体育館の内部は、なぜ夏場に異常なほど暑いのか?

学校にある体育館を見ていて、中学高校時代の夏休みのバスケットの練習で、体育館内が異常なほど暑かったことを思い出しました。

練習をしていると暑くて暑くて仕方が無く、体育館の外の方が涼しいので、休憩時間にはわざわざ建物の外の日陰部分に出て、体を休めていました。当時は単に、体育館内は夏場は気温が暑くなるものくらいにしか思っていなくて、その理由については特に考えたこともありませんでした。

今回、改めて思い出したこの素朴な疑問について考察してみました。

体育館の構造

そもそも、温度が高くなって、熱がこもって、なかなか下がらないのは、体育館という建物自体が、温室効果が働く構造になっているからに他なりません。いわゆる、内部を温めて温度を保つ、ビニールハウスのような働きをする構造になっているわけです。

具体的には、体育館の上部は、比較的面積の広い窓ガラスで覆われているため、その分多くの太陽光を取り込める構造をしています。

上部は大きな窓で光を多く取り込める構造

また、建物の四方の壁面には、基本的には普通の窓がないので、熱が逃げにくい構造の上、風通しも悪くなっています。つまり、光熱を取り込みやすくて、熱がこもりやすい構造になっているわけです。

光を取り込み易くするため

ではまず、なぜ建物上部が広い窓ガラスで覆われているのかですが、これは、体育館内を明るくするためです。

一般に体育館では様々な競技を行えるように、天井が高く作られていますが、その結果、照明の位置は高い位置に取り付けられるため、照明と床との距離が必然的に長くなって、床面の照度を得ようとするためには、明るい照明が必要になります。

そのために、蛍光灯とは違った、比較的、発光力の強い水銀灯などが用いられていますが、さらに照度を確保するために、天然の光を利用する構造が必要になります。

要は、どうしても暗くなりがちな体育館を、少しでも明るくするためには、広い窓ガラスを用いた構造が必要というわけです。

強度を保つため

次に、なぜ建物の四方の壁面には普通の窓が無いのかについてですが、これは、強度を保つためです。強度を保つ目的には2つあり、1つはボールが当たるなどの衝撃に耐えるためと、もう1つは地震などに対するの耐震性を保つためです。

1つ目の「ボールが当たるなどの衝撃に耐えるため」については、体育館で行う様々な競技では、ボール等を使用しますので、それらボールが当たった時に窓が割れないように、また、ボールが外に出て行かないように、開放できない、ある程度強度のある資材を用いる必要があります。この結果、壁に普通の窓を作ることはできなくなるわけです。

体育館にある窓は、強度に影響の少ない、小さな窓となっている

2つめの「地震などの耐震性を保つため」については、体育館のような広い空間を持つ建物は、通常、建物中央付近に柱などを設けることはできないので、四方の柱や壁で建物全体を支える必要があります。

このような構造の場合、柱だけでは強度が不足しがちで、壁が強度を保つ上で重要な役割を果たすことになります。もし、壁の代わりに窓などを設けると、強度が落ちて耐震性も低下して問題となります。

実際に、窓が建物の上部にのみ設置してあるのも、上部は建物の重量の負荷が低いからです。

できる対策は

さて、体育館が暑くなることは分かっただけでは暑さを回避できる訳ではありません。室内でも熱中症になることはよくあることですから注意が必要です。まずは、熱中症対策の基本を押さえておくことが何より肝心です。

そして、体育館を使う上で心したいことはいくつかあり、以下の対策が有効でありましょう。

(1)体育館の下窓などは全て全開にする
(2)全てのドアは全開にし、ボールなどが出ないようにネットを張る
(3)上部の窓は全開にし、カーテンは太陽側のみ閉める
(4)窓を開けるなどの措置を、可能な限り、早めに事前に行う

以上が体育館における暑さに対する効果的な対策方法です。要するに、風通しを良くして、熱を遮断することが基本ですね。

以上、夏場に体育館内が異常に暑くなる理由を考察してみましたが、なるほどという感じです。将来は、建築技術の進歩により、こんな問題を解決してくれるような、構造の異なる体育館が作られるようになるかも知れません。近い将来、そんな体育館を見てみたいと期待するものです。基本的な暑さ対策も示しておきましたので参考にして下さいね。

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