子供のころ見た未来少年コナンは、私の中では名作中の名作です。
面白いシーンがとても笑えるアニメですが、キャラクターのセリフの中にも心に染み入るフレーズがいくつもあります。
そんな名セリフの数々をキャラクターごとにまとめてみました。
(1)コナンの名セリフ
「どうしたんだ。そんなところで寝て。お腹減っているのか?」(第1話)
これは、有名なセリフですね。
のこされ島に漂流して海辺で気を失っていた女の子ラナを発見して、コナンがラナに語りかけた言葉です。
物心ついてからオジイ以外の人間を見たことが無かったコナンにとって、驚きの中に何を話していいのか分からない様子が伝わってきます。
「僕はインダストリアが嫌いだ。石や鉄ばかりで、木も草もないもの」(第6話)
インダストリアに来てからしばらくしてコナンが言ったセリフです。
大自然に恵まれた「のこされ島」で生まれ育ったコナンにとって、石や鉄で囲まれたインダストリは馴染めず、好きになれないのですね。現代人に自然の大切さを訴える一面が表れています。
「ラナ!死ぬな!!」(第8話)
小ボートが海底に沈没してコナンとラナが溺死しそうになり、もうラナが助からないという追い込まれた状況で発したコナンの叫びです。自分の命よりもラナの命の方がはるかに大切。そんな思いが伝わって来るとても重たいセリフです。
「ラナは軽いなぁ。鳥みたいだ!」(第8話)
漂着した地に広がる砂漠の中を、ラナを抱っこしながら駆け回るコナンが発したひと言です。
ラナを大切にする力持ちのコナンの姿が描かれています。実は、これと全く同じセリフが第1話にも出てきますが、この時はラナを抱っこしてのこされ島を駆けていました。
「きれいだ。とってもきれいだ」(第14話)
ハイハーバーに到着した翌朝、今まで同じ服を着ていたラナが別な服に着替えてコナンの目の前に現れた時にコナンが言ったセリフです。服が変わって見違えるように可愛く見えたラナを見て、コナンが思わず口にした言葉ですね。
コナンは頬を赤くして語りますが、その照れている姿はとても印象的です。
「その時ラナも一緒に来てくれると、とても嬉しい」(第16話)
ハイハーバーでコナンとジムシーが自分たちの小屋を作ってラナに見せた時にコナンがラナに向かって言ったセリフです。
将来、のこされ島に帰ろうと考えていることをラナに伝えたコナンが、一緒に来て欲しい思いを伝えたところですね。
最終回では、コナンとラナは一緒にのこされ島に行くことになります。
「ラナに触るなー」(第17話)
インダストリアの戦闘員がハイハーバーに上陸して島を制圧しようとしている時、気を失ったラナに近寄る戦闘員達に向かって、遠方から大声でコナンが叫んだ時のセリフです。
ラナには指一本触れさせない、ラナを絶対に守る、というコナンの命の底からの叫びが伝わって来ます。
その後、コナンはラナを抱きかかえながら助け出しています。
「かすり傷だよ」第18話
怪我の具合を聞かれて、それにコナンが答えた時のセリフです。
ラナを守るために戦闘員と格闘し、ミサイル銃で追われて必死に逃げ、はずみで大きな石が頭部を直撃して気を失ったコナンですから、身体は既にボロボロですが、それを単なる「かすり傷」と言うところに、ラナを助け出すためには、こんなのヘッチャラって感じが表れています。
「そうはならないよ」(第20話)
コナンがモンスリーに、飛行艇を操縦してインダストリアに連れて行って欲しいと願い出た時、「私と言ったら帰れなくなるわよ」というモンスリーに対してコナンが答えたセリフです。
コナンの敵であるモンスリーに飛行艇の操縦を任せれば、帰って来れなくなる当然の発言に対して、コナンが否定した言葉です。
コナンの純粋な心にモンスリーが心を打たれたことは間違いないですね。
「置いて行けない」(第21話)
コナンを助け出したモンスリーは、コナンと共にインダストリアの武装員に追われる身となり、「コナン一人なら逃げられる」というモンスリーに対してコナンが言ったセリフです。
モンスリーを見殺しには出来ないというコナンの切なる思いが伝わって来ます。この後、やむを得ず一人で逃げるコナンですが、銃声が響く音を聞いたコナンは「モンスリー。死ぬな!」という叫び声をあげています。
以上、主人公コナンの様々なセリフ、如何でしたか。
他にも取り上げたかったセリフがたくさんあってとても迷いました。
いずれのセリフも、少年コナンというキャラクターの色々な特徴が表れていますね。
(2)ラナの名セリフ
「知っていても、教えない」(第6話)
太陽エネルギーの秘密を知るラナの祖父(ラオ博士)の居場所を教えるようにレプカから脅された時にラナが答えたセリフです。
脅されて自分が窮地に追い込まれても、絶対に屈しないラナの強さと正義感を感じます。
この時、本当は居場所を知らないのですから、「知らない」と言ってもよさそうなところ、たとえ知っていたとしてもレプカなどには絶対に教えはしないという強い意志と、気の強さも表れています。
