予測体温計の使い方に注意!こんな場合は違った数値を示す。

予測体温計を使われている方は多いのではないでしょうか。

実際に販売されている体温計の多くは予測体温計ですし、何より短時間で測定できる手軽さが便利なため、広まっているのでしょう。

測定温度が正確でない場合がある

しかし、この種の体温計は、実際の体温を予測して測るため、必ずしも正確でない場合があるので注意が必要です。

ここでは、私が経験したことをまじえて、その注意点をまとめました。

測定した体温に大きな差

さて、ある休日の朝のこと、いつもより早く目を覚ました次男が元気なさそうに、リビングで座り込んでいました。

いつも元気すぎるくらいの次男なので、ちょっと心配になって「具合が悪いの?」と聞いてみると、「うん」と元気のない返事が返ってきました。

おでこに手を当ててみると、ちょっと熱がありそうな微妙な感じでしたので、体温計で測ってみました。

その結果は、35度9分。「えっ? !ありえない」と思って、もう一回あらためて測り直すと37度3分でした。

なんだ、体温計がきちっと当っていなかっただけなのか」と思い、37度3分なら、すこし寝かしつけて様子をみればいいかなと考えていました。

その後、一睡した次男が目を覚ますと、先ほどとは様子も違って、だいぶ元気が出て来ており、おでこに手を当てたところ、先ほどよりも下がった感じで、改めて体温を測ったところ今度は36度5分でした。

短時間で体温がここまで下がるものかなぁ」と思いつつも、体温が比較的変化しやすい小さな子供でもあり、少し休んだことで落ち着いたのだろうと考え、ひと安心して、その日は普通に過ごしていました。

本当に高熱か?

ところが、夜になると急に「疲れたと元気なく言い出すので、おでこに手を当てたところ、朝方よりも高い熱であることが分かりました。

慌てて体温計で測ってみたところ、今度は38度5分あり、インフルエンザの流行もまだ残っている時期でもあり、どうしようかと迷いました。

しかし、休日夜間診療は難しいことと、発熱後すぐではインフルエンザの検査が正確にでないことを考え合せ、様子を見ることにしたのでした。

そして、熱冷まシートと水分補給用の飲料水を買うために、夜間営業している薬局へ行ったのですが、風邪なら風邪薬を飲ませた方が良いとも考えて、店にいた薬剤師に相談したのでした。

状況や症状を説明したところ、インフルエンザの可能性があれば、風邪薬は飲ませるべきではないとのことでしたが、その時に話題となったのが体温でした。

薬剤師がいうには

最近よく用いられる予測体温計の場合は、あくまで予測値を出しているので、測り方によっては、突発的にかなり外れた値を示すこともあります。正確な体温を測りたければ、十分に時間をかけて測定する必要があります。小さいお子さんは、動かないでじっと我慢しているのを嫌がるでしょうが、一度、正確な体温を測ってみたら如何でしょうか

とのことでした。

予測値と実測値の差はどれくらい?

予測体温計の場合は、正確な測定をしたければ、時間をかけて測ることは知っていました。

しかし、「実用上問題になるほど測定値が外れたりはしないだろう」との印象を持っていた私は、「かなり外れた値を示すこともある」旨の、薬剤師の言葉が気になって仕方がありませんでした。

実際、その日の朝に測定した時も、短時間で測定値に大きな変化が見られたわけですし、私がおでこを手で触った感じと、測定結果に何か違和感があるのも感じていました。

そこで、実際に試してみようと思い立ち、いろいろ測ってみることにしました。使用した体温計は、テルモ電子体温計C231で、約30秒で体温を表示する予測体温計です。

通常の測定では悪くない値

まず、普通に10回ほど予測方式で自分の体温を測ってみました。

下表がその結果です。

回数 測定値
1回目 36.5[℃]
2回目 36.6[℃]
3回目 36.6[℃]
4回目 36.7[℃]
5回目 36.4[℃]
6回目 36.5[℃]
7回目 36.5[℃]
8回目 36.5[℃]
9回目 36.6[℃]
10回目 36.5[℃]

そして、この時の体温を予測ではなく、実測したところ、36.6[℃]でした。

予測値は全て、実測値に対してマイナス0.2(36.4)[℃]~プラス0.1(36.7)[℃]、の範囲に入っていますので、まずまずの結果といえるのではないでしょうか。

