私が晩婚であったこともあり、30代を越えた頃から母親に頻繁に言われていた言葉がありました。
それは
「失敗してもいいから、離婚してもいいから、結婚しなさい」
というセリフでした。
何度も聞かされていたので、いつもいつも、うるさいなぁと思っていましたが、何より
「離婚なんかするんなら、結婚する意味ねェじゃん。何言ってんだ」
とすら思っていました。
しかし、その言葉の意味が、ようやく実感を持って分かるようになって来ました。
その言葉の意味は、離婚しなさい、離婚を勧める、と言っている訳ではありません。
また、私が離婚したいと思っている、離婚しようとしている、という訳でもありません。
人間の幅・器が広がる
結婚することで、人間として大きく成長し、また、色々と磨かれて大きな器になれるということ、ある意味で一人前になれるという意味です。
人生経験が豊富な人ほど、人格にも幅が出てくる、器が大きくなるということですが、結婚こそ人生における大きな経験とも言えます。
具体的に私が強く感じるところは、育った環境も価値観も違う二人が夫婦となって人生を共にし、日々の生活の中で違う価値観がぶつかりあうことで、双方成長できるという点です。
解散したSMAPの曲に「セロリ」という歌があり、その歌詞の中で、それぞれ価値観の違う恋人をイメージした表現が盛り込まれていましたが、そのような感じです。
私も妻も、似た者同士という感じで、似ている点がとても多いのですが、その一方で、細かな価値観は色々と違うのです。
その価値観の違いが、時には衝突してケンカをしたり、時には新たな考え方の発見となったり、時には窮屈な思いをしたり、時にはじれったく思ったりして様々な経験となるわけです。
価値観の衝突って、洗濯物の干し方だったり、食器のしまい方だったり、他人から見ればどうでもいい、けっこう些細な事が多いものです。
しかし、実は、それら1つ1つの積み重ねが、お互いを成長させてくれる肥やしになるのです。
子を持って知る親のありがたさ
さて、結婚した結果、更に得られたものの1つに、子供を授かったことがあります。
私は子供を持ったことで、私の両親が苦労しながら私を育ててくれたのだという思いを本当に実感でき、親への真の孝養心を持つことができました。
子を持って知る親のありがたさ、です。それまでは、理屈でしか孝養心を持っていなかった気がしています。
そして同時に、子育ての大変さ、子を持つ親の心を知ることができました。
これらもまた、
「今までは、頭で分かっていただけだったんだなぁ」
と感じます。
子を持って初めて実感できることが多くあり、自分自身を大きく成長させてくれたと思います。
これらのことを思う時、
「失敗してもいいから、離婚してもいいから、結婚しなさい」
の言葉の意味がしみじみと分かるんですよね。
だから、まだパートナーを見つけていない方にも、これと同じ言葉を伝えたい気持ちにもなります。
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夫婦円満の秘訣は2つ
ところで、「離婚」についてどう思うかですが、私は反対です。
もちろん、どうしても相手と合わないとか、諸事情により避けられないとか、中にはどうしても仕方がないケースもあるでしょうし、それはそれで、やむを得ないとは思います。
だからこそ、夫婦は常日頃から仲良くありたい、と考える訳ですが、そのための秘訣は2つではないかと考えています。
1つ目はよく行動を共にすること、2つ目は日々色々な会話をすることです。
行動を共にするとは、特別なことではなく、例えば頻繁に買い物に一緒に行くとか、一緒に外食をしに行くとかですね。
日々忙しかったりすると、手分けをして別々に行動したり、自分のやることだけに没頭したりしがちですが、その中で夫婦一緒の時間を少しでも多く作っていくことです。
そして、日々色々な会話をすることですが、これも特別なことではありません。
夜、その日にあったエピソードを話すとか、子供の学校での出来事を話題にするとか、何でもいいので、頻繁にコミュニケーションを取る事ですね。
日々の会話から、パートナーがどんなことを考え、どうしたいのかが自然と伝わって来るものですし、そこから将来二人がどうして行こうかが自ずと見えてきます。
私自身もまだまだ未熟であり、もっともっと成長して行かなければいけない点が多いと思います。
そして、これから長い家族との生活が続くことでしょうから、そんな中で、家族の幸せを願いながら、自身も成長を続けて行きたいと心するものです。