何度も中国を訪れたことがある私は、現地でさまざまな経験をしてきました。
その中で特に印象に残っていることのひとつに、買い物では値切るのが当たり前ということがあります。
実際に現地で体験したこと、見たこと、感じたことをそのまま記します。
値切るのが当たり前
中国に行ったことがある方なら分かると思いますが、買い物をする場合、値切って買うのが当たり前になっています。
もちろん、日本でも買い物をする場合に値切ることはよくあることです。
特に、家電製品を買う場合や自動車を購入する場合(これは商談ともいいますが…)などには、価格が比較的高いだけあって、大抵の人は値切り交渉をするかと思います。
しかし、中国の場合は日本とは異なり、一部の商品やお店だけでは無く、多くのお店や商品において、値切って買うのが当たり前の習慣があります。
従って、通常は買う側も売る側も値切ることについては弁えていて、双方の駆け引きが必ずあります。
実際に中国人が普通に買い物をする時には、誰しも必ず値切ってから購入しますから、そういった姿を私も当たり前のように見て来ました。
もし何も知らない日本人が、店頭に表示された価格のまま購入してしまうと、大きな損をしてしまうこともありますので、値切りの基本だけは押さえておきたいものです。
店頭表示価格は値切って買うことが前提となっているため、けっこう高めに設定されていることが多いのです。
実際に「100元と表示された商品が、値切り交渉を続けた結果、最終的には10元になった」というような場面も頻繁にありました。
何も知らないで店頭価格のまま購入することが如何にバカらしいかが、よく分かると思います。
値切れない場合もある
とは言っても、全く値切りの対象外となる店や商品も存在します。
これは日本でも同じですが、例えばデパートなどでは一切値引きはしないといって良いでしょう。
また、価格がきちんと決められているチェーン店のコンビニやスーパー、一般のレストランなどでも値引きはしません。
当然ですが、金券にあたる商品についても値引きはしません。
しかし、街中に連なる通常のお土産店や、現地の人が日常で使う市場、生活用品を購入するような個人経営のお店などでは値引きは当たり前です。
まずは値切る
慣れない日本人が買い物をする場合、どのような場合に値切れ、どのような場合に値切れないかなどはよく分からないでしょう。
ですから、値切るうまい方法を考えることよりも、まずはとにかく値切ってみることが何より大切です。
最初は
「値引けない」
などと言ってくる場合もありますが、粘り強く交渉すれば値引いてくれる場合も多くあります。
とにかく交渉してみることです。
そして、大幅に値引いてくれたからと言って、直ぐに購入しないことが大切です。
上記の例のように表示価格100元が10元で買えるケースも珍しくありませんから、
「もっと値引いて」
と言って、粘り強く交渉してみましょう。
現地でよく行動を共にしていた中国人は、更なる値引きを要求して断られた途端、立腹して直ぐに店を立ち去る行動を頻繁に取っていました。
そうするといつも、
「お待ちください。○○元までまけるから、買って行って下さい」
と店員に呼び止められ、結果としてかなり安く買うことができていました。
これは、商品の相場の価格を把握して、店員の心理を把握して、わざと立ち去る素振りを見せつけることで、値引きしたい額まで交渉するテクニックの1つなのですね。
さすがに、値切り慣れている人は強いなぁと感じ、
「値切り交渉、とてもうまいですね」
とその中国人に語ると、
「私なんてまだまだです。私の母の方が格段に上手です」
と言っていました。
その文化に慣れている人は、さすがに凄いものだと痛感しました。
日本人は舐められる
私もその人と同じ方法を何度も試してみましたが、ぜんぜんうまく行きませんでした。
その中国人がやると必ずうまく行くのですが、私が同じように試してみても、どうしてもうまく行かないのです。
私が値引き交渉に失敗して、その中国人に助けを求めると、値引きがうまく行くことが何回もあり、やはり値引き慣れしていると全然違うものだと感じました。
しかしその一方で、店側も相手が日本人などの外国人だと、舐めてかかる傾向があります。
よくあるケースが、少しだけ値引いて
「これ以上は、もう値引きはできない」
などと言って、少しでも高く売ろうとする姿ですね。
相場を知らない日本人だということで、足元を見て来るんです。
中国人が100元の表示価格を値引き交渉で、10元で買えるようなものでも、こと日本人だと90元、80元くらいを示して
「値引いたんだ」
と強調してくることでしょう。
そんな時は、やはり粘り強く値引き交渉することと、実際の商品の価値と値引き後の値段が見合わないと感じれば、思い切って買わない選択も取るべきでしょう。
あとは、日本人が国内でもやるような、
「2つ買うから1個○元にして」
とか、
「これを買うからあれをおまけして」
など、少しでも安くしてもらえるよう頑張ってみましょう。
あと、店頭に価格表示のないような商品もたくさんあって、店員は相手を見てから価格を決めるような場合もあります。
そんな場合に値段を聞くと、相手が日本人だと分かると、最初は故意に高めの値段を示してくる場合がありますから注意が必要です。
観光地などのお土産店などは特にその傾向が強いですから、特に意識しておきたいですね。
値切り方のポイントまとめ
では、最後に値切り方のポイントをまとめておきます。
大事なポイントは、
- どんな店でも、とにかく安くならないか聞いてみる。
- 値引かないと言ってきても、直ぐには引かず、繰り返し値引きを求める。
- 値引き額を提示して来ても、更に値引くことを求める。
- 提示して来た値引き額の妥当性は、商品の値打ちで判断する。(店頭表示価格に惑わされない)
- 提示してきた値引き額に納得できなければ、無理して買わない。(別な店も検討する)
- まとめ買いやなどを値引き交渉にうまく利用する。
などです。
最後は、経験やカンがものを言いますが、上記を弁えれば、少しでもいい値引き交渉ができるハズです。
ぜひ、挑戦してみて下さい。