身体の当て方で影響が出る

さて、薬剤師がいっていた「測り方によっては」の意味は、小さい子供の場合には、体温計の先端がうまく身体に当たっていないことがあり、このような場合に変な測定値になりやすいとのことでした。

そのことを想定して、ここでは人為的に、体温計がしっかりと当たらない状態を作って測定してみました。

結果は、下表の通りです。

回数 測定値
1回目 36.8[℃]
2回目 36.7[℃]
3回目 36.8[℃]
4回目 35.7[℃]
5回目 36.9[℃]
6回目 36.7[℃]
7回目 36.5[℃]
8回目 36.7[℃]
9回目 36.7[℃]
10回目 37.2[℃]

この結果から、体温計がうまく体に当たっていないと、大きな測定誤差を生むことが確認できました。

特に、4回目では実測値より0.9[℃]も低くなっていますし、10回目では0.6[℃]も高くなっています。全体的にもばらつきが大きくなっているのが分かります。

試したときの感触から、体への当て方がしっかりしていないと、測定値が外れ気味なのですが、当て方にムラがある、例えば、しっかり当たっていなかった状態から途中でしっかり当たるようになる場合などに、大きく外れるようです。

大人が自分の体温を測る場合は、わきの下の感覚が自分自身で分かるので、きちんと当たっているかどうかが判断できます。

しかし、小さな子供の場合、わきの下にしっかり当たっているかどうかは、そとからの様子だけでしか判断できません

仮に、大人が手を添えて、しっかり当たるように努めても、実際にわきの下の状態がどうなっているかまでは正確に把握できないものです。

小さな子供の体温測定は、大人よりも厄介だと言えます。

メーカの見解は

さて、体温がばらついたり、不正確だったりすることについて、メーカはどのような見解を示しているか気になります。

実際、大人でも、きちんと体温を測定できているのか疑問に思った経験も多いハズです。例えば、

  • 一回目より二回目の方が測定値が低い
  • 計り直すたびに体温が大きく異なる
  • 実測値と予測値で差が大きい

こんな経験をしている人もけっこういるのではないでしょうか。

そこで原因をはっきりさせるために、いくつかの体温計メーカの情報をしっかり調べ、まとめて整理しました。

測定が不正確となる要因

体温測定が不正確となる要因は、細かいものを含めるとけっこうたくさんありました。

測定が不正確であるということは、体温が低めになったり、高めになったり、ばらついたりするなどの全ての原因となりますから、その要因をしっかり把握して、取り除くことが大切ですね。

具体的な要因は下記の通りです。

(1)体温計の先端が脇の中心から外れる
(2)脇の締めがあまい
(3)脇の下に熱がこもる
(4)脇の下に汗をかいている
(5)検温時に身体を動かす
(6)体温計が衣類に触れている
(7)繰り返し測定をしている
(8)不適切な時間帯に測定している
(9)電子音を発する前に測定を完了している

