今年の初夏のできごとですが、子供がキャラクターグッズの応募シールを集めていて、応募条件となる枚数に達したので、応募することにしていました。
しかし、子供はあまり締切日のことを認識していませんでしたし、私も妻も日々多忙なため、気に留めている余裕はありませんでした。
そんなある日、応募用紙を見て、「あれ?応募締切日を過ぎている」と気付き、せっかく集めた応募シールも無駄になってしまうと考えると少し残念で、何より応募対象品が「もれなくプレゼント」であったので、悔しい思いもありました。
ダメもとで応募してみた
締切日を過ぎてしまったことを子供に伝えると、「何で送ってくれなかったのか」といわんばかりの不満そうな顔をして、それを横で見ていた妻が、「だったら、ダメもとで送ってみたら」と言い出しました。
その時は、既に締切日(当日消印有効)を半月以上経過していたので、「さすがに、これだけ日数が経過していたら無理だろう」と考えた私は躊躇しました。
しかし、「葉書一枚くらい無駄になってもいいじゃない」との妻のひと言と、「そうだよ。そうだよ。」と、妻を後押しする子供の言葉におされて、「子供がそれで気が済むなら」との思いで、応募することにしたのでした。
それから十余日経過した頃、応募していたグッズが届き、試しに送ってみて良かったとの思いを抱いたのですが、同時に思ったことは「締切日って何なのか?」との複雑な思いでした。
締切日についてちょっと考えてみた
今回のケースは、対象が子供用のキャラクターグッズであり、応募してくる対象は比較的年齢の低い子供でした。
また、当選者は抽選で決めるのではなく、「もれなくプレゼント」というものでした。
従って、これら2つの状況を背景に、キャンペーン主催者側の配慮や柔軟な対応があったのではないかと思います。
つまり、応募してくる子供にしてみれば、「せっかく集めた応募シールなのに 」というような、子供心に残念な思いを抱くことでしょうから、これに対する気配りをしたと考えられます。
更に、「もれなくプレゼント」であったため抽選を行う必要もなく、「用意したグッズの余りを無駄にするのはどうか」という考えもあったのでしょう。
こうした気配り・配慮によって、応募締切日という形にとらわれない柔軟な判断をしたと言えます。
もし仮にこれが、「もれなくプレゼント」ではなく「抽選でプレゼント」であったらどうだったでしょうか。
この場合、応募締切日という日時をきちんと決めなければ、応募総数に対して公平かつ厳選な抽選が実施できなくなってしまいますので、今回のように締切日を何日も超過していたら、絶対に無理だったでしょう。
では、「抽選でプレゼント」の場合で、締切日をわずかに超えていただけの場合であったらどうでしょう。
最近では、何かを応募するにしても、インターネットを利用して応募コードを入力して応募する方法も増えて来ていますが、そのー方で、インターネット環境の無い人のために、郵便はがきによる応募形態のものも根強く残っています。
期日を決めないと動けない
インターネットを利用する場合は、システム上で自動的に締切日を境に受け付けが締め切られてしまうものなので、締切日を過ぎてからの応募は難しいでしょう。
一方、郵便による応募の場合は、一般的に当日消印有効となっていますが、これは郵便の配達に要する日数が、居住地域によって異なるため、不公平さを生まないようにするための配慮といえるでしょう。
特に、配達までにそれなりの日数を要する離島などでは、締切日必着としてしまうと、締切日までの日数が本島に比べて何日も少なくなり、日数的に不利になります。
さて、当日消印というと、厳密には、郵便局で切手に消印を押印する日付が、締切日を含むそれ以前の日にちであることが求められるわけです。
しかし、郵便局内部で行われる処理については一般人が知るところではありませんので、締切日に郵便ポストに投函した郵便物がその日のうちに消印処理がされるとは限りません。特に夜間の最終収集時間の場合などは、投函する側としても不安になるところです。
また、何かの要因で処理遅延が発生すれば、本来その日のうちに消印処理がされるはずの郵便物が、翌日に処理されることもあるかも知れません。
一方で、キャンペーンを主催する側、つまり応募を受け付ける側からすると、応募が十分集まったところで抽選を行えばよいので、当日消印の郵便物が全て届くであろう日に抽選を実施すればよいことになります。
抽選日は、離島などからの配達や、予期せぬ配達遅延や郵便事故なども考慮して、十分にゆとりを持った日付を想定するものでしょうから、抽選対象となる郵便の中には、消印日が締切日を越えているものが、入り込んでいても分かるものではありません。
また、締切日を越えていないかどうかを、郵便物ひとつひとつ確認するのは、作業がたいへんですし、消印の中には日付が読み取れないものもありますから、現実的な話ではありません。
以上から、総合的に考えた場合、消印日を1日~2日くらい超過した程度では、受け入れられるケースも多いのではないかと思えます。
もちろん、抽選で選ばれた後で、消印を満たしていないことが理由で、当選対象から外されることなどはあるかもしれませんが、諸事情を考慮すれば、そこまで厳密な処理をすることは、むしろ稀とも言えるのではないでしょうか。
締切りは排除目的ではない
ところで、本年2月のこと、かねてより申し込もうとしていた長野市主催のイベントがあったのですが、申込締切日の当日になってその日が締切日であることに気付いたことがありました。
申込手続きは、窓口で所定の書類を提出する必要があったのですが、その日は平日で既に出勤していたこともあり、どう考えても間に合わない状況でした。
妻に代わりに行ってもらうのは、その時の状況として無理でしたので、仕方がなく、申込窓口に電話をかけて相談したのでした。
その時の対応は極めて寛容で、「本日中に申込用紙に必要事項を記入して、FAXを送って頂ければ構いません。申込用紙の原本は必要なので、後日窓口に持参して頂ければ構いません」とのことでした。
こんな経験から、締切日というのは、本来は排除するのが目的では無く、手続きや事務処理などを行う上で、期日を設定しないと不都合であるからに他ならないということが、実感を持って分かりました。
もちろん、申し込む側や応募する側は、期日や締切日を守ることは当然ですし、大切なことですから、それに対していい加減な対応をすることは、するべきではありません。
しかし、止むを得ぬ事情や失念などは誰にでもあることですから、ダメ元で手続きをとってみるのもひとつの手ではないでしょうか。期限は排除することが目的では無いハズですから。