家庭で簡単にできる加湿器を使わずに室内の乾燥を防止する方法。

室内が乾燥してしまうと、肌に良くなかったり、風邪などを引きやすくなったり、静電気が発生しやすくなったりして、何かと不便や不快な状態になることがあります。

加湿器を使って湿度を調整することはできますが、加湿器がない場合もありますし、特に乾燥した日などは加湿器だけでは不十分なこともあります。

また、家の全ての部屋で加湿器を使うのも現実的ではありません。

加湿器が無い場合や加湿器だけでは不十分な場合がある

そんな時には、ちょっとした工夫をするだけで、加湿器を用いなくても乾燥を防ぐことができます。

私自身、湿度管理が要求される仕事に長年携わったことがありますが、そんな経験から得たノウハウをもとに、家庭で簡単にできる加湿方法、乾燥を防止する方法を紹介します。

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湿度の調整は継続が必要

まず、そもそも湿度とは何かについて簡単に触れておきます。湿度は、一般に大気中に水蒸気として存在している水分の割合のことを指し、相対湿度とも呼ばれています。

湿度は、ある大気において、水が水蒸気として存在することができる量(飽和水蒸気量と呼称)に対するパーセンテージで表されます。(詳細については窓ガラスの結露の原因と家庭で簡単にできる対策に記載しています)

一般に、温度が上がれば湿度は下がり、温度が下がれば湿度は上がりますので、一日を通しても湿度は温度の影響を受けて、けっこう変化します。

実際に我々が生活している屋内における湿度は、外気の湿度の影響を受けます。

家屋は完全密封ではありませんから、外気が乾燥していれば、室内も乾燥して行きますし、外気が湿った空気であれば屋内もジメジメします。

従って、室内の湿度を管理・調整する場合、ある程度継続して加湿や除湿の処理を行わなければ、快適な湿度を維持することはできません

加湿は難しくない

湿度を調整しようとする場合、いちばん手っ取り早い方法は、除湿器や加湿器を用いる方法です。家庭用にも広く販売されていますから、誰しもが手軽に利用できます。

とはいっても、湿度の状態が悪い時だけ使用するものですから、何台も買い揃えるようなことは非効率ですし、現実的ではありません。

そんなことから、誰しも「専用の機器を用いずに除湿や加湿ができればよい」と考えることでしょう。

除湿の場合、エアコンがあれば除湿機能はついているでしょうし、冷房を使えば除湿効果も得られますが、エアコンも除湿器もなければ、家庭で簡単には除湿することはできません。

しかし、加湿の場合は、専用の加湿器などが無くても、それほど難しくありません。家庭にある身近な物を使えば誰でも簡単にできるのです。

具体的な方法

では、具体的な方法を説明します。

こんな簡単な方法で出来るの?」と思ってしまうかも知れませんが、これで十分効果が得られます。

高湿度にする必要はなく、乾燥を防ぐ程度の目的が果たせればいいので、手軽な方法で実現できるのです。

モップ掛け

まず、乾燥を防ぐ方法のひとつに、モップ掛けをする方法があります。モップ掛けの代わりに雑巾がけでも効果は同じです。

その際、少し水を多く含ませて、床がある程度濡れたままの状態になるようにします。これだけでかなりの効果が得られます

濡れた状態の床は時間が経過すれば乾いて行きますが、床にあった水の多くは乾燥に伴って気体中に水蒸気となります。

床は部屋のなかでも多くの面積を占めますので、効果が大きいのです。

洗濯物の室内干し

次に、洗濯物を室内干しする方法も有効です。

干す場所が無ければ室内にロープでも張って掛けておけばそれで十分です。脱水が不完全で、水が垂れない程度が良いでしょう。

もし、洗濯するものが無ければ、この機会に雑巾で拭き掃除をたくさんした後に雑巾を干せば良いですね。

洗濯物はジメジメしていると乾きにくい反面、空気が乾燥していると乾きやすいことは日頃の経験から誰でも分かると思います。

加湿を必要とする場合は、比較的乾燥している時ですから、単に洗濯物を干すだけでも、相応の効果が得られます。

湯沸しポットを使う

モップ掛けや室内干しは継続的な加湿には向いている反面、即効性に欠ける一面があります。

湯沸かしポットが便利

これに対して、湯沸かしポットを利用する方法は即効性がありますので、直ぐに湿度をあげたい場合に効果的です。

具体的には加湿したい部屋にポットを持ちこみ、普通に電源を入れた状態でポットの蓋を開けっ放しにしておきます。

これによりポット内から湯気が出て、加湿されることになります。

但し、熱湯が入っているポットの蓋をあけたままの状態にしておきますので、火傷などしないように十分注意が必要です。

ポットを加湿用に使っている時は、ポットのお湯を飲料用として使うのは止めた方が良いでしょう。蓋をあけたままだと、空気中の汚れなどが入り込む恐れがあるからです。

加湿用途でこのような使い方をする場合は、あくまで加湿用であると割り切るべきです。

お湯を別な器に移す方法もある

また、「ポットをそのように使うのは嫌だ」と言う人もいるかと思います。

その場合は、ポットの中のお湯を何らかの器に移して、その器を部屋の中に置くようにしましょう。

加湿の持続性は失われますが、お湯が冷めないうちはそれなりの効果が期待できます。

その際、用いる器の形状や個数などは、効果や即効性、持続性を考慮して決めれば良いでしょう。

器の数が多ければ多い程、効果は大きくなります。お湯の温度が冷めにくいほど即効性が高くなり、反対に冷めやすければ即効性が低くなる代わりに、持続性が高まります。

霧吹き

即効性を求める場合、霧吹きも少しなら効果が期待できます。

但し、この場合、お湯とは異なり、簡単に水蒸気になるわけではありませんので、効果としては決して大きいものではありません。

また、霧吹きした水分のうち、水蒸気に変化しない分は床に水滴となったり、家具などが濡れたりする恐れもありますので、あくまでひとつの手段と考えた方が良いでしょう。

まとめ

以上、加湿器を用いないで、室内を加湿して乾燥を防止する方法を紹介しました。どんな家庭でもできる、決して難しい方法ではないことが良く分かって頂けたかと思います。

ここに掲載したいずれの方法も、基本的には「水が蒸発して乾いて行く際に水蒸気となる性質を利用した」ものです。

従って、同じ原理を用いれば他にも色々な方法が考えられますので、自分なりに考えて色々試してみるのもいいと思います。

また、色々な方法の長所と短所をよく考慮しながら、複数の方法を併用するのも効果的な方法です。

加湿器がある場合でも、ここで紹介した方法を同時に用いれば、より大きな効果が期待できますから、必要に応じて併用するのも良いでしょう。

なお、部屋の湿度を確認する場合に湿度計を用いると思いますが、市販されている家庭用の湿度計はそれほど正確ではありませんので、あくまで目安と心得た方が良いでしょう。

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