先日2019年10月12日(土)、大型台風19号が日本列島に上陸して通り抜けて行きました。
この台風は、関東地方を襲ったことで大きな被害をもたらしましたが、私の住んでいる長野においても水害が発生し、台風の怖さを再認識しました。
台風に対する警戒や対策などは日頃から耳にしていますが、いざ身近なところで災害が発生したからこそ、防災の上で大切だと実感することが3つありました。
重要なことは3つ
今回の台風の被害を見て、私が殊に大切だと感じたことは3つありました。
1つ目は「情報収集」、2つ目は「事前の対策」、3つ目は「素直に耳を傾ける」の3点です。
以下、私がこれらを重要だと感じた経緯や理由を記載します。
情報収集
情報量は豊富
まず、何より重要だと感じたことは、情報収集です。
今回の台風の場合、大型で日本列島を直撃することが事前に分かっていましたから、台風が接近する前の、わりと早い段階で、色々な情報を得ることができていました。
実際にJRをはじめとした各交通機関からは、台風の情報を受けて、早々に計画運休の発表をしていました。
そして、気象庁などから発表される台風情報なども、以前と比べると正確さが増していて、台風の進路や降雨量、風速などもかなり高い精度で事前に分かるようになっています。
過去の台風で、甚大な被害をもたらした1つに伊勢湾台風というのがありますが、この時に被害を拡大した大きな要因には情報の不足があったといいます。
情報の不正確さもそうですが、周知されていなかったことも相俟って、甚大な被害につながったそうです。
現代では、気象の予測技術も上がっていますし、情報収集の手段も多岐に渡っていますから、関連する情報を収集することは難しくありません。また、情報の内容も有益なものが多いと感じます。
今回は雨量が影響
さて、台風による被害の要因を大別すると主に風に依るものと、水に依るものの2つに分けられると思います。
今回の台風の場合、大型でしたから風に依る被害も水に依る被害もありましたが、どちらかと言えば、水に依る被害が大きかったようです。
私が住んでいる長野市においては、四方を山々に囲まれていることもあって、風に依る影響は少くなる傾向がありますから、当初からあまり心配はしていませんでした。
しかし、山間部が多いことから土砂災害の危険性は高く、また、市内には犀川や千曲川と言った大きな河川が流れていますから、川の氾濫などによる水害も懸念されました。
また、地域によっては水はけの悪い場所もあり、床下浸水・床上浸水などの心配もありました。
実際に台風が近づいて来た10月12日の昼過ぎになると、国土交通省や長野市などから緊急速報メールが頻繁に入るようになり、心配していた土砂災害や水害の危険を知らせる連絡が相次ぎました。
その後、ニュースなどでは千曲川が越水した情報が流れ、民家などが実際に浸水の被害にあっていることも明らかになりました。
情報は重要
そして、改めて今回の被災地域と長野市が公開しているハザードマップを照らしあわせて見たところ、被災している地域はハザードマップ上で危険性の高い地域になっていることが確認できました。
ハザードマップと実際の被害地域がぴったり一致していると言っても過言ではありませんでした。
また、実被害が出ていないものの、水はけが悪くて多量の水が溜まってしまった地域も、やはりハザードマップ上では対象の地域になっていることも分かりました。
ハザードマップの類はそれだけ完成度の高い情報となっていて、この種のマップは良くできているものだと実感させられたのです。
それと同時に、台風などが来た場合には、こうした情報を有効に活用することが重要だとつくづく感じました。
もちろん、災害には防げる被害と防げない被害の両方が存在すると思います。
しかし、情報をしっかりと収集して、相応の対策や心得を持っておけば、大抵の災害は防げる、或いは、最小限に抑えることは可能でしょう。
情報収集が、身を守る上でまず一番大切と心得るべきです。
事前の対策
更に今回大事なことと感じたのは事前の対策です。
ニュースや近所の被災地域の状況などを見ると、もっと事前に対策できたのではないかと感じるものがいくつもありました。
それと同時に、どこか他人事と考えて、対策そのものを怠ったのではと感じるケースも見受けられました。
新幹線の車両が浸水した長野市赤池では、知り合いが写真を送ってくれましたが、国道18号を無理に通って水に流されて横転したような車両もあり、事前に外出を控えていれば被災しなかった車両もけっこうあったのだと感じました。
台風の過ぎ去った翌13日に定期点検でディーラを訪れた際、営業マンが「朝から冠水した車両に関する問合せが相次いでいる」と語っていて、被害の大きさを物語っていました。
車両が冠水した場合、エンジン部まで浸水すると修理ができずに廃車になるのが一般的ですから、被害としては深刻です。
今回の被害映像などを見ても、事前に車両を高台に移動して置くだけで被害を免れたのではないかと思えるケースがかなりありました。
また、ニュースなどでは、いざ台風が迫ってから色々な対策を採る人が巻き込まれたケースなどもいくつも報道されていました。
そんな中には、台風が来る前に、前もって行動・対策を採っていれば巻き込まれなかったのではと思えるケースが多々ありました。
更に、今回の台風では、店頭の飲食料品が無くなると言う事態も発生しました。
特に、調理をしなくて済むパン類は売り切れとなる店ばかりで、インスタント麺や飲料水なども品薄となっていました。
しかも、台風通過後2~3日経過しても、物流が途絶えた影響で一部の商品が不足する状態が続きました。
長野市ではあまり無かったのですが、東京などではコンビニが休業するケースも珍しくなく、食料品の確保がひとつの課題になった人もいたようです。
しかし、これらは事前の対策はもちろんのこと、非常用品などの日頃の備えをしっかりしていれば特に買い置きなどは不要なことでもあり、予め備えることの大切さの表れだと言えます。
以上のように、今回の被災は色々な形で現れましたが、いずれのケースを見ても、まさに事前の対策こそが肝心だと、本当に思い知らされました。
素直に耳を傾ける
さて、更にもう一つ大切だと感じたのは、素直に耳を傾けることです。
例えば、ニュースでも報道されていましたが、「河川には近づかないように」といった注意事項は色々な方面で言われていましたが、川の様子を見に行った人が返ってこなくなったケースがありました。
近づくなという警告を素直に受け取らずに、安易に大丈夫だと判断した結果だと思いますが、警報や警告、注意事項には素直に耳を傾けるべきだという典型的な姿だと感じます。
自然の猛威と言うのは誰しも何かしらの経験を経て身で持って自覚しているハズですが、どこかで大丈夫と言う安易な思いが湧いて来てしまうのでしょう。
また、浸水などの被害を受けて逃げ遅れた人が救助されている様子なども数多く報道されましたが、その多くは、避難勧告や避難指示が出ていた地域がほどんどでした。
もし勧告・指示に耳を傾けていれば巻き込まれなかった、危険な目に遭わなかったという例も目に付きました。
自治体などでは、防災無線やメール配信などで盛んに情報を発信していましたが、それを受け止める民衆が素直に耳を傾けないことは、被害を大きくする一要因になっていることを実感します。
このように、注意や勧告、指示にはしっかりと耳を傾けることの重要さが、色々な場面に現れていると感じました。
以上、今回の台風で殊に大切だと感じたこと3つ「情報収集」、「事前の対策」、「素直に耳を傾ける」を述べて来ました。
しっかりと情報を収集して、予め万全な対策を採り、防災の注意・勧告・指示にはしっかりと耳を傾けること。
今後の防災のためにも、きちんと認識しておきたいと、改めて自分自身にも言い聞かせたところです。