先月末、私のスマートフォンに一通のメールが届きました。メールの内容は、「市内のある場所でクマの目撃情報があったので、注意するように」という趣旨でした。
このメールを読んで色々なことを感じ、様々な思いをめぐらしたのですが、最終的には「長野市はサファリパークだ!」という結論に到りました。
人が集まる場所にクマ
目撃情報を知るキッカケになったのは、長野市教育委員会が発信したメールの1つで、その地域に住む小さな児童を持つ保護者を対象に、一斉に配信されたものです。実際に受信したメールは下記の通りです。
このメールを見て驚いたのは、クマが目撃された場所が犀口公民館付近ということでした。
「公民館って多くの人が集まる場所だよなあ」と思った私の脳裏に浮かんで来たことは、何年も前に報道された、長野駅でクマが目撃されたニュースのことでした。
「駅で目撃されるくらいだから、公民館くらいで驚くべきではない」と、 自分に言い聞かせながら、気になった私は犀口公民館の場所を調べました。
すると、 何とその場所は、私の家から徒歩ならせいぜい数十分、直線距離なら数キロにも満たないようなところに位置していました。
その公民館が山間部の裾に近いのは事実ですが、私の生活空間とも言える場所なのです。 しかも、目撃された日の前夜には所用で外出していて、その公民館まで2km程度の場所を歩いていました。
と言うことは、何かのタイミングで時間と場所が少しずれていたら、自分自身がクマに遭遇していたかも知れないことになります。
これをひと言で言えば、長野市に居れば、 クマがどこに潜んでいるのかを知らないだけで、「いつ出くわすか分からない」と言えます。
目撃は多い
長野に引っ越したばかりの頃は、「イノシシ出現なんて大したことないですよ、怖いのは熊です。いえいえもっともっと怖いのは…」という記事にも書きましたが、クマやイノシシ、シカなどの目撃・出没情報などのメールが来れば、 とても驚いていました。
でも、 たびたびメールは来るので、今ではあまり驚かなくなりました。
また、子供を遊ばせるために公園に連れて行った時に 「熊出没注意」の看板を見て驚いたこと(子供が遊ぶ公園に「熊出没注意」の看板。この場所はいったい何なんだ!?参照)もありましたが、今ではこのような看板は、どこで見かけても不思議とは思わないような感覚になりました。
とは言え、 実際にクマってどれくら目撃されているのかと気になり、長野市の公式サイトを確認したところ、本年4月には8件、 同5月には38件、 同6月には24件の目撃・出没情報があることが分かりました。
実際の目撃・出没情報は、 戸隠などの山間部が圧倒的に多いのですが、市内という観点からすれば「日々目撃や出没が確認されているのだ」と改めて実感しました。
さて、2ヶ月ほど前ある人が、「数年前、仕事の帰りに野生のシカを見たことがあり驚いた」と言っていました。その人が見かけた場所は、市内でも割と市街地に位置するところでしたので、「本当にこんなことがあるのだ」と思ったものでした。
また先日、 小学生である私の子供が、「近所の駐車場でタヌキを見た」とも言っており、野生の動物が市内の色々な場所に実際にいるのだと痛感しました。
このように市内の至る所で、野生の動物は実際に現れていて、日々目撃されているのだと改めて実感しました。
長野市はサファリバーク
さて、長野市内の市街地から四方を見渡すと、360℃に渡って山が見えるため、「山に囲まれている」という感覚を抱きます。
従って、「山に囲まれた盆地にある街」って感じもするのですが、実際に市街地がある地域は、標高にして400m前後ですから、どちらかというと高原と言った方が適しているようです。(実際に長野盆地なんて言葉は聞いたことがありません)
以前「長野市の天気予報が当たりにくい3つの理由」と言う記事を書いた時、その理由の1つとして「山の天気だから変わりやすい」という要因をあげたことがありました。
これをもとに考えると、長野市は 「山に囲まれている」のではなく、「山の中にある」というのが正解でしょう。
結局のところ、長野市は野生動物が住みつく領域なのだと思わざるを得ません。まぁ、これを端的に表現すれば「長野市は全域がサファリパークだ」ということです。
だからこそ今回のようなメーールが飛び交う訳ですが、 メールで「注意して」と言われても、いったい何をどう注意すればいいのかと、ついつい思ってしまいました。
また、 今回の目撃時刻16時30 分からメール配信の時刻 19時頃までの、時間遅延はいったい何なのか、危機感がなさすぎるのではとも感じました。
そのような思いを抱きつつ、「これが長野なのだ」という思いを新たにしたところです。
以上、「長野市は全域サファリパークだ!」と感じた話でした。