連日うだるような暑さが続いていて、体力的にも辛い日々が続いています。今年は猛暑ということもあり、毎日のように35度を超える猛暑日となっています。
そんな日が続いているため、日々のニュースでは、熱中症などによって死者が出ているとの報道が後を絶ちません。
これから温暖化が徐々に進行して行くという話もあり、暑さのために命を落とすということが、今よりも、もっともっと深刻さを増して行くことでしょう。
寒さで亡くなる人は微少
さて、暑さのために死者が出たという話は、割とよく聞きますが、凍死などといった寒さのために命を落とすという話は、ほとんど耳にしません。
たとえ耳にしたとしても、冬山で遭難にあったなど、何か特殊な状況によって体温を維持できなくなったというケースが普通で、日常生活の中で寒いことを理由に亡くなるというのは聞いたことがありません。
体温以下でも生命の危険
暑さで亡くなる場合、体温に近い温度になっただけで、脱水症状などを起こして温度調節がうまくできなくなるなどするわけで、25℃を越えた辺りからそんな可能性が出てきます。
つまり、体温に達していない気温にも関わらず、熱中症の可能性がでてきて、体温とほぼ同じ36~37℃くらいだと、ほとんどの人は身体に大きな影響を受けて、生命の危険に晒される人も多く出てきます。
要は、暑いとは言っても体温よりも低かったり、体温と同じくらいだったりで、それ位の温度でも身体に大きなダメージが出ることがあるということです。
では、逆に、体温よりも30℃~40℃くらい低い場合、つまり寒い場合ですが、しっかりと服を着るなどしていれば、たとえ体が冷えることはあったとしても、死の危険にさらされることは、まずありません。
寒さに対する方が強い
これらのことは、ちょっと考えると、とても不思議な感じがすることで、周りの温度が、保とうとする体の温度、すなわち体温に近い方がダメージが大きく、体温から低い方に離れている方が却ってダメージが小さいとの見方ができます。
もちろん、衣類を着たり脱いだりする人為的な行動があるからですが、例えそうだとしても、何かとても不可解な感じがします。
単純な感覚だけでいえば、体温を保とうとすれば、まわりの温度が低い分だけ熱を発生しなければならず、従って必要なエネルギーも大きくなって身体的な負担が大きくなりそうです。
逆に、体温に近ければ、体温を保つために必要なエネルギーは小さくなって、身体的な負担は小さくなりそうな気がします。
しかし、実際はこれとは全く逆で、暑い方が身体的な負担が大きく、結果として体がだるくなったりもします。
これについて一考してみると、人間の身体は、温度を上げるのは比較的容易なのに対して、温度を下げるのは容易ではないということでしょう。
これは機械類も同じで、例えば自動車のエアコンは、温める場合はあまりガソリンを消費しませんが、冷やす場合はクーラーの使用によってガソリンの消費が著しくなります。
そんな機械との比較を考えていると、人間が体温の上昇を抑えようとすることって、かなり負担が大きいことなんだということが、より実感を持てた気がしました。