【実用文の書き方】第6回~プラスアルファの工夫で分かりやすく仕上げる

「実用文の書き方」についての6回目の掲載です。

今回は、「プラスアルファの工夫で分かりやすく仕上げる」をテーマに取り上げます。

実用文は分かりやすさが肝心

実用文では、読みやすくて分かりやすいことが何より肝心です。

そのためには、

  • 読みやすい言葉を選ぶ
  • 分かりやすい表現にする
  • 誤読しにくい言い回しにする

など、気を付けるポイントが多々あります。

しかし、書き方のテクニックを向上させることは一朝一夕では無理です。

そこで役立つのが、ちょっと工夫を加えて、文書を分かりやすくする手段です。

例えば、作成中の文書に少し追記したり、文字以外の情報を加えたりすることは、それほど難しくなく作業も多くありません。

その割に、全体としての完成度が上がり、読みやすくて分かりやすい書類に仕上げることができます。

ここでは、そんな誰でもできる簡単な工夫を紹介します。

便利なテクニックとして大いに活用して下さい。

プラスアルファの工夫

ここで説明するプラスアルファの工夫は色々あります。

以下、項目に分けて説明します。

表やグラフを付ける

まず、表やグラフを付ける方法です。

文書中で複数の項目について記述する場合、箇条書きにすると分かりやすくなります。

しかし、記述する項目によっては、表を用いた方が更に見やすく分かりやすくなる場合が少なくありません。

例を見てみましょう。

  • ランチ定食…800円
  • カレーライス…750円
  • ラーメン…600円

メニューと値段を列挙しましたが、これを表にしてみます。

メニュー 値段
ランチ定食 800円
カレーライス 750円
ラーメン 600円

簡単な例なので、分かりやすさに大きな差はありませんが、それでも見やすさにはだいぶ違いがあります。

箇条書きが単なる「文のかたまり」として見えるのに対して、表の場合は「図形的な表現」となるので、視覚的な印象が全然違うのです。

何かを列挙する場合は、「表にしたらどうか」を一考する習慣をつけるといいかも知れませんね。

また、グラフについても同様です。

特に、表に何かの数値を含み、何らかの比較や変化を明瞭に示したい場合は有用です。

数値を文字で説明する場合、読み手は数値の大きさを頭で考えながら読まなければなりません。

しかし、グラフがあれば、直観的に数値の比較や変化が分かるので、読み手は理解しやすいのです。

文書中で数値を使う場合、「グラフにあらわせないか」を検討してみるクセを付けるといいでしょう。

表やグラフは、文を書くテクニックがなくても、書類に追加するだけで格段に分かりやすくできる便利な方法です。

上手に活用して行きたいものです。

図や絵、写真を添える

次は、図や絵、写真を添える方法です。

上記で、表やグラフが役立つことを述べましたが、図や絵、写真を添える方法も便利です。

人間は、目からの情報は全て視覚的に捉えますが、文章の場合、文字を通して内容を解釈する必要があるため、理解までに時間を要します。

ところが、図や絵などがあると、文字の理解が不要であるだけでなく、そこに描かれたままの状態を直ぐに認識できるため、手っ取り早く情報を吸収できるのです。

特に、写真の場合、どんな細かな説明を受けるよりも、パッと見た方がよほど分かりやすい場合も少なくありません。

例をあげましょう。

私の書いた「目の高さは頭の中央であって上部ではない。人生、数十年にして初めて認識。」という記事の中で、「人間の目は頭の上部ではなく中央に位置している」ことを話題に挙げたことがありますが、この説明だけで直ぐに意味が分かるでしょうか。

