【実用文の書き方】第7回~文字や語句は自然な表現を心掛けて読みやすくする

実用文の書き方」についての7回目の掲載です。

今回は、「文字や語句は自然な表現を心掛けて読みやすくする」をテーマに取り上げます。

自然に表現した文書は読みやすい

実用文では、読みやすいことが、そのまま分かりやすさにつながります。

そして、読みやすさの基本が、”自然に表現した文書”です。

文章を書いていると、ともするれば凝った言い回しやシャレた表現を考えがちですが、これでは却って読みにくくなります。

実用文では、自然に表現することを心掛けましょう。

以下、実際にありがちなパターンを中心に説明していきます。

硬い表現は避ける

一般に、硬い表現は読みにくく、柔らかい表現ほど読みやすくなります。

例えば、「即刻」(そっこく)と記述すると、どことなく語彙力があって高度な文だと感じるかも知れません。

しかし、読み手にとっては少し表現が硬く、多少と言えども分かりにくさがあります。

「即刻」の代わりに、「直ちに」のようなシンプルな言葉にすれば、もっと読みやすくなります。

これと同じように、「反復する」よりも「繰り返す」、「存在する」よりも「ある」を用いるなど、硬い表現は避ける方が望ましいケースはたくさんあります

そして、結構ありがちなケースは、「~が可能である」とか「要注意だ」などの表現です。

これらは、それぞれ「~ができる」や「注意すべきだ」などのシンプルな表現の方が分かりやすいのです。

実用文を書く時は、読みにくい硬い表現は避けて、なるべく柔らかく自然な表現にしましょう。

意味が重複する表現はしない

さて、かなり昔の話ですが、「頭痛が痛い」という言い回しが流行った時期がありました。

これは、あるお笑い芸人が故意に不適切な表現をして”受け”を狙った流行語ですが、明らかに日本語として不適切です。

「頭痛」は本来「痛い」意味を含んでいますから、「頭痛が痛い」は不適切で、本来は「頭痛がする」や「頭が痛い」などと表現すべきです。

意味が重複している「頭痛が痛い」などの表現は読みにくく、「頭が痛い」のような自然な表現は読みやすいのです。

この例のように「頭痛が痛い」は、日本語として不自然かつ不適切な表現であることがよく分かると思いますが、実用文などでもこの類の誤りは意外と多く見かけます。

いくつか例を挙げてみましょう。

  • まだ未完成である
  • およそ100人くらい
  • 従来から…
  • 青い色の洋服
  • 前途の見通しは…

上記は、何気なく読んだだけでは不自然に感じないかも知れません。

しかし、いずれも意味が重複する表現になっています。

1つ1つ見て行きましょう。

・まだ未完成である
「まだ」と「未」は同じ意味ですから、単に「未完成である」、或いは「まだ完成していない」が適切な表現です。

・およそ100人くらい
「およそ」と「くらい」は同じような意味ですから、「およそ100人」、又は「100人くらい」がいいでしょう。

・従来から…
「従来」には「から」という意味合いが含まれていますから、単に「従来…」とすべきです。

・青い色の洋服
「青い」と言えば、自ずと「色」のことを意味しますから、「青い洋服」が自然です。

・前途の見通しは…
「前途」は、「見通し」の意味を含みますから、「今後の見通しは…」などがよいでしょう。

意味が重複する表現は言葉として不適切なだけでなく、読みにくくなる要因となります。

実用文では、意味が重複しない読みやすい表現を心掛けましょう。

漢字と仮名をうまく使い分ける

日本語の場合、文書に使う文字は主に漢字と仮名ですが、漢字と仮名を適切に選ぶことが大切です。

もし、漢字で表現できるからと言って、全てを漢字で記述してしまうと単に読みにくくなるだけでなく、実用文として成り立ちません。

漢字が望ましい言葉もあれば、仮名が相応しい言葉もあるのです。

例えば、「ありがとう」を「有難う」と表現しても意味は通じますが、どこか違和感を覚えると思います。

他にも、

「ございます」を「御座います」
「こんにちは」を「今日は」
「失礼いたします」を「失礼致します」
「できる」を「出来る」

と記載するのも同様です。

決して読めなくはないのですが、どこか変な感じがすると思います。

漢字にすべきか仮名にすべきか、漢字が望ましいか仮名が望ましいかは、慣例的に決まっていることが多く、実用文ではその慣例に従うことが大切です。

ここで、一般に漢字を使わない方がよい言葉をいくつか挙げてみましょう。

かつ(且つ)
ただし(但し)
したがって(従って)
まず(先ず)
ちょうど(丁度)
あらかじめ(予め)
たとえ(例え)
ところが(処が)
また(又)
しかし(然し)
もちろん(勿論)
いわゆる(所謂)
しばらく(暫く)
いかなる(如何なる)
いずれ(何れ)
やはり(矢張り)
よほど(余程)

このように、漢字で記述できるけれども、仮名の方が相応しい言葉はいくつもあります。

では、上記とは反対に漢字を使った方がよい言葉を挙げてみます。

及び(および)
恐らく(おそらく)
必ず(かならず)
極めて(きわめて)
更に(さらに)
既に(すでに)
特に(とくに)
再び(ふたたび)
果たして(はたして)
特に(とくに)
絶えず(たえず)
常に(つねに)
又は(または)
例えば(たとえば)

上記のように、仮名で記述できるものの、漢字の方が相応しい言葉はいくつもあります。

漢字と仮名の使い分けは細かなことですが、読みやすさに直結します。

漢字と仮名を適切に使い分け、自然な文書になるように心掛けましょう

ちなみに、「又、…」よりも「また、…」が望ましいのですが、
「または、…」の場合は「又は、…」の方が相応しいと言えます。

同様に、「例え、…」よりも「たとえ、…」が望ましいのですが、
「たとえば、…」の場合は「例えば、…」の方が適切と言えます。

いずれにせよ、自然な言葉・文字を心掛けて、読みやすく分かりやすい文書に仕上げましょう。

実用文の書き方のまとめ

以上、7回に渡って「実用文の書き方」について連載して来ました。

実用文を書く上で、大いに参考にして欲しいと思います。

今まで連載してきた内容の多くは、あくまで原則です。

絶対にそうすべき」ものではありませんが、基本的な書き方をマスターすれば、ライティングのテクニックは必ず上がります。

ぜひ、ここに記述したノウハウを活かして下さい。

ところで、いざ文書を書き進めていくと、ここに記載したようには書けないものです。

事実、私が書いてきた文書においても、まだまだ改善すべき個所が無数あります。

それだけ、文書の書き方は奥が深いのですね。

だから、文書を作成する上では、読み返しては改善を繰り返すといった作業がとても重要です。

不可欠とも言えるでしょう。

何度も読み返して修正して行けば、文書の完成度は徐々に上がって行きます。

そして、読み返す時のポイントは読者視点です。

読み手が読んだ場合にどうか?」という視点で見直すのです。

その際、”執筆者が読み手ではないことの自覚”が大切ですね。

そして、具体的に

読み手が期待する内容・文章になっているのか
読者が読みづらいところ、理解しにくい部分はないか
読んだ人はどのように感じるか

などを考えながら読み返しましょう。

文書を書くテクニックは鍛えれば誰でも向上します。

一朝一夕で磨けるテクニックではありませんから、地道に繰り返して行きたいものです。

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