【実用文の書き方】第5回~箇条書きは意味のある順番で記述する

「実用文の書き方」についての5回目の掲載です。

今回は、「箇条書きは意味のある順番で記述する」をテーマに取り上げます。

箇条書きは、分かりやすい

実用文に限らず、文書に箇条書きを用いると、読み手はとても分かりやすくなります。

実用文では、分かりやすさが重要視されますので、箇条書きはとても有用な記述方法と言えます。

箇条書きは、項目を分けて並記するため、項目数はもちろんのこと、個々の項目の内容も理解しやすくなります。

簡単な例を挙げてみましょう。

(例文)

個人ができる感染対策として、手洗い・手指消毒、マスクの着用、三密の回避、健康チェックが大切です。

(箇条書き)

個人ができる感染対策として、下記が大切です。

・手洗い・手指消毒
・マスクの着用
・三密の回避
・健康チェック

この例では、文が短いため、わざわざ箇条書きにしなくても特に問題はありません。

しかし、箇条書きにすることで、元の文よりも更に分かりやすくなることがよく分かると思います。

単なる文章で記述するのと、箇条書きで表現するのとでは、理解しやすさが全然違うのです。

実用文では、箇条書きを上手く利用して、分かりやすくまとめるように心掛けましょう。

実用文では、箇条書きの順番も重要

分かりやすい文書にするために、箇条書きが便利なことは分かって頂けたと思います。

では、箇条書きにでは、記述する順番は気にしなくていいのでしょうか。

答えはノーです。

実用文では、箇条書きの順番、つまり並記する順序はとても重要なのです。

もし、無秩序に項目を並び記すと、文書としての完成度が落ちるだけでなく、時には分かりにくく、誤解につながることすらあります。

例えば、協賛企業を列挙する時に、ランダムな順番で記述したとします。

すると、一番最初に記述してある企業に「便宜を図った」、或いは「優位に扱った」などと見られてしまう恐れが生じます。

この場合、きちんと「あいうえお順」に記述しておけば、全ての企業を公平に扱っていると判断され、無用な誤解を避けることができます。

実用文で箇条書きをする場合は、記述する順番についてもしっかりと考えて書く必要があるのです。

記述する順番にはどんなパターンがあるのか

さて、記述する順序の大切さを理解して頂けたと思いますが、具体的な記述順序にはどのようなパターンがあるでしょう。

細かく挙げればキリがありませんが、最もよく使われるパターンを列挙してみます。

(1)あいうえお順(ABC順)
(2)時間順
(3)空間順
(4)重要度順
(5)規則による順
(6)順位に基づく順
(7)好きな順

ここで挙げた7点について、簡単に説明します。

(1)あいうえお順(ABC順)は、文字通り、対象を平仮名読みした場合の「あいうえお順」です。対象が英語の場合はABC順になります。

(2)時間順は、時間的に古い物事から新しい物事への順番、つまり過去から未来への時間の流れの順番になります。特殊なケースでは、未来から過去へ向かう順になる場合もあります。

(3)空間順は、対象が存在する空間において、上から下などの順番を意味します。

(4)重要度順は、重要さが大きい物からの順番で、最重要な項目が一番先にきて次第に重要性が低くなり、最後が最も重要度の低い項目になります。

(5)規則による順は、ある種の規則性に基づく順番です。

(6)順位に基づく順は、何かを比較した場合の順位が列挙する順番になります。

(7)好きな順は、筆者が何らかの意図を持たせたい場合などに好んで決める順番です。

いずれの順番が望ましいかは、書類やその内容によって変わりますが、どのような順番であれ、文書の意図を考えて適切な順番で列挙することが大切です。

どのような場合にどのような順で列挙すべきか

では、上記に挙げた順番をどのように使い分けるか、一つずつ説明します。

(1)あいうえお順(ABC順)

