美味しいコーヒーを入れるために知っておくべき水の硬度(軟水、硬水)

美味しいコーヒーを入れるためには、良い豆を選ぶことや適切な抽出方法を採るなど、弁えるべきことがいくつもありますが、その中でどのような水を用いるかも重要な要素です。

コーヒーの味を求めるなら水選びも大切

ここでは、一般に飲料水の成分として話題となる硬度をキーワードとして、水の含有成分がコーヒーに与える影響についてまとめました。

使う水はとても大切

かつてコーヒーのこだわりがあまりなかった頃の私は、コーヒーならどんなものでもあまり抵抗なく飲んでいました。

従って、日常的にインスタントコーヒーも飲んでいましたが、「どうせ飲むのなら美味しいコーヒーがいい」との思いを抱き、自然とインスタントコーヒーは飲まなくなりました。

そして、コーヒー豆は粉の状態よりも、豆をその場でドリップしたものを自然と好むようになり、コーヒー豆を選ぶときも原産地や成分、炒り具合などを確認しながら、自分好みの、より美味しい豆を選ぶようになって行きました。

要は、自然と「より美味しい味を追求」するようになって行ったのです。

コーヒーは豆から入れるのが一番。

そんなある日、「もっと美味しいコーヒーは出来ないものか」とコーヒーを飲みながら考えていたところ、水道水の塩素の味が残って、せっかくのコーヒーの味を台無しにしていることに気付いたのです。

コーヒー豆の種類や、抽出方法などばかりを気にしていた私は、肝心な水のことをあまり考えていなかったのです。

何でこんな大事なことに今まで気づいていなかったのだろう!」と、自身の愚かさにあきれた思いでしたが、それがコーヒーに使う水を選ぶことの大切さに始めて気付いた瞬間でした。

良いコーヒー豆を選ぶことは大切だが、適切な水を選ぶことも大事。

考えても見れば、実際に飲むコーヒーの成分のほとんどは水で構成されているわけですから、味わいに与える影響が大きいのは当然のことです。

実際に、一般のミネラルウォーターなどの飲料水を飲む場合でも、その銘柄によって味わいは違いますから、それがコーヒーの味わいに影響しない訳はありません。

特に、ミネラルウォーターの味わいに最も影響を与える硬度はとても重要です。

水の硬度とは?

ミネラルウォーターなどの飲料水に関して、軟水、硬水という言葉を良く耳にしますが、これは水の硬度の値によって分類されたものを意味します。

水の硬度とは、一般には度数で表される数値で、水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどの量を、炭酸カルシウム(酸化カルシウム) CaCO3に換算した含有量を数値で表します。

一立方メートル当たり、この換算量で10g含む場合に、硬度が1になりますので1リットル当たり、10mg含む場合に、硬度が1になります。

実際の硬度については、「度」という表現と、「mg」という表現があります。

例えば、硬度が10度の場合、換算量だと1リットル当たり100mg含むことになりますので、「硬度10度」と「硬度100mg」という表現がありますが、度合は同じになります。

表現の違いで数値が10倍違ってきますので注意が必要です。ミネラルウォーターなどの飲料水の場合は、後者の表記が多いようです。

さて、軟水と硬水の区別ですが、世界保健機関(WHO)の基準では確度120mg未満(12度未満)を軟水、120mg以上を硬水と分類しています。

しかし、日本では一般に100mg (10度)を境に軟水と硬水とを分類しています。また、分類する基準がいくつもあって、その基準によって別れ方が微妙に違ってきます。

従って、分かりやすく言えば、水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどの量が多いほど硬度が高く、その硬度の値をある特定の基準に基づいて分類したものが軟水・硬水です。

日本の場合、地形や地層の影響があって軟水が一般的になっていますので、硬度の高い水には違和感を覚える傾向が高いと言われています。

味に与える影響は

さて、水の硬度が実際の味に与える影響はどうでしょうか。

軟水はカルシウムやマグネシウムなどの量が少ない分だけ、口当たりもまろやかで独特のクセのような味をほとんど感じません。

しかし、硬度が低くて真水に近くなれば、却って風味を失って味気なくなるとも言われています。

一方、硬水はカルシウムやマグネシウムなどを相応量含んでいますので、口当たりは強く独特な味を感じます。含有成分によっては、癖が強くてなじめない水もあるかも知れません。

