買物をするとき、展示品限りの場合には、購入するのに抵抗がある人も多いのではないでしょうか?
購入する商品が日用品などであれば販売個数も多く、商品もどんどん入れ替るのでそれ程気になることはないでしょう。
しかし、衣類、雑貨、家電などで何日もの間、展示されていたような商品は気が引けます。全くの新品とは少し異なりますので。
来店した人々が手に取ってみたり触ってみたりして、何かしら汚れたりしていないか、傷んだりしていないかと気になります。
まずは在庫がないかを確認
そういう時は、まず
「この商品は在庫はありますか?」
とストレートに聞くのが一番良い方法です。
展示品処分と提示してある商品でも、実は在庫品が別にある場合もあります。
最近はほどんどの店で在庫管理が徹底していますので、商品コードの入力で在庫の有無を直ぐに確認して貰えます。
在庫があれば奥の倉庫から梱包や包装されたような、きれいな商品を持ってきてくれます。
在庫品があれば、買う側も安心できますし、気持ち良く購入できます。
もし在庫品がない場合、仮にその商品がそれなりに高価なもので、購入時期を待てるのであれば、取り寄せが可能かどうか聞いてみるのも良いかと思います。
処分品だからと言っても、展示してある商品1点しかないとは限らないからです。
展示品があるのだからと、取り寄せることを遠慮することはありません。聞いてみること自体はタダですから。
展示品の意味を押さえよう
本題に入る前に、まずここで展示処分品の言葉の意味をしっかり押さえておきましょう。
店頭に展示してある処分品には、それが処分品であることを示すために、色々な表示がしてあります。
例えば、
「展示処分品」、「展示在庫処分品」、「展示品限り」、「展示在庫限り」、「展示在庫品限り」、「展示在庫品」、「現品処分品」、「現品限り」、「展示在庫品」、「現品限り」
などです。
これらは、表示の仕方によって微妙に意味は違ってきますが、
展示されている商品であること
処分したい商品であること
についてはほぼ同じです。
また、表示されている言葉のニュアンスと実際の状態が異なる場合もあります。
例えば、上記でも触れましたが、「展示処分品」と表示されていても、それと全く同じ商品が店の倉庫に別に保管されているケースです。
そして、言葉として勘違いしやすいのが「展示在庫」など「在庫」がつく表現です。
「在庫」という言葉は、本来「庫(くら)に在る(ある)」ですから、店などが持つ倉庫に存在しているという意味だと考えがちです。
しかし、「在庫」には、企業などが物品などを仕入れて保有している状態の意味もあります。
つまり、「展示在庫」と表現された商品の場合、店が商品を仕入れて販売するために保有していて、それが陳列・展示されている場合も含めた意味があります。
従って、もし「展示在庫品限り」といった表示があれば、店が販売できる商品は展示されている商品だけという意味になります。(もちろん、表示に嘘がなければ)
「在庫=店の倉庫にある」などと、短絡的に考えないようにしましょう。
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展示品は状態をよく確認
では、本題に話を元に戻します。
倉庫にないかを聞いた結果、展示品しかないことが分かった場合、あなたならどうしますか?
そう、まずは展示品の状態をよーく確かめることです。
とりあえず外見でしか判断はできませんが、多くのものは外見だけで問題の有無を判断できます。
外見を確かめた結果、汚れや傷があれば、価格交渉(値切り)です。
既に展示品割引をしているような場合は、更なる値引きが難しい時もありますが、そうでない場合は、たいてい値引きして貰えます。
全くの新品と汚れや傷有り商品が同じ価値を有する訳はないのですから、堂々と交渉すべきでしょう。
そもそも「汚れや傷があるものなんか買いたくない!」と考えるのが当然だと思います。
新しい物を買おうとする時に、最初から汚れや傷があったら好んで欲しいとは思いませんよね。
でもその汚れが、洗濯すれば直ぐに落ちそうな衣類であったり、その傷が、通常使ってれば直ぐにでもついてしまうような傷だったりしたらどうでしょう。 安くなるならむしろその方がいい場合も有るかも知れません。
実際に私も、痛みや汚れの内容をよく見極めた上で、破格値で購入したことが何度もあります。
展示品だからこそある価格交渉のチャンスを、みすみす逃す必要はないのです。
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交渉の仕方とポイントは?
