栗の点心「朱雀」の整理券を苦労して手に入れて食べたが残念な思いをした話

栗の点心「朱雀」といえば、知る人ぞ知る、小布施町の小布施堂で有名な栗を使った点心です。

非常に人気があり、期間限定ながら、平日から整理券を得るために行列ができるほどです。

栗の点心「朱雀」を食べてみたが

今回、やっとのことで食べることができた朱雀ですが、苦労して待った割には、思った味とは違って残念な思いをしました。

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小布施は栗の名産地

小布施町と言えば歴史のある街で、観光地にもなっていますが、栗の名産地であることでも知られています。

小布施町は栗の名産地

また、単に名産地であるだけでなく、栗を使った数々の特産品でも有名で、とりわけ栗菓子などは好評なものが多いです。

私も何度も小布施を訪れては栗菓子を中心に色々と食べ歩きをしていますが、中でもお気に入りなのが、栗の木テラスのモンブランと、福栗焼きです。

小布施で作られた栗菓子などの多くは、長野市内や長野駅などでも販売されていて、長野の特産品のお土産用として購入して行く人も目に付きます。

そして、小布施は北斎でも有名で、街内には北斎館があります。歴史的な街並みも情緒的で魅力があり、歩いて巡る観光地としても有名です。

更にあけびの湯と呼ばれるちょっとした温泉もありますから、旅の順路として小布施に泊まってゆっくりとする人もけっこういるようです。

私もこの温泉に行って来ましたが、景色も良くとてもくつろげました。

栗の点心「朱雀」とは

さて、栗の点心「朱雀」とはどのようなものかですが、小布施堂と呼ばれる店舗が提供する点心です。

栗の点心朱雀は小布施堂の商品

小布施堂では、この他に「モンブラン朱雀」と、持ち帰り用のモンブランがありますが、期間限定の商品は、この栗の点心「朱雀」だけです。

栗の点心朱雀とモンブラン朱雀とテイクアウト用モンブランがある

持ち帰り用モンブランは、長野駅の駅ビル「MIDORI」でも販売しています。

持ち帰り用のモンブランは長野駅の駅ビルMIDORIでも販売している

栗の点心「朱雀」とモンブラン朱雀は混同されやすいのですが、栗の点心「朱雀」はあくまで点心(栗菓子のような食べ物)の1つで、モンブラン朱雀はケーキのモンブランですから、違う商品です。

モンブラン朱雀は栗の点心朱雀とは全く別な商品

ちなみに小布施堂では、朱雀を栗菓子と呼称して良いかを迷った結果、栗の点心と名付けたそうです。

朱雀が期間限定である理由は、栗の収穫時期である9月~10月に合わせて、収穫したばかりの栗で作られているからです。

従って、他の2点(モンブラン朱雀、持ち帰り用モンブラン)については、年中提供されていて、これらは収穫したばかりの栗だけから作られているわけではありません。

実際に栗の点心「朱雀」が提供される期間は、本年(2019年)の場合9月10日~10月20日でした。

値段の方はさすがにちょっと高価で、ひとつ1500円です。

これを食べるためには、電話予約などは行っていないため、直接、小布施堂の本店に足を運び、朱雀券と呼ばれる整理券を貰わないといけません。

栗の点心「朱雀」を食べるには朱雀券をもらう必要がある(2018年の券は昨年、食べるのを断念した際のもの)

基本的に整理券を貰う時に料金を支払います。非常に混雑するので、実際に食べられるまでの待ち時間を覚悟する必要があります。

ちなみに、電話予約が可能な特別なコースメニューもありますが、これは食事と朱雀がセットになっていますから、更に高価になります。

また、予約も割と早い時期に終了してしまいますので、確実に予約したい場合は早目の方がいいです。

食べるまでの流れ

私が実際に足を運んだ日は、混雑を避けるため休日と隣接する月曜や金曜ではない平日にしました。

それには理由があって、昨年(2018年)食べようとした時は、同じ平日でも休日と隣接した平日であったため、混雑が激しく、夕刻近くの時間しか取れず、都合が悪くて断念した経緯があったからです。

混雑状況にもよるが、早めに行かないとその日の受付は終了してしまう

店の人の話では、「小布施町は泊りで訪れる観光客も多く、休日前後の平日は混雑する」とのことでした。同じ平日でも、休日と隣接しない日を選ぶ方が混雑を回避できるってことですね。

その日、私が店に到着したのは朝の8時45分位でした。店の入り口で人数と個数を伝えて料金を支払って整理券(朱雀券)を貰いました。

朱雀券を受け取る受付。早朝からここに長蛇の列ができる。

予約ができる一番早い時間が13時でしたので、その時間にしました。ちなみに予約は30分単位で、遅い時間にズラして調整することは可能です。

平日の場合、通常はその日の予約は遅くても午前中には終了してしまいます。たとえ平日でも、混雑するような日は、9時にはその日の予約は終了してしまいますから注意が必要です。

