長野に住んでいると、採れたての農産物を入手する機会がけっこうあるのですが、収穫したままの状態のことが多いため、あまり食用として用いない部分についても、強く意識するようになってきました。
大根の葉もその一つで、首都圏に住んでいたころは、葉付きで販売されているものを購入しても、あまり意識していなかったこともあって、積極的に食ペようとはしていませんでした。
しかし今回、食べることになって改めてその栄養成分を調べたところ、その栄養価の高さには驚きを覚えたのでした。
収穫したての大根
今回、大根の葉を食べるキッカケになったのは、息子が大根を貰ってきたことでしたが、収穫したばかりの葉付きの大根であったため、新鮮なままの葉を捨てるのは勿体ないと感じたのでした。
首都圏に住んでいた頃は、葉付きの大根を買ってきても、採れたてのものはほとんどなく、葉も少し萎れてしまっていることが多かったことから、あまり食べる気も起きませんでした。
しかし、今回は、採れたばかりの大根で煮物を作った後、切り落とされた大根の葉がとても新鮮そうであったので、ちょっと食べてみようと思ったのでした。
食べ慣れていなかったこともあって、調理方法についてはあまり知識がなかったのですが、いざ調べてみると色々なレシピが掲載されていて、調理方法も幅広くあることを再認識しました。
今回は、なるべく手を掛けず、また新鮮さを活かせるようにと考えて、結果として生で食べることにしました。
味覚もいける
食べるに当っては、葉を切り落としてよく洗い、5~6mm間隔で細かく切り、器に盛って全体を軽く塩でもんだ後、ごま油を掛けて混ぜ合わせました。いわゆる一種の手抜き料理みたいなものでしたが、いざ口にしてみると、けっこう美味しく今まで捨てていたのがもったいないと思えるくらいでした。
「手を掛けずに食べてもこれだけの味なら、しっかり手を掛けて調理すれば、本当に美味しい料理ができるだろう」と確信し、今後は色々な調理方法を試してみたいと思いました。
気になる栄養価は
ところで、調理方法を調べていて気付いたのですが、大根の葉は栄養価がとても高いということです。
レシピを見ていると、栄養価が高いとされる野菜などと比較説明していて、とりわけ、β-カロチン、食物繊維などが多いとされる緑黄色野菜などと比べているものが多く掲載されていました。
しかし、レシピなどには具体的な栄養成分の含有量についての記載は見当たらなかったので、実際にどれ位の栄養があるのかが気になり、きちんと調べてみることにしました。
結果として、特に優れている栄養成分には下記のようなものがあることが分かりました。
いずれも100g当たりの生(なま)の状態の含有量で、括弧内は茹でた場合の量を意味します。また、ここに列挙した以外にも、全体的に様々な栄養成分が豊富に含まれていることが分かりました。
タンパク質2.2g(2.2g)
カルシウム260mg(220mg)
鉄3.1mg(2.2mg)
カロチン3.9mg(4.4mg)
ビタミンE :3.8mg(4.9mg)
ビタミンK :270μg(340μg)
食物繊維: 4.0g(3.6g)
これを見ても分かるように、一般の野菜には見られないような特徴があります。
例えば、葉野菜にこれだけのタンパク質やカルシウム、鉄が含まれていることは珍しいことです。β-カロチンについては、β-カロチンが多いと言われる人参(生)が100g当たり8.3mgですから、その半分近くも含み優れていることが良く分かります。
特筆すべきは、ビタミンEやビタミンKで、一般の野菜の中でも豊富に含んでいると言えます。食物繊維も豊富で、ブロッコリー(生)の4.4gと肩を並べています。
以上、簡単に栄養成分を見てみましたが、ちょっと見ただけでも大根の葉の栄養価がいかに優れているのかが良く分かります。これだけ栄養のある大根の葉を捨ててしまうのであれば、「豊富な栄養を捨てている」と言っても過言ではないでしょう。
大根の葉は、ちょっと手を加えただけでできる簡単な料理が色々あります。せっかく大根に付いているわけですから、無駄にすることなく有効に使いたいものです。