では、そんな場合の具体的な値切り交渉の仕方と、少しでも安くするためのポイントを説明しましょう。
詳細を説明する前に、まず認識しておくべきことがあります。
それは、処分しようとしている商品について、店側には
「早く売って処分したい」
「できるだけ高く売りたい」
という2つの意図・思惑があることです。
つまり、実際の交渉においては、
・きちんと買う意思があることを言葉や姿勢で見せる
・店側が損するほどの非常識な値引きを求めない
ことが大切と言えます。
そして、交渉するに当たっては、対象の商品が処分される理由を把握しておくことも大切です。たとて、理由がよく分からなくても推測だけでもしておきましょう。
商品を処分する理由には、在庫処分、展示期間超過、モデルチェンジなど色々あります。
理由を把握すれば、どれだけ早く処分したいのか、どのように展示されてきたのかなどなど、交渉に少しでも役立つ情報が得られます。要は、交渉に工夫の余地ができるんですね。
それでは、具体的な交渉の仕方についてです。
交渉の仕方は、既に値引きがされている商品も、値下げなどが一切されていない商品も、基本的には同じです。
まず、その商品の新品の状態を想像し、展示品をよく見て、新品との差異を考え把握します。
パッと見ただけでは気付かなくても、よく見れば、汚れや傷、色あせなどあるかも知れません。
そして、これら新品との差異や、劣化の程度を具体的に店員に示し、
「ここに汚れがあるからもう少し安くしてもらえませんか?」
「ここに傷があるから、この値段ではちょっと高いのではないですか?」
「少し色あせしていますから、新品と大差のない値段はおかしいのではないですか?」
のように交渉しましょう。
店側としても、悪い状態の商品を高く売ることは気が引けますから、具体的に悪い状態を示すことが重要です。
では、もし外観をよく見ても差異が分からなかったらどうでしょう。
その場合は、展示期間や展示状態を把握して、どの程度劣化しているかを推測しましょう。
そして同じように、
「この商品、〇ヶ月も展示されていたようですね。これでは新品と比べてけっこう劣化するのではないですか。もう少し安くして貰えませんか?」
「こういう展示の仕方をしたら、どうしても製品の状態は悪化しますよね。もう少し安く売るべきではないですか?」
のように交渉するのがよいでしょう。
ただ単に安くしてとだけ言うのでは説得力に欠けます。
商品の悪いところ(劣化状態)を指摘して、こちらの言い分に筋が通っていることを示して交渉することが大切です。さらっと、添えて言う感じだけでも全然違います。
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家電や家具は展示期間を念頭に交渉を
さて、処分品には衣類、日用品、生活雑貨品から家電や家具まで色々な商品がありますが、特に腰を据えて粘り強く交渉したいのが家電や家具といった商品です。
家電や家具などは、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、パソコンなど比較的、商品サイズの大きい物が多くあります。
また、もとの販売単価が高い傾向にあるため、ほんのわずかな割引だけでも大きな差になります。
そして、展示期間も一般の商品と比べて長いのも家電や家具の特長ですから、これを弁えて交渉するべきです。
家電の場合、ほとんどの製品には製造年月のラベルが貼付してあります。
もし、そのようなラベルが無くても、カタログなどを見れば、いつ頃販売開始されたかが分かりますので、展示期間を推察することは難しくありません。
家具の場合、製造年月のラベルが貼付された商品は一部だけですが、やはり、カタログなどを見れば、発売開始時期からおおよその展示期間は推察できます。
そして、これら製造年月や展示期間が交渉の大きなポイントになります。
家電も家具も、商品である以上、年月の経過と共に必ず劣化して行きます。いわゆる経年劣化です。
同時に、製品には実用的な使用可能な年数があります。いわゆる故障して使えなくなるまでの年数の相場です。
つまり、簡単に言えば展示されていた期間分だけ、使用できる期間も短くなります。
従って、単純な話をすれば、使用期間が短くなった分だけの値引きがされるのは当然と言えます。
そして、この道理に、汚れやキズ、もとの販売価格を考えて交渉するのです。
新品で10万円のテレビが現品処分となっていた場合の、交渉の一例をあげてみます。
「このモデルのテレビ、ラベルを見ると製造年月は約2年前のものですよね。
この種のテレビって実用的な使用年数ってせいぜい10年がいいところじゃないですか。
既に2年間経過しているってことは、最低でも2割は引いてくれないと理屈に合わないですよね。
しかも、ちょっと汚れやキズがこの辺りにあり事実上は中古品のようなものですから3割くらいは引いてくれないと割に合わないと思うんです。
価格は10万円って表示されていますが、ちょっと調べたところ新品の実売額の相場は8万円がいいところですよね。
8万円の3割引きで5万6千円くらいが妥当ではないですか。」
のような感じです。
もちろん、実際の交渉では、ここまで理論的である必要はありません。こういう理屈を念頭に入れた上で、自然な言葉で交渉するのがいいでしょう。
交渉に当たっては、商品が使用可能な平均的な年数や、実売価格の相場くらいは、おおよそでいいので把握しておきましょう。
交渉がこちらの希望通りにならないことも多いですが、筋の通った話は通じやすいものです。
希望の価格まで下がらなくても、相応の値引きができるだけでも交渉の価値はあります。
問題ない商品も値切ってみる
さて、対象となる展示商品が、新品と差が無い場合はどうでしょう。
見た目が同じで、どう見ても、どう考えても新品と何ら差が無い。そう思えたら交渉の余地はないなどと考えるかも知れません。
でも、やはり価格交渉(値切り)です。まず、ひとこと言ってみることです。(言うのはタダですから)
外観等の見た目で判断できない劣化等があるかも知れませんし、展示期間中に不特定多数の人が商品に触れている可能性があるのです。 全くの新品と同じ価値を有するかどうか疑わしいのです。
展示期間が短かったり、展示商品管理が行き届いていたり、値引き対象とするのが難しい商品だったりするとまず無理です。
しかし、店側が「倉庫品と同等に扱うのはちょっと無理がある」と認識しているものであれば、比較的容易に値引きして貰えます。
この場合、マナーとして必要以上に食い下がらないことです。
あまりしつこかったり、いたずらに迫ったりすればそれはただの嫌な客になってしまいます。
要は、まずは言ってみること、聞いてみることです。
そして、売る側も、買う側も、お互いが納得して気持ちよく買い物ができることが何より大事です。