休日の場合、確実に予約しようとするなら早朝6時には並んで、8時半頃の受付開始までずっと待っていなければなりません。

受付開始後に着いたのでは、まず無理だと心得た方が良いでしょう。休日の場合は、早朝から店の開店までの間には、ものすごい長蛇の列ができます。

私の場合、「9時前に店に行って昼過ぎに予約する」というのは当初から予想していた通りでしたので、予約後は一旦小布施を立ち去って、別な場所で時間調整をしていました。

そして予約時間のちょっと前に再び店に赴くと、既にその日の朱雀は完売(予約受付終了)となっていました。

昼過ぎに再び訪れた時には既に栗の点心「朱雀」は完売になっていた

その後、本宅と呼ばれる建物の入口で整理券(朱雀券)を見せて、番号を呼ばれるのを待っていました。

栗の点心「朱雀」が提供される本宅(正面建物)

予約時間を少し過ぎた頃、整理券に書かれた番号を呼ばれて、ようやく食べる運びとなりました。

実際の味は

待ちに待った、待望の朱雀がテーブルに運ばれ、目の前にした瞬間、以前から一度は絶対に食べたいと思い続け来ただけに、「ようやく食べられる!」との、ちょっと興奮にも似た思いがありました。

サラサラした感じ

実際に出てきたものは、下記の写真のように豪華な感じでした。

ほうじ茶とスプーン、箸、挨拶状(礼状)、手拭きがお盆の上に揃えられ、箸には箸置きも用意されて、ちょっとした高級感が伝わってきました。

栗の点心「朱雀」。ほうじ茶とスプーン、箸、挨拶状(礼状)、手拭きがお盆の上に揃っている。

そして、ゆっくりとスプーンですくおうとすると、「ぽろっ」とお皿の上に零れ落ちるような感じなのです。

そうです。水分がほとんどなく、サラサラした感じなのです。パサパサという表現の方が適当かも知れませんが、とにかくモンブランのように水分を含んだペーストと言う感じではありませんでした。

栗の点心「朱雀」はパサパサした感じで、触れただけでポロっと零れ落ちる

甘くない

ちょっとびっくりしながら、口にしてみると・・・「あれっ!甘くない?」でした。

見た目がモンブランなので、甘いことを想像していたのですが、少なくてもモンブランのような甘さは全くなく、それどころか、甘味料は一切使っていないような味わいでした。

えっ?ここまで甘くないの…」と更に驚いて、続けて食べて行くと、確かに栗を贅沢に使ったような栗の自然な味わいがそのまま伝わって来る感じなのですが、栗が持つ本来の自然の甘みを感じず、全くといって良いほど甘くありませんでした。

天然の栗ってもっと自然のままの甘みがあるハズでは…」とすら感じた私は、何でだろうと考えてみました。

その結果、「水分が少なくてパサパサ感が強い分だけ、天然の甘みを感じにくくなっているのだ」という結論に達しました。

栗の部分はパサパサした感じで、スプーンですくうと、べとつかずこんな感じになる

この栗菓子には、たっぷりの量のお茶(ほうじ茶)が添えられていますが、パサパサしていて飲物が欲しくなるからなのですね。

いずれにしても、どこか味気ない感じがしてなりませんでした。

しかし、全く甘さが無い訳では無く、中心部にはしっかりとモンブランのような甘いペースト状の部分があり、ペースト部と一緒に食べて初めて甘さを感じられるようでした。

中心部には栗の甘いペーストが入っている

とは言え、一緒に食べていても全体としては甘さに欠けていて、物足りなさが拭えませんでした。

ペースト部にしか甘味料は使われていないもよう

モンブランではない

結論として、苦労して予約して待つだけ待って食べた割にはガッカリでした。

全ての間違いの始まりは、栗の点心「朱雀」をモンブランと同じようなものだと勘違いしていた点です。

栗の点心「朱雀」は、モンブランのような甘さはありません。またケーキではありませんからクリームもスポンジもありません。

基本的には栗だけで構成されていますから、栗を贅沢に食べると言う点では優れていると思います。

栗のお菓子と言うよりも、お腹が膨らむちょっとした軽食と心得た方が良いかも知れません。実際にお腹いっぱいになりました。

小布施堂が、朱雀に栗菓子ではなく「栗の点心」と名付けた意味が少し分かった気がしました。

ちなみに小布施堂の話では、栗の点心「朱雀」は、収穫したばかりの栗を使用しているので、その時収穫された栗の味がそのまま出るため、収穫時期や実りぐあい、固体などによって微妙に味わいが異なるそうです。

本宅の内部は畳敷きで落ち着いた雰囲気

いずれにしても、同じ様な食べ物は他では決して食べられることは無いでしょうし、贅沢に栗を食べると言う点では他では難しいでしょう。

また、好みによっては止められないと言う人もいることでしょう。

わたし個人としては、正直、2度と食べようとは思いませんが、とても珍しい贅沢の一品として、一度は食べてみるのは悪いことではないと思いました。

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