中国語で年齢を数える時に才は使わない。歳を使うが実際の字は岁

日本語で年齢を数える場合には、一歳、二歳、三歳のように「歳」という漢字を用います。

また、「歳」の代わりに、一才、二才、三才のように「才」を使うこともあります。

中国語では年齢を数える時には使わない

しかし、中国語の場合、「」という漢字は使わず、「歳」の簡体字に相当する「」を用います。

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日本語の歳と才

日本語の「歳」は年齢や年数を数えるために用いる助数詞で、専らこの用途に用います。従って、一歳、何歳、二十歳、満五歳など、年齢を表すために使うのが一般的です。

「歳」と言う漢字そのものには、「とし」や「よわい」という意味があり、一年という時間を表し、年一回であることの意味から、歳暮などの熟語も生まれています。

「歳」という漢字は、刃物を意味する「戉」と、年の歩みを表す「歩」を組み合わせた会意文字で、農作物を刈り取るまでの期間を表していたものが、一年を意味するようになりました。

一方、日本語の「才」は、持ち合わせている素質・能力を意味し、天才、才能、英才、才覚など、そのような意味を持つ熟語として使われます。

また、容積や体積を表す単位として使われるほか、歳の字に当てて、一才、何才など、年齢を表す場合にも使われます。

中国語の

では、中国語の場合はどうでしょうか。

中国語の「歳」は、簡体字で(suì)と書き、日本語と同じく年齢を数える場合の量詞として使います。

はピンインでsuìですから、カタカナで記述するなら「スイ」となります。

実際の読みとしては、「スゥェイ」の「ゥェ」を聞こえるか聞こえないくらいのかすかな音で発生するとネイティブに近い発音になります。

使い方としては日本語と同じく、一歳は(yísuì)、二歳は两岁(liǎngsuì)などのように記述します。

また、とし、年の意味もあり、(suìyuè)のような熟語として使われます。

更に、漢字の語源が持つ意味(上記参照)から、その年の収穫を意味することもあります。

一方、中国語の「」(cái)は、才能や能力、人材などの意味で使われ、天才(tiāncái)、才能(cáinéng)などの述語などで使われます。

また、漢字としてはわずかであることを意味し、数量の少ないことや、時間の短いことなどの表現に使われることもあります。

更に、副詞として、たった今、漸(ようや)く、僅(わず)かに、初めてなどの意味としても多用されます。

しかし、中国語のの場合、年齢を数える場合に用いることは全くありません

才は、日本語で同じ読みを持つ「歳」の代わりに用いただけで、中国語の場合、歳と才は発音も異なり、全く関係ない漢字だからです。

覚えておきたい年齢に関する表現や習慣

さて、中国語の場合、年齢を表す漢字は歳の簡体字であるであることが分かって頂けたかと思います。

ここで、年齢に関する会話などで、覚えておきたい表現や習慣などを説明しておきます。

割と気軽に年齢を聞く

実際の会話などで、よく「你多大了?」(nǐduōdàle)などと表現して、「あなたは何歳ですか?」と問いかける場面があります。

こういう場合、日本では相手の年齢を聞くのはちょっと失礼で気が引けるようなことも多々あると思いますが、中国語の場合は比較的、気軽に聞いています。

日本では、特に相手が女性であれば、年齢を聞くのを避ける傾向がありますが、中国の場合、それほど避けることはなく、ストレートに聞く場合も少なくありません。

年齢の数え方が異なる

また、年齢の数え方ですが、上記の問いをされた場合、日本では満年齢で答えるのが普通ですが、中国ではその年に到る年齢で答えるのが普通です。

つまり、中国では質問された時点で、その年の誕生日を迎えていても迎えていなくても誕生日を迎えた後の年齢を答えることになるのです。

それは、「你多大了?」の表現には「你今年多大了?」(nǐjīnniánduōdàle)のように、今年の意味が暗黙のうちに含まれていて、本来の意味が「今年で幾つになるの?」に相当するからです。

