本サイトはプロモーションが含まれています

窓ガラスの結露の原因と家庭で簡単にできる対策。

窓ガラスに結露した水滴が付着して、不快な思いをすることがあります。特に、寒い冬場などは、その傾向が強く、水滴の量も多くて、時には垂れた水が周辺を濡らしてしまうことすらあります。

できれば防ぎたいそんな窓ガラスの結露ですが、自然現象でもあるので完全に防ぐのは難しいのが現実です。しかしながら、少しでも発生しにくくすることや、水滴の量を抑制することは誰にでもできることです。まずは、結露が生じる基本的な原理を知り、現実的な対策をとることが大事です。

なぜ結露が発生するのか

存在できる水蒸気量は温度に依存

まず、そもそもなぜ結露が発生するのかですが、ひと言でいえば、

空気中に存在できる水蒸気の許容量は温度によって決まっていて、温度が変化することでその許容量を超えてしまい、空気中に存在しきれなくなった水蒸気が水に変化するため

です。

要約しすぎて、分かったような、分からないような方も多いと思いますので、もう少し説明を加えます。

我々が生活している空間には空気が充満していますが、その空気は通常「水分」を含んでいます。そしてこの水分は、通常の液体である水とは異なり、水蒸気という気体の状態で空気中に存在します。しかし、空気中に存在することができる水蒸気の量(許容量)には限界があり、この許容量のことを飽和水蒸気量と呼んでいます。

飽和水蒸気量は、気圧であるとか空気の成分などによっても微小に変化するものですが、もっとも影響を受けるのが温度です。端手な言い方をすれば、飽和水蒸気量は温度によって決まると言っても過言ではありません。

では、ここで我々が日常、生活している空気の標準的な気圧における飽和水蒸気量を見てみましょう。下表が温度と飽和水蒸気量を表したものです。

温度
[℃]
飽和水蒸気量
[g/m^3]
0 4.85
1 5.20
2 5.57
3 5.96
4 6.37
5 6.81
6 7.26
7 7.76
8 8.28
9 8.83
10 9.41
11 10.00
12 10.70
13 11.40
14 12.10
15 12.80
16 13.60
17 14.50
18 15.40
19 16.30
20 17.30
21 18.40
22 19.40
23 20.60
24 21.80
25 23.10
26 24.40
27 25.80
28 27.20
29 28.80
30 30.40

これをグラフに示すと下図のようになります。

飽和水蒸気量(横軸が温度[℃]で、縦軸が1立方当たりの水蒸気のグラム数[g])

上記の表のように、1立方メートル(m^3)当たりに空気中に存在することができる水蒸気の量(g)は、温度によって大きく変化することが、良く分かると思います。

例えば、気温が20℃の場合の飽和水蒸気量は、17.30g/m^3ですから、一立方メートル当たりの空気には、最大で17.30グラムの水蒸気が存在できることになります。

もし、20℃に於いて実際に17.30グラムの水蒸気が存在しているとすると、それが相対湿度100%RH(=(17.30/17.3)x100)ということになります。従って、もし8.65(=17.30/2)グラムの水蒸気が存在していると、相対湿度50%RH(=(8.65/17.30)x100)ということになります。

我々が通常、湿度〇〇%という場合はこの相対湿度のことを表していて、単位は相対湿度であることを明確にするために、%RHと表すことが多くなっています。

【関連記事】思ったより正確じゃない湿度計。表示値には注意が必要

結露発生の原理

さて、飽和水蒸気量の意味が分かったところで、実際に結露が発生する原理に移りたいと思います。

仮に気温が20℃で、湿度が50%の状態があったとします。この時、空気中の一立方メートル当たりの水蒸気量は17.30×50%=8.65[g]となります。

そして、この状態のまま温度だけが10℃まで下がったとすると、空気中の水蒸気量8.65[g]は変わらないままで、飽和水蒸気量だけが変化して9.41[g/m^3]になりますので、この時、湿度は91.9%RH(=(8.65/9.41)x100)になります。

要するに、湿度が50%であった空間において気温が20℃から10℃に変化した場合、湿度が91.9%にまで変化してしまうのです。

では、ここで更に、気温が変化して5℃まで下がったとしましょう。温度5℃における飽和水蒸気量は6.81[g/m^3]ですから、この時の湿度を単純に計算すると、120%RH(=(8.65/6.81)x100)となって100%を超えてしまいます。しかし、実際に湿度が100%を超えることはないので、20%分すなわち1.84[g](=8.65-6.81)分の水蒸気は、空気中に水蒸気として存在できなくなりますので、その分が水に変化してしまいます。そして、これこそが結露が生じる原理なのです。

ちなみに、水蒸気が微小な水滴となって空気中を浮遊する現象のことを霧や靄といいます。

【関連記事】霧(きり)・靄(もや)・霞(かすみ)って何が違うの?