実際に味の差を意識しながら硬度の異なる水や成分の違う水を飲み比べてみると、全然違うことが分かると思います。

市販のミネラルウォーターでも、硬度が著しく低い水を飲むとどこか味気ないものを感じますし、硬度が特に高い水を飲むとちょっと違和感を持ちます。

このように、単なる水だけを考えてもその味わいはけっこう違うものですから、コーヒーも使う水によって味わいが変わるのは当然です。では、実際にどのように味に影響するのでしょう。

一般にコーヒーに軟水を用いた場合、コーヒーの本来の味が出やすくなるため、まろやかでクセの無い味になり、比較的、酸味が出やすくなると言われています。

一方、コーヒーに硬水にを用いた場合、含まれるミネラル等の影響が強くなり、苦みや渋みを感じやすくなるため、酸味が感じにくくなります

但し、同じ硬水でも特にカルシウムやマグネシウムが多いほど苦みは感じやすくなるといわれていますので、含有成分によっても微妙に味わいは変わってきます。

では、どのような水を用いるのが最もおいしいと言えるのでしょうか。

結論を言ってしまえば、好みによります。これは当然のことですが、どんな食べ物でも飲み物でも、好みは人によって千差万別ですから、最も美味しいといえるコーヒーにも「これ」という正解はありません。

大まかなことを言えば、上述したようにコーヒー豆の本来の味を強調したいのなら軟水を選び、酸味を抑えて苦みを強調したいのなら硬水を選ぶということです。

当たり障りの無い味にしたければ、ミネラル類が少ない軟水を選ぶ方が無難だと言えるでしょう。

含有成分による微妙な味の違いは、実際に色々試して、どのような水を用いた時にもっとも自分の好みの味になるのかを確かめてみることです。

また、コーヒー豆との相性もあるでしょうから、豆の種類と水の種類の組合せを色々と試してみるといいと思います。

硬水で実際に試した

私が今回実際に試してみたのには、最も硬度が高い水の中で、日本で容易に入手しやすいコントレックス(フランス原産)を用いました。

この水は日本でもかなり普及していて、身近な店でよく見かけますし、ミネラルが豊富なことから美容などの目的で好んで飲んでいる人も多いようです。

実際にこの水だけを飲むと、かなり高い硬度のため、軟水に慣れている私にとっては少し重たい感じの味で、正直、好んで飲もうとは思えません。

硬い水という表現が理解できる感じがします。ミネラルが豊富に入っていることで、独特の風味を持っていると言えるでしょう。

私が普段使っている水は、硬度が20mgと極めて低い軟水ですから、今回はそれと比較することで、高度による差が一番ハッキリ現れるような条件で比較したことになります。

使う豆や抽出方法は普段と全く同じで、水だけを変えて比較してみました。

日本で最も飲まれている硬水の1つコントレックス。

コントレックスで抽出したコーヒーは、コントレックスの味が強く表れていて、普段飲んでいる味と全く異なるものでした。一言で言えば、全く違うコーヒーを飲んでいるという感じです。

理論通り、酸味がしっかり抑えられていて、全くと言っていいほど感じませんでした。

私はコーヒーの酸味が好きではないので、酸味がない豆を選んでいるので、普段飲んでいるコーヒーでも酸味はあまりありませんが、そんなわずかに残る酸味を少しも感じなくなるのです。

確かに酸味を抑えるためにはいいというのが正直な感想です。

しかしながら、コントレックスに含まれている苦みが強いため、コーヒー本来の独特の苦みが打ち消されてしまって隠れてしまい、私が好む味わいが失われてしまいました。

換言すれば、苦みが出ているには出ているのですが、コーヒーの苦みというよりもコントレックスの苦みが前面に押し出されているような味なのです。

結果としては、普段飲んでいる水を用いた方が美味しいと感じましたが、酸味を消してくれる効果は実感できました。

そしてその後、コントレックスと普段飲んでいる硬度20~30mgの軟水を混ぜ合わせて、硬度がおおよそ300mg、200mg、100mgとなるように調整して、それぞれを試飲してみることにしました。

