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レンズ角度が意外と広いスマホ。デジタルズームは画質低下に注意。

スマートフォンなどについているカメラは、画素数も多くなって、また、あらゆる性能面でも従来のデジタルカメラをしのぐに到り、今やカメラ代わりにスマートフォンを利用する人も多いと思います。

オートフォーカス機能もあり、顔認識機能まで備えているのでピント合わせは簡単ですし、連写やズーム、画像補正なども可能で、アプリなどを利用すれば、更にその利用方法も幅が広がります。

そんな便利なスマートフォンのカメラですが、レンズ角度とデジタルズームの関係をしっかり認識していないと、思わぬ画質低下を招き、ボケたような写真になってしまいます。

見た目と実際が異なる

まず、最初に下の写真を見て下さい。実際の撮影対象シーンと、スマートフォンの画面に表示されるそのシーンのサイズに違いがあることが分かります。

実際のシーンとカメラがとらえる範囲は異なる(3m離れたところから)

このサイズはカメラが被写体をとらえる時に、どれくらいの角度に収まるか、また、被写体までの距離がどれくらいか、の2つの要素で決まりますが、一般的なスマートフォンではこの角度がけっこう広角になっていることから、被写体の広い範囲をとらえるようになっています

スマートフォンで何かを撮影しようとした時に、被写体全体を画面いっぱいに収まるようにするために、被写体にかなり近づいて撮影をせざるを得なかった経験は誰にもあるかと思います。

集合写真などではあまり問題にならないのですが、人物を一人だけ撮影しようとした場合などは、特にこのようなことになりやすいものです。

上記の写真では、被写体の植物から3メートルほど離れた位置から撮影していますが、対象の植物を大きく写そうとすると、もっと接近しなければならないことが分かると思います。

何故このように広角になっているかといえば、デジタルズームを使用する場合、撮影する範囲を狭めて調整するので、もとの角度が狭いと範囲をうまく調整することが出来なくなるからです。

換言すれば、光学的に捉えた範囲をデジタル処理して拡大することはできても、光学的に捉えていない範囲は元の情報がなくて処理しようがありません。従って、スマートフォンなどでは、予め広範囲を捉えられるような比較的、広角なレンズを組み込んでいるのです。

写る範囲は同じでも解像度は低下

さて、被写体を大きく捉えて撮影する時に、被写体に近づく代わりにズーム機能を用いて拡大させて撮影することも多いと思います。

しかし、この場合、撮影された写真は、気付く気付かない、目立つ目立たないに関わらず、近づいて撮影した場合に比べて、実質的な解像度が低下して、ボケたような写真になってしまいます

厳密にはボケとは違い、画素数が少ない写真を無理に大きく拡大したような写真になります。

デジタルズーム機能の原理を知らない人だと、無意識のうちに画質の低い写真を撮ってしまいますし、

また、たとえ原理を知っていたとしても、うかつにこの機能を使っていると、思いのほか低品質な写真になりかねません

そもそも、普通のカメラが持つ光学ズームと、スマートフォンなどで使われているデジタルズームとでは、根本的に原理が違います。

光学ズームは、レンズを調整することで入り込む被写体の情報を拡大して取り込むので、取り込んだ情報がそのまま受像素子で受け取られます。

これを実現するために、光学ズームの場合は、ズームレンズが奥行の長い形状となっています。

一方、デジタルズームの場合は、光学レンズの状態は一定なので、入り込む被写体の情報は同一となり、それを受像素子で受け取る情報も同じになります。

つまり、実際に取り込む被写体の情報はズームしてもしなくても同一で、取り込んだあとのデータに対して、補間と呼ばれるデジタルデータ処理をして、見かけ上の画素数を同じにするだけです。

これは元の情報量は変わらないことを意味していて、結果としては画素数が同じでも実質的な情報量は少なく、結果としてボケたような写真になるのです。

例えば、本来100万画素の写真だとして、縦横それぞれの長さが元の0.7倍の範囲を収めるようにズームした場合、0. 7×0. 7=0, 49≒0.5となって、実質的な画素数は50万画素ということになります。