これは、列挙対象が全て対等な場合の並べ方です。

特に、対象を区別したくない場合や、誤解や差別などを回避したい場合に有用です。

結果として、とても自然な並記となりますので、あらゆるケースで使える万能な方法でもあります。

並記する順番に迷った場合は、あいうえお順にするのが無難と言えます。

(2)時間順

これは、時間的な順番が重要な場合の並記方法です。

具体的な用例としては、取扱説明書において順に操作する場合の手順を記述する場合や、報告書において経過や経緯を説明する時に便利です。

また、沿革や歴史、変遷、履歴などを記述する際は、必然的に時間順となります。

この並記では、個々の項目が時間的な概念を持ち、時間の流れによって変化するのが特徴です。

但し、時間的な概念があっても、時間的な変化が重要とならない場合は、他の順番が適していることもあります。

(3)空間順

これは、空間的な位置が重要な場合の並記方法です。

例えば、リモコンにあるボタンの機能を説明をする時に、上部にあるボタンから下部にあるボタンに向かって順番に列挙すると分かりやすくなります。

リモコンのボタン配置が視覚的にハッキリしているからです。

また、日本にある城跡を記述する時に、北海道、東北、関東…のように、北から地域(空間)別に記述すると自然で分かりやすくなります。

これは、読み手が日本列島を思い描きながら読むからです。

空間的な場所や位置をイメージしやすい場合に、空間順が馴染みやすいのです。

(4)重要度順

これは、全ての項目を重要度の高い順番に並べる記述方法です。

その文で強調したい順と言えるかも知れません。

例えば、提案書でいくつかの改善案を並記する時に、改善効果が高いとされる案から順番に記述します。

また、調査報告書に記載する故障原因を列挙する時に、原因として大きい要因から順に記します。

前者の例では、「改善効果の度合い」が大きいほど重要度が高いと判断でき、後者の例では、「故障要因の度合い」が大きいほど重要度が高いと判断できますので、実際の並記順は、重視する要因(効果の度合い、要因の度合い等)によって変わってきます。

重要度は書類の目的によって判断すべきですから、実際の順番は状況によって変わります。

重要度は、例に挙げた効果や要因に限らず、コストや所要時間、実現性、利便性、即効性、持続性、影響度、期待値、生産性、優先度など無数あります。

作成しようとする文書の意図を念頭に、何が最も重要かを判断した上で、並記するようにしましょう。

(5)規則による順

これは、ある種の規則に基づいた順に記述する方法です。

例えば、元素を元素番号順に記述する、社員名簿を社員番号順に並記する、地名を郵便番号順に並べるなどです。

この列挙方法では、「元素番号」、「社員番号」、「郵便番号」のように、どこかで定められた規則に従った順になります。

受付番号、年齢、国番号、コード番号、会員番号、シリアル番号、市外局番、背番号、登録番号…。

世の中には一定の規則・ルールで番号が定められている場合が多くありますが、これに従って記述するのがこの方法です。

(6)順位に基づく順

これは、何らかの順位に基づいた順番です。

例えば、述べる対象が人口であれば人口の多い順番、農産物について論じるのであれば収穫高の多い順番、話題が予算配分であれば、金額の順番などです。

大きさ、重さ、多さ、速さ、熱さなど何の順位になるかは様々ですが、いずれも何らかの物理量で表せる場合がほどんどです。

何の順位で並べるかは、文書で述べる話題によりますが、対象を数値で表すことができ、比較・検討、分析などをまとめる書類では特に便利な並記方法と言えます。

(7)好きな順

これは、既に述べましたが、筆者が何らかの意図を持たせたい場合などに好んで決める順番です。

何も考えずに、いい加減な順番で並記するのとは意味が違いますので注意しましょう。

この記述方法は、例えば、提案書にて複数の改善案を列挙する際に強く主張したい項目の順に書くとか、業務報告書で成果を記載する時にアピールしたい事柄から順番に記述する場合に有用です。

この記述方法をすると、客観的な趣は小さくなり主観的な意味が強くなりますので、事実だけを記載すべき書類などには不適切です。

文書の意図や目的をよく考えた上で書きましょう。

箇条書きでは末尾を整えることも重要

最後になりますが、箇条書きする場合は、末尾を整えることも重要です。

この記事の始めに挙げた箇条書きの例文を改めて示します。

個人ができる感染対策として、下記が大切です。

・手洗い・手指消毒
・マスクの着用
・三密の回避
・健康チェック

もし、これが下記のような記述であったらどうでしょうか。

個人ができる感染対策として、下記が大切です。

・手洗い・手指消毒をする
・マスクの着用
・三密を回避する
・健康チェック

違和感を感じた方は、感覚が優れていますね。

元の例文では、末尾は全て体言(名詞)となっていますので、全体の調和が取れています。

これに対して、記述を変えた箇条書きでは、体言と用言(~する)が交じっているため、全体が整っていないことが分かります。

箇条書きでは、並記する項目の全ての末尾を整えることも重要なのです。

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