中国で年齢を語る場合、あくまで満年齢とは限らないことを覚えておきましょう。

干支を聞く便利な表現

更に、覚えておきたいのは、「你属什么?」(nǐshǔshénme)と問う表現です。これは、「ナニドシですか」と干支を聞く言い回しで、結構使われる表現です。

干支は中国から伝わって来たものですから、中国にも十二支があり、暦としては日本も中国と同じですから、干支が同じなら同じ年に生まれたことになります。

ナニドシかを聞くことは、事実上、相手の年齢を把握することができることから、年齢を直接聞く代わりに頻繁に使える便利な表現です。

基本的な表現を覚えておこう

さて、最後に年齢に関する基本的な表現をいくつかまとめておきます。

我十八岁(wǒshíbāsuì)・・・私は十八歳です。

これは、何歳であるか年齢の表現の仕方です。

年齢の場合、主語のあとになどの動詞は使わず、直に数字(年齢)を用いてその後ろに量詞であるを付けます。

日本語でも「わたしは18歳」などと動詞を省略することがあるかと思いますが、中国語の場合も、これと同じです。

你多大岁数?(nǐduōdàsuìshù)・・・年齢はいくつですか?

これは、前述の你多大の後ろに年齢を意味する「岁数」を付けた表現です。

多大そのものは、大きさがどれくらいと言う広い意味を持ちますから、会話の状況によっては你多大だけではハッキリ年齢のことだと分からないケースもあるかも知れません。

そんな時に、年齢を聞きたいことを明確にできるのがこの表現です。

日本語で「おいくつですか?」と聞かれれば、普通は年齢のことですが、状況によっては何かの数を聞かれているかも知れません。それと同じです。

你几岁了?(nǐjǐsuìle)・・・あなたは何歳ですか?

これは、通常、子供に対して年齢を問う表現です。

という漢字は、本来は一から九を意味する漢字なので、結果として子供に使われる定型的な表現になっています。

しかし、実際には十以上の場合にも使われ、中国人の中には大人に対してもこのような表現をする人もいます。

但し、大人に対してこの表現を用いるのは、礼儀に欠ける一面がありますので使うのはよくないでしょう。

また、子供に対しても前述のように「你多大了?」(nǐduōdàle)との表現もできます。

一般的な学習では、子供に対しては你几岁了?、大人に対しては你多大了?と区別するように教えられることがありますが、あくまで基本・原則です。

実際の中国人は、必ずしもその通りに使い分ける訳ではありません。

您多大年纪?(nínduōdàniánjì)・・・何歳になられましたか?

この表現は、自分よりも目上の人に対する年齢の聞き方の定型的な表現です。

您は你の敬称で、年纪(niánjì)は年岁(niánsuì)や岁数(suìshù)と同じく人の年齢を表す言葉で、これを付けることで丁寧な表現となります。

これは目上の人に使うように習う典型的な表現ですが、あくまで基本・原則です。

目上の人だからと言って必ずしもこの表現になる訳ではなく、単に「你多大了?」(nǐduōdàle)と言う場合もあります。

実際の表現は、相手がどのような立場の人なのか、どのような状況なのかによって変わってきますし、話し手によっても違ってきます。

また、丁寧な言い方として、您贵庚了?(nínguìgēngle)という表現があります。

は你の敬称、は日本の漢字の貴で相手に敬意を払う表現、は年齢の意味です。

古い表現と解説している場合もありますが、実際に今でも丁寧な言葉として使われています。

単に例文を丸暗記するだけではなく、このような言葉本来の意味も含め、きちんととつかんでおきたいものです。

年齢に関する表現や習慣は、単に言語として習得しただけでは理解できない面があります。

年齢に関するちょっとした感覚や習慣の違いについても、しっかり覚えておきたいですね。

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