なぜ窓ガラスに多く発生するのか

ところで、同じ結露でも、なぜ窓ガラスには発生しやすく、多くの水滴が付着するのでしょうか。

上記の説明で、温度差が大きければ大きいほど結露が生じやすく、また、付着する水滴の量も多くなることが分かると思いますが、窓ガラスなどは他の外壁などと異なり、ガラスの内面と外面との気温差が大きいことが原因なのです。

冬場など、室内の気温は通常20℃前後ですが、たとえ室内であっても外気温が下がれば窓ガラス付近は外気温の影響で気温が下がる事になります。そして、その気温差が大きくなって水蒸気として存在できない状態になると結露が生じて水滴が付くのです。

換言すれば、室内において窓際付近が最も外気温の影響を受ける空間であるため、室温と外気温の差が大きくなると、真っ先に結露が生じるのです。

【関連記事】長野の冬はやっぱり寒い。部屋内で自然と氷ができるのを見て驚く

具体的な対策は?

さて、結露ができる仕組みが分かったところで、具体的な対策の話です。

結露が生じるのは、一種の自然現象によりますので、一定の湿度があって、相応の温度差が発生する場所では必ず発生するものですから、完全に防ぐことは困難です。まして、窓ガラスの場合は構造上、内部と外部とではかなりの温度差が起きるものですから、それを回避するのは非現実的なことです。従って、考えるべきことは、どうしたら極力発生しにくくできるか、或いは、どのようにして発生した時の水滴の量を抑えるかが現実的な対策となります。

もし、あなたが、リフォームや建替え・新築によって結露が生じにくい構造の家にしたいと考えているのでしたら、窓を二重サッシにするなど、それなりの建築技術がありますので、専門の業者に相談するのがベストでしょう。ここでは現状の家屋のままで、家庭で比較的容易にできる対策、特に一番問題となる冬場を想定して述べます。

さて、結露が生じる原理から考えた場合、対策を考える上での考え方は、

(1)外気温が下がらないようにする
(2)室温を外気温に近くする
(3)室内の湿度を低く保つ

の3点です。

ひとつひとつを見ると、「(1)」などは気象をコントロールする何て無理だろ!という感じですし、「(2)」は寒くなって意味がないという感じですし、「(3)」についてもいたずらに湿度を下げたら肌にも悪いし、静電気も心配なんて感じですね。

だからこそ防止するのは困難なのですが、これらの基本的な考えを元に、ちょっとした工夫をすることで抑制するのです。では、具体的な方法を見て行きましょう。

窓の外を極力冷えなくする

具体的な対策としては、就寝前に雨戸を閉めるようにする、或いは、窓の外側をシートなどで覆う処置をして、窓が外気温の影響を受けにくくすることです。

結露が最も多く生じるのは、外気温が一番下がる時ですから、基本的に早朝が発生しやすくなります。雨戸を閉めてもシートで覆っても、基本的に早朝ですから、光を遮るようなもので窓を覆っても、生活上に支障はありません。

雨戸やシートがあれば、窓付近の温度は外気よりも幾分高い温度を維持できるので、結露を抑制する効果が期待できます。雨戸が無いところにシートは効果的ですが、雨戸の上からさらにシートで覆えば更に効果が期待できます。

シートで覆う方法は、シートをいちいち取り付けなければならないので手間が掛かるようですが、窓によっては冬場はずーっとシートで覆ってしまうのも良いですし、窓のサッシ枠をうまく利用して取り付け方を工夫すれば、それほど手間のかからないような方法で覆うこともできるでしょう。

