買物の時、ポイントカードを持ってくるのを忘れてポイントを付けられなかったり、ポイントカードが見当たらなくて探したり、気付いたらポイントが失効して使えなかったり、などと言った、ポイントに関する経験は誰でもあるのではないでしょうか。
現代では、買い物でも何でも、ポイント制度を導入して、それこそ何かを販売している店舗であれば、ポイントカードを扱っていない店が珍しいくらいに、当たり前になっています。
しかし、ユーザの立場から見た場合、実際に有用なポイント制度になっているでしょうか。
考えさせられたキッカケ
今回、ポイント制度について考えるようになったのにはキッカケがありました。
以前、ある日の休日、家族で買い物に行って、レジカウンターに並んでいた時のこと、妻がカバンの中からポーチのようなものを取り出したので、化粧品用のポーチだと思った私は、「こんなところで何するんだろう?」と怪訝に思っていました。
すると、ポーチの中から妻が取り出したものは、無数のカードの束で、カードを一枚一枚めくって、その中からその店のポイントカードを探し始めたのでした。
「なんだ!このカードの束は!」と、カードの束の厚みに驚いた私が妻に確認すると、そのポーチは、ポイントカード専用のポーチで、頻繁に使う一部のポイントカードを除いて、全てのポイントカードを入れているとのことでした。
ポイントカードは無料で作れるので、買い物の度に色々な店舗で作っていたところ、気付いたらこれだけの枚数になったとのことでしたが、いつの間にこれほどのポイントカードが貯まったのだろうと思っては、何でもかんでもポイント制度を採り入れる現代の風潮に、少し違和感すら感じたものでした。
そして、実際にポイントを使うのは、比較的頻繁に利用する店舗がほとんどで、持っていてもポイントを使ったことがないカードが圧倒的に多いことに気付かされました。
実際に使えないようなポイントなら、ユーザにとっては意味がないではないかと思い、少し考えてみることになったのでした。
どこで無駄が起きる
ポイントカードが実際に有効に使えているかどうかは、そのポイントを使えているか、失効しているか、が判断基準になるかと思います。
つまり、ポイントを使えている理由もあれば、失効している理由もあるハズで、それらの理由を、いくつかの切り口でみてみます。
有効期限
一般に、ポイントには有効期限があって、ポイント制度によってその期限の定義はまちまちです。
ポイントを付与した日から○年以内とか、付与したポイントは翌年の年末末日までとか、最終利用日が一定期間なら過去のポイントは有効のままで失効しないとか、色々な違いがありますが、共通して言えることは、ほとんどのポイント制度では有効期限があるということです。
逆に言えば、有効期限のないポイントは、ほとんどありません。敢えてポイントに有効期限がないものを上げるとすれば、私が知る中では、セゾンカードの永久不滅ポイントくらいです。
従って、ごく一部を除くポイント制度では、期限というものが存在するので、一定間隔で店舗を利用するとか、一定期間内にポイントを使用するとかをしないと無駄になってしまいます。
簡単に言えば、ポイントに期限があることが無駄になる理由の1つといえます。
利用頻度
また、その店舗やサービスをどれくらいの頻度で利用しているかによって、ポイントがどれくらい付くかが変わってきます。
もし年に一度くらいしか利用しない店舗だと、ちょっと買い物したくらいでは、まとまったポイントはつきません。
それなりの利用頻度があってこそ、相応のポイントが貯まるわけですから、ほとんど貯まらないポイントであれば実質的には、あまり有効ではないかも知れません。一度に付与されるポイントが大きい場合は、そうではないでしょうが…。
日用品や食料品などは、地域の身近な店をよく利用しますので、その分ポイントが貯まりやすくなります。
逆に、店が遠方にあったり、日常あまり買うことのない商品を扱う店の場合は、貯まりにくくなります。
還元率
一般に付与されるポイントの相場は、購入価格の1%が多いようで、中にはそれより低い0.5%や0.8%といった還元率もありますし、比較的高いといわれる2%くらいの還元率もあります。
こういった還元率が、高ければ高いほどポイントが付きますから、その分だけ利用しやすくなりますし、逆に還元率が低ければ低いほど、利用しにくくなります。
また、還元率が固定でないものもあり、例えば商品によって還元率が異なる場合もありますし、ユーザの利用頻度によって還元率が変化するものもあります。
最近よく目にするのは、ユーザをランク分けして、利用実績に応じてランクアップし、上位のランクほど還元率があがるシステムです。
更に、ポイントを追加付与するサービスがあり、例えば「ポイント3倍デー」とか、来店ポイントとか、値引きの代わりにポイントを付与するとか、いろいろなサービスがあります。
これらは、ポイントを増やすチャンスにもなりますが、購買意欲を上げようとする店舗側の戦略もありますから、へたに踊らされないことが大事ですね。
例えば、通常の還元率が1%の場合、「ポイント10倍サービス」と言っても還元率は10%にしか過ぎませんから、見方を変えれば、ただの一割引き相当ってことです。10倍に目が行って、大して必要の無い物を買ってしまう方が無駄ですね。
利用単位
貯めたポイントを何ポイント単位で利用できるかはとても重要です。500ポイント単位とか1000ポイント単位が多いと思いますが、このような場合は、有効期限内にそこまで貯まらないと、結局無駄になるだけなんですね。
1ポイント単位で使えるところも最近は多くなってきた気がしますが、無駄になりにくくて、いいですね。こういう場合は、へたに貯めるよりも、店を利用するたびに、ポイントを使った方がいいと思います。気付いたら失効していた、なんてことになりかねないですからね。
注意したいのが、取得したポイントをいつから使えるかですが、通常は次回利用時からになり、店によっては当日の次の買い物から利用できるところもありますし、翌日以降でなければ利用できない場合もあります。
やっとのことで利用可能な1000ポイントに達したところ、直ぐには使えなかったことから、過去のポイントが失効してしまって、結局、利用できない状態になった、なんて経験がある方もいるのではないでしょうか。
ポイントは、ポイント数が少なくても、利用できるうちに使った方がいいってことですね。
提携の有無
特定の店舗でしか使えないポイントカードは、なかなかポイントが貯まりません。
しかし、グループ店舗や関連企業で共通の場合は貯まりやすいですし、Tカードなど、違う法人でありながら、提携していることで利用範囲が広い場合は、ポイントも貯めやすくなります。
従って、ごく限られた店舗でしか通用しないポイントカードは、リピーターや得意客、地元のユーザくらいにしか有用ではないでしょう。
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頭に入れておきたいこと
以上、ポイントを有効に使えるかどうかを、いくつかの切り口で見てみました。うまく利用できているかどうかは、ここであげた複数の切り口(要素)が相互に影響していますが、これらを総括して、まとめてみると、下記のことが大事ではないでしょうか。
・ポイントは理由がない限り、使える時に使う
・ポイントに踊らされて、衝動買いをしない
・明らかに有用でないポイントカードは最初から作らない
うまく利用すれば役立つポイントカードですから、その傾向をよくつかんで、少しでも有効に使いたいものですね。
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