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思ったより正確じゃない湿度計。表示値には注意が必要。

肌の為に乾燥が気になる、静電気を避けたい、食中毒に注意したい、快適な温湿度を保ちたい等々の理由で、部屋の湿度管理に注意を払っている人もいるかと思います。

しかし、湿度計を見て「えっ!何でこんな湿度なの?」と不可解な思いをされたことがある方も少なくないのではないでしょうか。

湿度計はあまり正確じゃない

私は仕事上、湿度の管理が必要なため、工業用の湿度計を使い、その管理もしていますが、経験上、温度に比べて湿度の表示値はかなり正確さに欠けるため注意が必要です。

湿度とは?

一般に湿度計で表示される単位には、%RHが使われていて、相対湿度を意味します。単位中のRHが省略されて、単に%と表示されることも多いのですが、相対湿度の英語表現である「Relative Humidity」の頭文字RHを添えることで、相対湿度であることを明確に示すのが一般的です。

相対というからには基準があるわけですが、その基準は飽和水蒸気量といわれるものです。飽和水蒸気量は、ある空気中に水分が水蒸気として存在できる最大の量を意味していて、相対湿度100%RHは、水分が、もうこれ以上、水蒸気として存在できない状態を意味します。

飽和水蒸気量の値は、主に気温と気圧によって変化しますので、密閉されて空気の出入りがない空間において気圧が一定の場合、温度が下がれば相対湿度は上がりますし、温度が下がれば相対湿度は上がる事になります。

冬期において、結露した水滴が窓ガラスに付くのは、外気温の影響で気温が下がって飽和水蒸気量が下がり、その結果として相対湿度が上がって100%に達し、水蒸気として存在できなくなった水分が水滴となるものです。

工業用湿度計

一般に、家庭用の湿度計よりも工業用の湿度計の方が高価で、その分だけ性能が良いと言われています。工業用の湿度計といってもピンからキリまでありますが、特殊品を除く一般品の相場として、測定の性能は±5%RH (相対湿度の測定結果が実際の相対湿度よりも5%低い値から5%高い値の間に入る) くらいです。

値段にして数千円から数万円くらいで、高価なものほど性能は良いのですが、±5%RHといわれる性能も、ほとんどの製品では限定的な性能というのが実情です。

例えば、±5%RHの性能を持っていても、数年経てばその性能を維持できないものもありますし、±5%RHの性能を発揮できるのは相対湿度が30%RH~70%RHの範囲に限定されているものもありますし、温度が15℃~25℃の場合でしか性能が保証されないといったものもあります。

従って、経年劣化したものや、湿度の測定範囲を超えるもの、測定条件の温度を外れるものなどでは、その実質上の性能が±8%RHとなったり、±10%RHになったりもしてしまいます。それというのも、湿度を容易な方法で正確に測る手段が確立されていないからで、性能がそれなりなのも、測定方法の難しさの表れでもあるのです。

家庭用湿度計

このように、たとえ工業用の湿度計であっても、これくらいの性能なのですから、家庭用として販売されている製品の場合は、その性能はせいぜい±10%RHくらいが良いところでしょう。

そもそも家庭用の場合は、製品仕様に測定精度なるものは定められていることがほとんどなく、製品によっては性能の実力として±15%RHくらいや、それより劣るものもあるでしよう。また、2~3年の経年劣化で、大きく外れてしまうものもあることでしょう。

家庭用として広く普及している湿度計は、もとよりそれほど高い性能は持っていません。湿度管理をしっかりしようとしても高性能な湿度計は高価ですし、一般家庭には向いていません。湿度計は「所詮、それくらいの性能しかない」との認識を持って、「表示値はあくまで目安の値」と割り切って、使用するのが賢い使い方でしょう。

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