コントレックスは硬度が1468mgと高いので、広く流通している軟水と混ぜれば、適度な硬度の水を作りやすい。

その結果は、硬度が低いほどコーヒーの苦みが前面に出て、硬度が高いほどコーヒーの苦みが水の苦みで隠される感じでした。

また、感覚的には、酸味の抑えられる度合いはあまり変わらなかったような気がします。(元から、酸味の弱いコーヒー豆を好んで使っていた影響かも知れませんが…)

今後機会があれば、酸味が気になるコーヒー豆を使う場合に、硬水をうまく利用したいと思いました。

また、同じ硬水でも含有成分によっても微妙に味わいが異なるでしょうから、それらについては今後の課題です。

いずれにしても、使うコーヒー豆と硬度と含有成分の組み合わせで、美味しい味を追求し続けて行きたいと感じています。

豆と水を組み合わせることで色々な味わいを作り出せる。

流通している水の硬度

以上のように、硬度による味の違いの傾向を頭に入れれば、あとは色々な水を用いたコーヒーを実際に試飲してみるのが一番分かりやすいですね。

試してみるのに役立つよう、広く普及しているミネラルウォーターの硬度をまとめておきました。これを参考に、ぜひ色々と試してみてはいかがでしょう。

軟水

アルカリイオンの水(キリンビバレッジ)55~64mg/L
南アルプスの天然水(サントリー)約30mg/L
クリスタルカイザー(大塚食品)38mg/L
ボルヴィック(キリン・Volvic)60mg/L
森の水だより(コカ・コーラ)35.6mg/L

南アルプスの天然水は硬度30mgの軟水。

硬水

エビアン(evian)304mg/L
コントレックス(Contrex)1468mg/L

いざ調べてみると、やはり、日本で広く普及している水は軟水が多いですね。

硬度が中間の水は日本では入手しにくい面もありますから、場合によっては複数の種類のミネラルウォーターをミックスさせて、オリジナルの水を作って、好みのコーヒーの味に合うように色々アレンジしてみるのもよいでしょう。

水道水を使う場合

ところで、美味しいコーヒーを追求するとはいえ、ミネラルウォーターなどは用いずに、水道水を使う場合もあるかと思います。

水道水の場合、含有成分は水源によって異なりますので、硬度も味もその地域地域によって異なります。

しかし、日本における水道水は軟水なので、水を用いた場合、味に癖が出てしまって本来のコーヒーの味から大きく外れてしまうことはあまりないと言えるでしょう。

とは言え、水道水の場合は硬度の度合いよりも、殺菌用に加えている塩素の残留成分の方が、はるかに味に与える影響が大きいでしょうから、ちょっとした工夫が大切です。

換言すれば、同じ水道水でもひと工夫することで、少しでも美味しいコーヒーが味わえるようになります。そのために大事なことは下記の2点です。

(1)十分に沸騰させる

残留成分の塩素の影響で、カルキといわれる臭みが発生し、コーヒーの味を低下させてしまいます。

水道水を沸騰させることでこの臭みを抑えることができますので、十分に煮沸させることが大切です。

(2)新しい水を使う

貯めておいた水道水やポットで沸かして保温しておいたお湯は、水に含まれる二酸化炭素が抜けてしまうため、水本来が持つ美味しさを損ねてしまうと言われています。

蛇口から出したばかりの新鮮な水をその都度沸かして使うのが望ましいです。

まとめ

今まで述べてきたことを要約してまとめると、以下のようになります

  • コーヒーの主成分は水であるため、水によって味わいが大きく作用される。
  • 水の硬度によって味わいの傾向は異なり、軟水はコーヒー本来の味が表れやすく、硬水は水の持つ味によって酸味が抑えられる傾向がある。
  • コーヒーの好みは人によって異なるため、最適な硬度の水というのは人それぞれである。
  • 水道水はコーヒーには無難な軟水であるが、カルキ臭などへの対策が大切である。

今まで、水の硬度をあまり意識せずにコーヒーを入れていた方も、これを機に、自分に最もあった味を追求してみては如何でしょう!

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
スポンサーリンク
コメントの入力は終了しました。