長野市内のスーパー等には、オブセ牛乳と呼ばれる牛乳が販売されています。
これは長野市に隣接する、小布施町で製造されている牛乳ですが、とても美味しいので我が家でも頻繁に飲んでいます。
濃厚な味わいで、飲むと生乳の風味が口の中に広がって、自然な味わいが伝わってくる感じです。
子供達もこの牛乳が好きで、冷蔵庫に別な牛乳と並んで置いてあると、自然とオブセ牛乳の方を選ぼうとするくらい、味に差があるのです。
オブセ牛乳とは
パッケージは良くある普通の紙パックで、お値段は260円位で買えるのですが、長野市等の一部の地域でしか販売されていません。
なかなか飲む機会がないとは思いますが、長野方面にお越しの際には、本当に美味しいので、ぜひ一度飲んでみては如何でしょう。
成分無調整、生乳100%使用なのですが、農協などが大量に生産している製品と違って、小布施町にある有限会社が生産しているものなので、地域限定であると共に、数量も限られています。
特筆すべきは、販売段階で既に賞味期限が残り3~4日なので、ともすると、賞味期限が過ぎてしまうのですが、裏を返せば、期限が短いのは、自然の味をそのまま活かせている表れでもありましょう。
市販の牛乳の中では、絞りたての牛乳に最も近い製品の1つではないでしょうか。
以下、参考のために商品ラベルにある表示を記載しておきます。
種類別名称:牛乳
商 品 名:オブセ牛乳
無脂乳固形分:8.3%以上
乳 脂 肪 分:3.4%以上
原 材 料 名:生乳100%
殺 菌:80℃ 15分間
内 容 量:1000ml
製造地である小布施町は、栗菓子等で有名な観光地でもありますが、そこで観光客用に販売されている製品の中には、「オブセ牛乳使用」をうたったソフトクリームなんかがあり、それだけ名のある牛乳ということでしょう。
実際にそのソフトクリームを食べてみると、やはり生乳の濃厚な味わいが口に広がる感じで、とても美味しいです。
オブセ牛乳は、1000mlパックの他に、一飲みタイプの小さなパッケージも長野市内のスーパーなんかで売っていますので、機会があればこれを試飲すると良いでしょう。
写真のような青いパッケージが目印です。
この味に一度慣れてしまうと、もしかしたら他の牛乳を飲みたくなくなるかも知れません。
おいしさの秘密は殺菌方法
さて、これほど美味しいオブセ牛乳ですから、美味しさの秘密がある筈です。
今回、なぜ美味しいのか、その理由を探ってみました。
殺菌方法がカギ
結論を言えば、パッケージにも大きく書かれている「80℃ 15分間殺菌」が美味しさのカギと言えます。
製造元の公式サイトには、
80℃15分間殺菌へのこだわり
創業当時から「牛乳が一番おいしくなる殺菌方法」として、80℃15分間殺菌にこだわり製造しています。
じっくり丁寧に殺菌した牛乳は、コクはあるけどさらっとした飲み心地。
酪農家さんが大切に育てた牛さんから、毎日丁寧に絞られている生乳を、
オブセ牛乳では手間を惜しまず、時間をかけて殺菌しているため、
一日あたり少量しかできませんが、毎日真心をこめて牛乳をつくっています。
と書かれています。
創業以来、これにこだわって来たからこそ、オブセ牛乳の美味しさがあるのでしょう。
もちろん、生乳100%で成分が無調整なのも重要ですね。
殺菌方法として妥当なのかが少し気になりますが、実は殺菌方法については食品衛生法の乳及び乳製品の成分規格等に関する省令で決められています。
殺菌方法は、生乳を加熱によって殺菌しますが、詳しくは
一般社団法人日本乳業協会(https://www.nyukyou.jp/)
一般社団法人Jミルク(https://www.j-milk.jp/index.html)
などが公開しています。
具体的な加熱殺菌として、方式・温度・時間の違いによって下記の5つが定められています。
低温保持殺菌(LTLT) 保持式で63~65℃で30分間
連続式低温殺菌(LTLT) 連続的に65~68℃で30分以上
高温保持殺菌(HTLT) 保持式で75℃以上で15分以上
高温短時間殺菌(HTST) 連続的に72℃以上で15秒以上
超高温瞬間殺菌(UHT) 120~150 ℃ で2~3秒間
上記で、保持式はタンク内で一定温度を保持する方式、連続的は連続式と呼ばれ加熱プレート間を生乳を通過させる方式です。
オブセ牛乳の場合は、このうち「高温保持殺菌(HTLT) 保持式で75℃以上で15分以上」に該当しますので、食品衛生法で決められた殺菌方法に従っていると言えますね。
上記で、最も素早く処理でき殺菌作用が一番高いのが5番目の「超高温瞬間殺菌(UHT)」です(牛乳の90%はこの方法による)が、オブセ牛乳では敢えて3番目の方法を採用。
味と手間とのバランスとも言えますが、オブセ牛乳は、敢えて「80℃」と定めているところに事業者としての経験が表れています。
最も牛乳の美味しさを出せる温度。
それを突き詰めた結果が80℃と言えるでしょう。
ちなみに、上記の低温の殺菌方法でも人体に有害な菌は全て殺菌できるとのことです。
熱し方で味が変わる?!