「その焼き鏝を私に当てなさい。コナンを脅すなんて卑怯よ」(第6話)
レプカは、ラオ博士の居場所を教えないラナを見て、今度はコナンに焼き鏝を向けて脅しますが、その時、ラナがレプカに言ったセリフです。普通の女の子なら単に「止めて!」と言いそうなところ、敢えてレプカの卑劣を強烈に非難するところに見どころがあります。
「コナンは私のために殺されようとしているのよ。私だけが助かりたいなんて思わないわ」(第7話)
レプカに反逆したダイスが、ラナを助け出してバラクーダ号で逃亡した時に、ラナがダイスに向かって言ったセリフです。
ダイスはラナに対して、コナンは既に助けたと嘘をついてコナンを置いて逃げたため、どうしてコナンを見殺しにするようなことをしたのかと詰め寄った言葉です。コナンの身を案じるラナの心が表れています。
「心が通じたの、私たち」(第8話)
コナンが海底で身動きが取れなくなってラナが必死に助けようとした時に、お互いの心の叫びが届いたことを、助かった後にラナがコナンに語った言葉です。
コナンは沈没したボートに絡まって海底から抜け出せなくなり、ラナが空気を届けて助けようとしますが力尽きそうになります。そんなお互いがピンチな状況下で心が通じ合い、難を逃れた二人はその時のことを語り合いますが、その時に発したひと言がこのセリフです。二人の強い絆を感じさせるひと言です。
「コナン。素敵よ」(第14話)
ハイハーバーにコナンと共に戻った翌朝、今まで着ていた服から新しい服に着替えたコナンの姿を見たラナがコナンに向かって言った言葉です。この時、ちょっと照れているコナンの姿はとても印象的です。
「コナンが怪我したりしたらもっとつらい」「コナンやジムシーの方が何百倍も大切」(第15話)
オーロとの揉め事を制止するためにラナがコナンの頬を打ってから、沈んだ気持ちで村に戻る時にラナがコナン達に胸の思いを語ったセリフです。母の形見をオーロに渡してでも解決しようとしたラナの強い思いが込められたひと言です。コナンのことを思うからこそコナンのことを打ってしまったラナが、その胸の奥の思いを伝えた言葉はコナンに響いたことでしょう。この言葉を機に、気を取り直した3人は元気に村の方へ戻って行きます。
「うん、きっと行く」(第16話)
コナンから、将来はのこされ島に帰ろうと考えていることを伝えられ、「その時一緒に来てほしい」と言われた時に、ラナが答えたセリフです。このセリフの通り、最終回では、ラナとコナンは一緒にのこされ島に行くことになりました。
「ううん、コナンが来るって言ったらきっと来るもの」(第18話)
沈没したガンボートに捕われていたラナを救出した直後、コナンが「怖かった?」と聞いた時に答えたラナのセリフです。
ガンボートはコナンによって爆破・沈没しますが、その直前にコナンはラナに向かって助けに来るから待っていてと告げています。その通りにコナンを信じ切って待っていた後の言葉ですが、コナンに対する信頼の心が表れています。ラナが閉じ込められた船室には既に海水が流れ込み、危ない状況になっていながらもコナンを信じて待っていたラナの強い姿勢が感じられます。
「上にはコナンがいます。私、だからへいき」(第22話)
三角塔の地下に閉じ込められたラナが、たった一人で上部へ出ようと決意した時に周りの人に発した言葉です。
たった一人で行くことがどれほど勇気のいることであったか想像するだけで大変なことですが、それでも上に居るコナンを信じて行こうとする勇姿が表れています。
「あなたは勝てません。決して」(第22話)
ラオ博士を説得して太陽エネルギーの秘密を話せと脅すレプカに対して、強く言い切ったセリフです。
捕われた身であり、レプカに何をされるか分からない状況にもかかわらず、強く言い切る姿には、悪に屈しないラナの強さが表れています。
以上、ヒロインであるラナの色々なセリフをあげてみましたが、如何でしたか。
コナンに対する思いから発する数々のセリフは、飾らない言葉でありながらも重みを感じます。
女の子らしい優しさに満ちたセリフや、芯の強さが表れたセリフも目に付きます。
(3)ジムシーの名セリフ
「ラナ?食えるのか?」(第3話)
コナンがジムシーに対して、ラナを探していることを伝えた時にジムシーが口にした言葉です。
食いしん坊のジムシーは、聞いたことがない名称を耳にすると、何でも食べ物だと思ってしまいますが、それがそのまま表れた言葉のひとつです。思わずおかしくて笑ってしまうセリフです。
「でかい尻だなぁ。なんか入れてんのか?」(第4話)
尻叩きの刑の罰を受けたコナンの尻が膨れ上がる姿を見た時に、ジムシーがびっくりして言ったセリフです。
酔いつぶれたジムシーの身代りにコナンが二人分の罰を受けたことも知らないジムシーが無邪気に発したひと言ですが、後にコナンの振る舞いを知ったジムシーは、コナンに対して強い絆を持つことになります。
