備や材料の購入はもちろんのこと、契約を伴う業務が絡みますから、あいみつを取ることは、業務の上で基本的なことです。

企業によっては、あいみつを取る作業を業務手順に盛り込んで、これを徹底しているところもあるくらい重要なのです。

ちなみに、あいみつは相見積もりを略した表現ですが、相見積もりは合い見積もりとも書きます。また、靉光(あいみつ)は、広島県出身の洋画家・靉川光郎(本名:石村日郎)の略名のことで、全く違う言葉です。

日常業務で常にある

さて、ビジネスの世界であいみつが重要なことが分かって頂けたかと思いますが、これは多くの業務で関わってきます。

実際に、購買関連の部署ではない私ですら、日常の業務で関わってきます。

私が関わった実例をあげてみましょう。細かい数値は略し、記憶の範囲で見積の概算を示します。

(実例1)

まず、一つ目の例です。

業務上使用していた機材のヒューズが切れてしまったので、購入しようとしましたが、特殊なヒューズであったので簡単に買えませんでした。

そこで、メーカ直売と大手商社との見積を取ったところ、

メーカ直売:3000円
大手商社:2000円

でした。

この結果、大手商社で購入することにしました。

この例の場合、見積を依頼する前は、メーカの方が中間マージンが少なく安いと考えていましたが、大量の商品を扱う商社の方がかなり安かったので意外に感じました。

(実例2)

では、2つ目の例です。

業務で使用している機材の経年劣化が心配であったため、その機材の性能評価試験を依頼することになりました。

試験を請け負う業者3社に見積を取った結果、

業者A:13000円
業者B:26000円
業者C:28000円

でした。この結果、業者Bにしました。

何で、最安値の業者Aを選ばなかったかと言えば、見積もりと同時に依頼していた試験内容の情報を比較した結果、業者BとCの試験内容は充実しているのに対して、業者Aの試験内容が不十分であったからです。

これら2つの実例を見れば、複数の業者から見積もりを取ることで、少しでも経費を抑えられることがよく理解できると思います。

大きく差が出るケースがある

そして、私が関わった業務の中で、業者によって大きく差がでたケースを紹介しましょう。

(実例3)

業務で長年使用して来た設備の中で、既に使用しなくなったものを、まとめて中古品として売却することになりました。

古物商の資格を持つ3つの業者に見積もりを依頼した結果は、

業者A:25万円
業者B:32万円
業者C:180万円

でした。

当然、業者Cに売却することになりました。

上の見積を見て分かるように、業者によって大きな差があります。

ここまでの金額差がでるケースは稀でしょう。

仮に業者Aに依頼していたら155万円も少なくなっていた訳ですから、額の大きさがよく分かります。

もし、見積もり依頼先が業者Aだけ、或いは業者Aと業者Bだけだった場合、180万円という収益は得られなかったことになりますから、あいみつの重要性が実感できます。

このケースでは、中古品の売却という、物品の購入などとは少し違った趣があり、それが金額差を生む一要因だったと言えます。

実際に、あとから各業者をよくよく調べてみたところ、業者Cの場合は売却した設備の類に実績が多く、修理体制や独自の販売網を持つなど、他の2つの業者よりも得意とする面があったことが価格差を生んでいることが分かりました。

稀ではあってもここまで差が出るのであれば、あいみつを取らない手はないと実感できます。

個人こそ重視すべき

さて、あいみつはビジネスの業務上で基本中の基本であり、とても重要であることを実例をあげて説明してきました。

では、ビジネスではなく個人の場合はどうでしょうか。

結論を言えば、個人におけるあいみつの方が業務上よりもむしろ重要と言えるのではないでしょうか。

理由は簡単で、個人の損得こそが直接的な影響を受けるからです。

無責任な言い方をすれば、たとえ努める会社があいみつを怠って損をしても、社員個人が直ちに損をする訳ではないからです。

実は今回、個人でもあいみつは本当に重要だと実感したできごとがありました。

それは、家屋の玄関先の外灯が故障して修理をした時のことです。

故障品と同等の品に交換しようと考えていましたので、最も一般的な業者に見積もりを依頼したところ、見積書の額は51000円(税抜)でした。

修理を急いでいた私は、直ぐにでも修理を依頼をしようと思ったのですが、ちょっと手間は掛かるけど、もう1社だけ見積を取ってみようと思い留まりました。

もう1つの業者も修理についてはごく一般の業者でしたが、見積書の額は40000円(税抜)でした。修理内容もほぼ同じであることを確認した私は、後から見積もりを取った業者へ依頼しました。

その差額は11000円(=51000-40000)です。

ちょっとの手間を惜しんでいたらこれだけ損していたのです。

考えてみて下さい。11000円を稼ぐって簡単なことではないハズです。それなりの労力を要します。

その労力に比べて、見積をもう1件依頼するって、それほど難しいこと・大変なことではないハズです。

もし、急いでいたことを理由に、あいみつを怠っていたらと考えると、本当によかったと思います。

この例では11000円の差ですが、高額の案件であればあるほどあいみつは重要だと言えます。ちょっとの差でも万単位の違いになりますからね。

過去を振り返ると、家屋の外壁塗装で複数業者に見積もり依頼して、30万円以上も差がでたことがありましたが、これはあいみつが重要であることの典型です。

自動車の購入などの場合でも、あいみつは大事です。もちろん実際は、最終的な商談が物を言いますが、商談を有利に進めるためにも複数の見積もりはとても有効です。

ちなみに、自動車の商談についてはかなり詳しいので、気になる方は下記の記事を参考にして下さい。

常にあいみつを心がけよう!

如何でしたか。改めてあいみつの重要性を再認識した人もいるのではないでしょうか。

個人の取引の場合、見積書を取得して交渉する機会は限られていると思います。

しかし、安易に考えていると安くできるチャンスを逃してしまうかも知れません。

ヤフオクなどのオークションに出品して、思わぬ高額で落札された経験がある人もけっこういると思いますが、それと少し似ている点があります。

取引によっては、あいみつを取った結果、予期しない額が提示され、大きく差が出る可能性があります。

何か取引などがある時は、必ずあいみつを取ることを習慣づけたいものです。

たとえ「金額に差は出ないだろうから無駄だ」と感じても、ダメ元で手配することも大切でしょう。

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