補間処理技術はそれなりに優れているので、単なる50万画素の写真と比べた場合よりは、画質は良く見えるのが一般的ですが、あくまで元の情報は50万画素に相当するということで、最悪の場合は、50万画素と同等にもなると心得るべきでしょう。

辺の長さが、0.7倍になるように撮影範囲を変えただけで画素数が半分にもなってしまうと考えたら無視はできませんよね。しっかり、気に留めておきたいものです。

仮にズームを最大にすると、その影響はとても大きなものになりますので、特に注意すべきです。

ズームなしの場合

ズームを最大にした場合

上記の2つの写真は、ズームを用いない写真(上)と、ズームを最大にした写真(下)を比較したものです。

下の写真は、上の写真の左辺にある家屋をズームで拡大して撮影したものですが、上の写真の面積の約十数分の一に相当しますので、画素数は上下同じでも、実質的な情報量としては、十数分の一になってしまいます

画質維持の対策は

さて、デジタルズーム機能を使うと実質的な解像度が減り、画質が低下することが分かったかと思いますが、画質低下を防止する、抑制するためには何ができるでしょうか。

以下、デジタルズームに伴う画質低下に対する対策を考えてみます。

可能な限り接写

これは根本的な対策です。デジタルズームを使えば画質の劣化を招くわけですから、この機能を使わないようにすることが一番の対策です。

そのためには、被写体に近づくなど、被写体との距離を変えることで、写真に納まる範囲を調整します。要は、撮影者もしくは被写体が移動して距離を縮め、ちょうど良い距離になるようにして、ズーム機能そのものを使わないようにすることが一番の対策です。

ズーム率を考慮

しかしながら、撮影する環境や状況によっては、撮影者と被写体の距離が制限される場合があります。立ち入り禁止区域であったり、足場が悪かったり、光のかげんの都合であったり、色々な理由によって距離の調整が難しいケースは多々あります。

そんな場合は、ズーム率を考慮することが大切です。辺の長さを0.7倍にすれば実質的な画素数は半分、辺の長さを0.5倍にすれば実質的な画素数は四分の一になるわけですから、その度合いを考えながら、ズームする範囲と被写体との距離、カメラに収めようとする範囲を総合的に判断して、最もバランスが良いと思われるズーム率で撮影するのが良いでしょう。

被写体の写りが小さすぎるなどという場合も、カメラの縦横の向きを変えただけで、見栄えが全然変わることもありますので、縦横の向きを変えるのも1つの手段です。

他の条件を整える

ズームによる画質劣化が不可避だとしても、画質に影響する他の条件を良くすることで、結果としての画質劣化を、最低限に保つことができます。

特に照度やピントは、画質に直接影響する要因なので、これらの条件を最良の状態で撮影することを心掛ければ、ズームによる画質劣化は避けられなくても、写真そのものの質はある程度維持できます

照度を上げるために、少しでも明るい場所を探して撮影する、必要に応じてライトなどを使う、太陽の位置を意識して向きを変えるなどが有用です。

また、ピント合わせも、画面をタップしてフォーカスする対象を手動で合せるなどの工夫も出来るハズです。

撮影後の編集

どうしてもやむを得ない状況から、画質劣化が避けられない場合もあるかと思います。そんな時に便利なのが、画像編集アプリです。スマートフォンにアプリをインストールしても良いでしょうし、パソコンに取り込んで何かのソフトを使用するのも手です。

画像編集用のアプリ (ソフト)には色々なものがあり、見栄えを改善してくれるものが多くあります。

ズームなどで実質的な画素数が低下した場合は、エッジ強調フィルタなどが特に有用で、被写体にメリハリを付けてくれます。その他、さまざまな編集機能がありますから、利用できるものは何でも利用して、少しでも良い写真にするとよいでしょう。

必要ならデジカメを

最後に、どうしてもズームが必要だけど画質は絶対に落としたくないという場合ですが、このような用途には、やはりスマートフォンは使わず、光学ズームレンズを搭載した一般のデジタルカメラを使うべきでしょう。

スマートフォンは手軽であるから便利な反面、どうしても機能や性能が制限されてしまう面があるのは仕方のないことです。画質を絶対に落としたくないという用途ならば、しっかりと使い分けるべきでしょう。

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