ところで、「熱し方だけで、そんなに味が変わるものなのか?」そんな素朴な疑問も湧いてくると思います。
でも、よく考えてみましょう。
牛乳を温めて飲もうとして、結局すぐに飲まずに冷めてしまった。そんな経験は誰しもあると思います。
そして、冷めてしまった牛乳を飲んでみると、元の味とはだいぶ違う味わいだったハズです。
冷めた牛乳を再び温め直した場合も、最初に温めた場合とは、やはり違う味だと感じたことでしょう。
こんな経験をもとに考えると、熱することで味が変わることや、熱し方で味に違いが生ずることがよく分かりますね。
オブセ牛乳の美味しさの秘密は、まさに「こだわり続けた殺菌方法にある」と言えるでしょう。
地元では定評がありブランド力もある
さて、小規模とは言え、美味しさに定評があるオブセ牛乳ですから、地元ではけっこう親しまれています。
その結果、ブランド力もついてきていて、ロゴマークの入った様々な商品も生まれています。
マグカップなんかはその典型ですが、ブランド力があればこそです。
他にも、トートバック、ピンバッチ、Tシャツ、エプロンなど。
そして、美味しいと評判の牛乳ですから、オブセ牛乳を使用した、オブセ牛乳を商品名に関した色々な食べ物も登場しています。
例えば、オブセ牛乳ゴーフレット、オブセ牛乳焼きドーナツ、オブセ牛乳キャラメル、オブセ牛乳みるくもち、オブセ牛乳焼きブレッド、牛乳かんてん、オブセ牛乳みるくまんじゅう、オブセ牛乳チョコチップスコーンなどなど。
有限会社オブセ牛乳の自作だけでなく、コラボによる商品が多いんですね。
上記の商品は、オブセ牛乳を使って製造したものですから、オブセ牛乳の持つ味わいを感じることができます。
私もいくつか食べてみましたがひと味違う、こだわりから生まれた商品というイメージを持っています。
こういった派生商品は、賞味期限が比較的、長めですから、長野以外でも購入しやすいですし、何より保管しやすいです。
機会をみて、色々と味わってみるのも悪くないでしょう。
どこで買えるか~購入方法
さて、ここまで読むと、一度は飲んでみたいと思うかも知れません。
地元である小布施町周辺が主な消費地であり、販売拠点も小布施町、須坂市、長野市などの周辺地域がほとんどですから、入手は簡単ではありません。
もし、小布施町近くを訪れるのであれば、地域に根付いた販売店をのぞいてみましょう。
具体的には、長野市やその周辺にある綿半、ツルヤ、Acoop(Aコープ)などなら扱う店舗も多いです。値段は多少異なりますが、200円台後半がほとんど。
東京にお住まいなら長野の商品に特化したお店「銀座NAGANO 」が利用できますね。
遠方に住む人は残念だと思うかも知れませんが、嬉しいことに、この記事を投稿した後、通販でも販売する仕組みが整いました。
オブセ牛乳のオンラインストアができたんですね。ここでは、色んな派生商品も手に入ります。(値段は高めですが)
牛乳は店頭で販売されているものよりも割高で送料も必要ですが、長野を訪れる機会が無ければこれも一つの方法。
ただ、牛乳の場合、賞味期限が短めな点は十分注意して購入しましょう。