そして、この対策をすることによって、結露抑制だけではなく断熱効果も期待できるようになります。

室内が高温にならないようにする

室内の設定温度を低く抑えることが対策として考えられますが、冬場の寒さをしのぐことを考えれば、それには限界があります。そこで有効な方法は、窓枠をしっかり覆える大きさの、厚手のカーテンを設置することです。可能であれば、冬用のカーテンとして準備することが望ましいですし、それほど厚手ではなくても断熱効果が高い素材であれば適しています。

窓ガラスの内外気温差が結露の原因になるわけですから、この対策により、窓ガラスの室内側の温度が上がらないようにできるので抑制効果が期待できます。実際、厚手のカーテンを使用するだけで、カーテンの内側と外側とではけっこう温度差が生じるものです。場合によってはカーテンを二重にしてしまう方法も良いかも知れません。

さて、この方法を耳にして疑問を持たれた方もいるのではないでしょうか。実は、室内の飽和水蒸気量はカーテンをしてもしなくても一定なので、カーテンの内側と外側とでは温度差や湿度差が生じただけでは、一立方当たりの水蒸気量に変化はなく、結露の生じる度合いは変わらないのです。

では、効果が無いのかという話になると思いますが、カーテン外側の比較的高い湿度からカーテン内側の比較的低い湿度へ向かって、湿気が移動する分だけ効果は期待できるのです。

しかし、この場合、断熱効果が高くて、且つ、通気性が優れている(湿気が伝わりやすいの意味)という相反するような素材のカーテンが求められるのです。換言すれば、両方の特性を持ち合わせるような素材には自ずと限界があるため、期待できる防止効果にも自ずと限界があるということです。従って、対策を採らないよりはまし、と考えるとか、むしろ断熱効果の方を期待すると考えた方が良いでしょう。

部屋の湿度を低くする

これは、室内の空気に存在する水蒸気量を予め抑えておこうとする対策ですが、具体的には換気をする、或いは除湿器を利用する方法が考えられます。

関東地方などは、冬場は乾燥するので除湿なんかしたくないと考える方も多いと思います。しかし、浴室からの湯気の影響や、キッチンでの調理の影響、または、室内に鉢があったり水槽があったりすれば湿度上昇の要因にもなりますから、室内は意外と湿度が高い場合もけっこうあります。従って、実際の室内の湿度を確認して、必要以上に湿度が上がらないように配慮することは大切なことです。

確認の結果、湿度が割と高い場合は、換気をして外気を取り込むだけでも、十分効果が得られます。除湿器を使用する場合は、一般に市販されている家庭用の除湿器で十分です。湿度を確認するための湿度計は、家庭用に広く販売されているものは、それほど正確でないものが多いので、大雑把な目安と心得ておく必要があります。

【関連記事】思ったより正確じゃない湿度計。表示値には注意が必要

水滴への対策をする

さて、これまで説明した対策が、結露を防止・抑制するための具体的な方法ですが、いずれの方法でも完全に防ぐことはできません。従って、結露は生じるものと心得て、予め行う対処策というのも重要になってきます。

結露が生じた場合、窓ガラスをふけば済む話ではありますが、問題となるのはその水滴が多くて垂れ流れ、結果として窓周辺にまで水が及んでしまい、何かが濡れてしまうとか、家屋の腐食につながると言ったケースで、これらが最も避けたいところです。

これには、水滴を受ける受け皿を用意するとか、吸収性の高い素材のシートやタオルのようなものを置くなど、水が及んで欲しくない領域への流入を防ぐ方法が有効です。どうせ水滴になるのならば、せめて濡れて欲しくない領域だけは守ろうとする防止策です。場合によっては撥水性の高いスプレーを利用するもの一つの手段です。

これは窓やサッシの構造や、浸水して欲しくないものが、どのようなものでどこにあるかによって具体的な方法は変わってきますので、実際の対策はその状況に応じて採るようにしましょう。

その際の考え方のコツとしては、水は上から下へ流れて行くということと、吸収性の高い素材は水を吸収してくれるので、その周りへ流れて行く水を阻止してくれること、防水素材のものは水そのものをはじくということ、などそれぞれの特徴をうまく利用することです。

結露の発生を完全に防ぐのは現実には不可能に近いことなので、発生した時の影響を最小限に抑えるような、これらの方法が最も重要とも言えるでしょう

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

最後までお読み下さりありがとうございました。
気に入ってもらえたらシェアして頂けると嬉しいです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
スポンサーリンク
コメントの入力は終了しました。