要因の詳細と対策

では、測定を不正確にするこれらの要因について、ひとつひとつ細かく説明して行きましょう。

(1)体温計の先端が脇の中心から外れる

体温を正確に測定するためには、体温計の先端を脇の下の中心に当てる必要があります。

一般に、中心から外れるほど体温は低く測定されてしまいますので、当てる部分がズレれば測定値はばらつきます。

しっかりと中心に当てるためには、体温計を下から差し込んで、先端が上向き(表示部が下側)になるようにして、脇のくぼみ部分に押し上げるように当てます。

(2)脇の締めがあまい

きちんと測るためには、脇をしっかり締めて密閉させることが大切です。

身体の温度は内部と皮膚の表面とでは異なりますから、脇の締めがあまいと皮膚の表面温度に近い低めの温度が測定されます

体温計を挟んだ手の肘(ひじ)を脇腹に密着させて、脇が密閉されるようにしっかり閉じることが大切です。

手のひらを上に向けるようにすると比較的、締めがしっかりすると言われています。もう一方の手で上から軽く押さえるのも効果的です。

(3)脇の下に熱がこもる

コタツに入っていたり、厚手の服を着込んでいたり、或いは夏場に脇を閉じていたりすると、熱がこもる場合があり、正確に測れなくなる恐れがあります。

熱がこもっている可能性がある場合は、濡れていないタオルやガーゼなどで脇をしっかり拭いてから検温しましょう。

(4)脇の下に汗をかいている

脇の下が汗で濡れていると、その影響で体温が正確に測れません

汗で冷やされたり、汗が蒸発する際に体温を奪ったりすることで、体温は低めになる傾向があります。

脇の下に汗が残っている場合は、乾燥したタオルなどで脇をしっかり拭いてから測りましょう。

(5)検温時に身体を動かす

検温時に身体を動かすと体温を正確に測定できません

身体を動かすと、体温計を挟んでいる脇にわずかな隙間ができ、正確に測れなくなります。

また、身体の動かし方によっては体温そのものが上昇してしまう可能性もあります。

検温時には、動くことなく、じっと静かにしていることが大切です。

(6)体温計が衣類に触れている

体温計の先端が下着などの衣類に触れていると正確に測定できません

これは、上記の「脇の締めがあまい」場合と同じで、身体の熱が温度計に正確に伝わらないからです。

検温する時は、服を挟むなどしていないか、しっかりと意識・確認して測りましょう。

自覚の持てない小さな子供の場合は、服を挟んでいないかどうかを親がしっかり見てあげることが重要ですね。

(7)繰り返し測定をしている

同じ体温計を時間をあけずに繰り返し使用していると、体温計そのものが温まることによって測定誤差の要因になります

繰り返し使う場合は、時間を少しあけて(1~2分程度)、体温計が温まっていない状態になるまで待ってから測定しましょう。

(8)不適切な時間帯に測定している

適切なタイミングで体温を測定しないと、不正確な値になることがあります

一般的に言われていることは、運動直後や入浴上がり、飲食直後などは体温は一時的に変化しますので測定するタイミングとしては不適切です。

また、起床直後も体温は高めのことが多いため、測定する時間としては適切ではありません。

このように体温が割と変化する時間帯では、所望の結果が得られない場合がありますので、平常時に測定するようにしましょう。

人間の体温は、気温や睡眠、感情の変化によっても変動しますので、温度差のある場所間を移動した場合や、昼寝や仮眠を取った時、感情が高ぶっている時なども避けるべきです。

なお、検温を日々行っている場合、体温は一日を通して時間的にも変化しますので、同じ時間帯に測定しないと、きちんとした比較ができませんので注意しましょう。

(9)電子音を発する前に測定を完了している

これは稀なケースでしょうが、予測完了の合図である電子音が鳴る前に測定を終えてしまうと正確に測れません

通常はエラー表示されますが、エラーに気付かない場合や、あたかも正常に測れたような表示をするケースがありますので気を付けましょう。

一般の予測体温計では、測定時間は目安となっていることが多いですから、時間を計って測定を終えるのではなく、きちんと電子音が鳴ってから測定を終えましょう。

以上のように、体温測定が不正確になる要因はいくつもあります。

測定値が不自然な場合、通常はこれらの要因が複数個重なって生じることが多いようです。

これらの要因の対策を全てとっても測定値がおかしければ、故障を疑ってみる必要があるかも知れません。

まとめ

今回、

A.普通に測定した場合
B.故意にしっかり当たらない状態を作って測定した場合

の2つを試してみましたが、大きなバラつきを生じたB.の要因としては、

「体温計の先端が脇の中心から外れる」
「脇の締めがあまい」
「繰り返し測定をしている」

複合要因があったと言えます。

A.については「繰り返し測定をしている」という要因がありましたが、実際には影響はほとんどなかったようです。

むしろ、「中心に当てる」、「脇を締める」の2点が本当にしっかり出来ていたかの方が疑わしく、それが「マイナス0.2(36.4)[℃]~プラス0.1(36.7)[℃]」に影響したのではないかと感じます。

いずれにしても、今回、改めて調べたことで、体温測定ってけっこう深いなぁと感じました。

小さな子供が体温を測る場合は、

  • 子供は汗をかきやすい
  • しっかり当てられているか本人が自覚をあまり持てない
  • じっと動かずにいることが難しい

などをよく意識して、大人がしっかりサポートしてあげることが大切でしょう。

結論としていえることは、小さな子供の体温を測る場合、測定結果を不審に思ったときは、2~3回繰り返して測ってみるのが最良の方法だと思います。

きちんと測れていれば、繰り返し測っても体温に大差は出ないはずです。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
スポンサーリンク
コメントの入力は終了しました。