イオンモール松本に行った時のことです。エスカレータで1階から2階へ上がり、続けてそのまま3階へ上がるエスカレータに乗ろうとした時、「あれっ?3階行きのエスカレータの乗り場がない」と少し変な感覚を味わったのです。
エスカレータの構造は主に2種類
それは、上へ行くエスカレータと下へ行くエスカレータが交差しているタイプ(以下、クロスタイプと呼称)のエスカレータに乗り慣れていたからです。
クロスタイプのエスカレータでは、上階へ行くエスカレータの到着地点が、さらに上に行くエスカレータの出発地点になっているので、移動することなく連続してエスカレータに乗れるわけです。
しかし、イオンモール松本で乗ったエスカレータは、上へ行くエスカレータと下へ行くエスカレータが平行に並んでいるタイプ(以下、パラレルタイプと呼称)のエスカレータであるため、さらに上の階へ行こうとするならば、乗ってきたエスカレータの乗り場の、真上の位置まで歩いて移動しなければ、次のエスカレータに乗れないわけです。
今まであまり意識していなかったエスカレータの構造の違いを目の当たりにして、「なぜこのような違いがあるのだろう?」と素朴な疑問を抱いたのでした。
それぞれに長所と短所
たどりついた結論は、クロスタイプとパラレルタイプにはそれぞれメリットとデメリットがあり、用途によってメリットを活かせるように設置されているということです。
クロスタイプの場合、フロアー間を上がる場合も下がる場合も、エスカレータに連続して乗れるため、効率よくフロアー間を移動することができます。
その反面、上下のエスカレータがクロスしているので、視覚的に空間が狭く見え、また比較的屋内を見渡しにくくなります。
一方、パラレルタイプの場合、エスカレータに連続して乗れないため、フロアー間を移動する効率は下がりますが、視覚的に見渡しやすくなりますし、空間も広く見えるものです。
日々、食料品や日用品を買うスーパーなどでは、クロスタイプのエスカレータの方が、効率よく買い物ができますので適しています。
実際に、日常利用するスーパーではクロスタイプになっています。特に、塩を切らした、ねぎを買い忘れた、洗剤が足りない等々、目的の商品がハッキリしている場合は、少しでも早く買える方が便利ですからね。
反対に、パラレルタイプのエスカレータはショッピングモールで多く見られます。
これは、効率よくフロアー間を移動する必要性は低く、むしろ移動しながらいろいろな店舗をゆっくりと見て回ることができるので、向いているわけです。
加えて、空間が広く見えるだけでなく、エレガントな吹き抜けなどが造りやすく、ショッピングを楽しませてくれます。
しかしながら、同じショッピングモールの類でも、お台場のダイバーシティプラザなどは、クロスタイプのエスカレータが設置されています。
これを見た時、「何で?」という感じがしたのですが、よく考えれば、この建物は地上7階建てで、上下の階を移動する機会が比較的多いため、効率よくフロアー間を移動できないと、あまりにも不便だからです。
まとめ
以上、エスカレータには大きく分けて2つのタイプがあり、どのように使い分けられているかをまとめると
(1)日常的に買い物をするスーパー等では通常クロスタイプのエスカレータ
(2)ショッピング自体を楽しむモール等ではパラレルタイプのエスカレータ
(3)ショッピングモール等でも、フロア数が多い場合はクロスタイプの場合がある
このように、どこにでもあるエスカレータ、普段、意識していないと気付かないことがあるものです。意識して考えてみると、いろいろなことが分かってきます。
身近にあるものの中で、ちょっとした違いに気付いたら、何でだろうと考えてみると、面白い発見があるかも知れません。