むしろ、「何をいってるの?」と思う人の方が多いかも知れません。

ところが、下記のような簡単な絵が描かれていれば、格段に理解しやすくなることが分かると思います。

図や絵、写真などは、それだけで読み手に分かりやすい情報を与えることができるのです。

表やグラフと同様、図や絵を挿入できないかを常に頭に入れておきましょう。

言葉や句、文を装飾する

さて次は、言葉や句、文を装飾する方法です。

文書の中で特に強調したいことや主張したいことなどは、上手く表現しないと、読み手になかなか伝わらない場合があります。

換言すれば、訴えたいことを上手く表現するには、それなりの文書テクニックが求められる訳です。

ところが、たとえ文書の完成度が高くなくても、強調したい語句を装飾すれば相手に強く伝えることができます。

身近にある文書の中にも、アンダーラインや太字を用いたり、書体を変える記述方法をよく目にしますが、これらと同じ方法を用いれば十分です。

書類によっては、部分的に文字サイズを大きくする方法もあります。

もし、カラー印刷が可能であれば、文字に色を付ける手段も有用でしょう。

場合によっては、括弧で囲ってみるのも1つの方法です。

言葉や句、文を装飾する方法は、文そのものを変える必要がありませんので、とても簡単です。

強調したいこと、主張したい点、訴えたい考えなどがある場合、ぜひ使ってみましょう

但し、あまり多用すると、強調したい部分がボヤケテしまうので注意が必要です。

引例や比喩表現を活用する

次は、引例や比喩表現を活用する方法についてです。

作成している文書を読み返した時に、「ここの内容は分かりにくい」と感じる場合があると思います。

きちんと書いたつもりでも、

どうも読みにくいし分かりにくい。どうしても歯切れが悪い。

そんな部分が残ってしまうものです。

そのような時に便利なのが、例をあげたり、比喩で表現したりする方法です。

あなたも人から説明を受けていた時に、例をあげてくれたことで理解できるようになった経験はないでしょうか。

語学の文法がよく分からなかった時に、例文と共に説明された途端、直ぐに理解できたこともあるかも知れません。

また、本を読んでいてシックリこない時に、比喩表現があって理解を深められた経験もあるかも知れません。

例をあげたり、比喩で表現したりする手段はそれだけ役立つのです。

作成中の文書に、「ちょっと説明が不足かなぁ」と感じる部分があれば、ぜひ引例や比喩表現を加筆してみましょう。

章、節、項、段落分けを最適化する

次は、章、節、項、段落分けを最適化する方法です。

実用文の多くは、章、節、項などに分けられています。

また、文が集まり段落を形成し、その段落がいくつも集まって最終的な1つの文書となります。

書類によって構成は異なりますが、書き始めに文書構成を思い描いて書き下して行くのが一般的です。

ところが、文書の作成過程では、加筆や修正、変更などが繰り返されるため、当初、思い描いていた構成では、不自然になることが多々あります。

そんな時、章、節、項の構成を再考してみたり、段落の切れ目を再検討してみたりすると、完成度が上がるものです。

時には、章を入れ替えるとか、節をいくつも追加する、項を削除するなど、思い切った変更が有効な場合もあります。

文章のまとまり感が感じられない場合、章、節、項、段落分けの最適化を図ってみましょう。

注釈、引用を利用する

最後に、注釈、引用を利用する方法です。

作成する書類に専門的な言葉が出てくる場合や、あまり馴染みのない語句を使っている場合、読み手は理解しづらくなります。

たった1つの言葉の意味が分からないことで、文書全体の理解が損なわれることもあります。

そんな時には、その言葉や語句について、注釈を加えたり引用を利用したりする方法が役立ちます。

もし、一部の人だけがその言葉を知らないケースなら、本文とは別枠で注釈を添えるのがいいでしょう。

その理由は、知らない人だけが、注釈部分を読めば済むからです。

一方、ほとんどの読者がその言葉や語句を知らないケースでは、本文中に説明文を引用する方法が適しています。

実用文で分かりにくい言葉や語句を用いるような場合は、注釈、引用を利用するなどの手段で、きちんと解説をつけるようにしましょう。

<補足>上手に活用できるように記号の意味を解説

以上、ちょっとしたテクニックだけで、実用文を分かりやすく方法を説明してきました。

どんな文書にも応用できますので、ぜひ役立てて下さい。

最後に、補足として文書でよく用いる記号を説明しておきます。

上記で説明した、注釈や強調、引用や追加説明の際にも使えますので、しっかりと記号の意味を押さえておきましょう。

:(コロン):対となる語句の中間や、引用句、説明句の直前に用いる
;(セミコロン):句点と読点の中間的な意味合いがあり、文を区切るために用いる
/(スラッシュ):文や語句を区切るために用いる(または、あるいはの意味も持つ)
―(ダッシュ):語句同士の中間に入れて、その構文の中断、転換、省略の意で用いる
・(中黒・なかぐろ):語句、特に単語の区切りとして、並列の意で用いる
※(米印・こめじるし):目印として語句に付け、注釈や注記に用いる
*(アスタリスク):目印として語句に付け、注釈や注記に用いる
…(三点リーダー):語句を省略するために用いる
縲怐i波ダッシュ):範囲、サブタイトル、省略、長音の意味で用いる(代わりに~(チルダ)が使われることが多い)

また、対で使う括弧類には下記があります。

上記の記号とあわせて、しっかり覚えておきましょう。

()=丸括弧(まるかっこ)・パーレン:直前の語句の説明、補足、注釈、読み方を表す時に用いる
〔〕=亀甲括弧(きっこうかっこ):引用を補足する場合や、語句を強調する場合に用いる
{}=波括弧(なみかっこ)・ブレース:見出しや強調に用いる(使用頻度は低い)
[]=角括弧(かくかっこ)・ブラケット:引用を補足する場合や、語句を強調する場合に用いる
〈〉=山括弧(やまかっこ):小見出しやサブタイトル、強調に用いる
《》=二重山括弧(にじゅうやまかっこ):一般に強調に使い、小見出しなどにも用いる
【】=墨付き括弧(すみつきかっこ):強調や見出し、タイトルなどに目立たせる意で用いる
「」=鉤括弧(かぎかっこ):会話表現や引用、語句の強調や注釈に用いる
『』=二重鉤括弧(にじゅうかぎかっこ):会話中で別な会話を表現する場合や、強調、タイトルに用いる
‘’=一重引用符(いちじゅういんようふ):2つの符号で囲い、会話や引用、見出し、定義、明記に用いる
“”=二重引用符(にじゅういんようふ):2つの符号で囲い、会話や引用、見出し、定義、明記に用いる

なお、アポストロフィ(’)やハイフン(‐)は、専ら英文などで用いる符号で、セクション(§)やパラグラフ(¶)は論文など限られた文書で使う記号ですから、ここでは省略しています。

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