「おまえ、泣き虫でも、意気地なしでも、大食いでもないなぁ」(第7話)
コナンから噂を聞いていたラナと知り合ったジムシーが、ラナに向かって言ったセリフです。
女はみんな泣き虫で意気地なしで大食いだと思っていたジムシーが、ラナを見て感じたことをそのまま口にした言葉です。
「あいつが死ぬはずないよ」(第8話)
コナンの生存が全く分からない状況下でジムシーが発したセリフです。
ジムシーの励まそうとする思いと、生きていて欲しいという願いが込められた言葉です。
「何でおいて来ちゃったんだ」(第12話)
コナンを置き去りにしてバラクーダ号に逃げてきたダイスに対してジムシーが言ったセリフです。
コナンがラナ達を救出しに向かおうとしたところ、早く逃げることだけを考えていたダイスはコナンを置いて一人でバラクーダ号に戻って逃げてしましますが、それを知ったジムシーが憤ってダイスに行った言葉です。コナンを本当に大事な仲間だと思うジムシーの思いが表れた言葉です。この後、ジムシーは海に飛び込みコナンを助けに泳いでインダストリアへ向かっています。
「カエルいっぱいいるかなぁ」(第13話)
ハイハーバーへ向かう途中のバラクーダ号の中でのジムシーのセリフです。
ハイハーバーが近づくについて、カエルが大好物なジムシーが期待に胸を膨らませて語った言葉です。
ハイハーバー行きが決まった時(第12話)にも「カエルがいっぱいいるといいけどなぁ」と言い、ハイハーバーの村に到着した時(第13話)にも「カエルいっぱいいそうだなぁ」と言っていますから、食いしん坊であるジムシーの姿が表れたセリフの一つと言えます。
「ブウブウ鳴いてた奴、うまそうだったじゃないか」(第13話)
ハイハーバーの島を歩いている途中でブタを見かけた時にジムシーが言ったセリフです。
生き物を見ると、全てを食べる対象と見るジムシーの姿は滑稽です。
「ちょっと手こずったけどな」(第14話)
大きなブタを捕えたジムシーに対して、ジムシーが捕まえたのかと問うコナンに答えた時のセリフです。
本当は手こずって捕まえた訳ではなく、ジムシーが逃げまわっている最中にブタ自らが転落したことで捕えることができたものでしたが、あたかも自分が捕えたと自慢げに気取って言った言葉です。自分のことを自慢したがる子供らしさが表れています。
「違う。俺一人でやったんだ」(第15話)
オーロが、コナンとジムシーに対して、豚を捕まえたのはお前たちかと聞いた時にジムシーが言ったセリフ。
自分一人でやったことを自慢げに強調する姿には、ジムシーの負けず嫌いの一面が表れています。
「テラの奴、死んじゃったのかな?」(第17話)
インダストリアの戦闘員がオーロ達の住む地域に上陸して武力で制圧して行く中、テラのことが心配になったジムシーがつぶやいたひと言です。テラは、コナン達と対立するオーロの妹でしたが、ジムシーの中では既に気になる存在だったようです。
「あったり前のことを決めるのに、もたもたしてるなぁ」(第17話)
インダストリの戦闘員がハイハーバーに上陸して武力制圧して来た時に、村としての対応をどうするかを村長を中心に話し合っている姿を見て発したジムシーの言葉です。分かり切ったことを決めるのにモタモタしているように見える、子供の目線から見た発言ですが、ストレートなジムシーらしさが表れています。
「わかったよ、行きゃーいんだろう…」(第20話)
インダストリアに行く固い決意をしたコナンが、ジムシーに向かって行く意義や強い意志を語って行く中に、ジムシーがコナンに対して言ったセリフです。
コナンは、一緒に行こうと誘ったり、共に行って欲しいと願ったりする言葉をひと言も言っていないにも関わらず、コナンの思いを汲んでそれに答えたのがジムシーのこの言葉です。二人が真の仲間であること、二人の絆が強いことが、この言葉に表れています。
「だって俺の足、短いんだもん」(第22話)
歩かずにただ掴まっているだけのジムシーに対して、楽をしていることを責めたダイスに反論した時のセリフです。
水没して行くインダストリアの地下街から脱出するために、トロッコを逆さにして空気を確保しながら水中を歩んでいたコナンたちですが、ジムシーだけは身長が低くて足が地に届かず、トロッコにつかまっているだけでした。
「太陽エネルギーって疲れるな」(第23話)
インダストリアに太陽エネルギーが供給され、設備がフル稼働して歩く歩道が動き出した時、歩み方を知らないジムシーが進行方向と反対に小走りした時につぶやいた言葉です。初めて見る人工的な設備に触れて、素朴な発言をする姿は滑稽です。
以上、コナンの仲間ジムシーの名セリフを集めてみましたが、如何でしたか。
食いしん坊で負けず嫌いで自慢好き。どこにでもいる少年の姿がそのまま表れた言葉には新鮮さの中に面白みがあって笑を誘ってくれます。未来少年コナンのキャラクターの中で、最も滑稽なセリフで溢れているのはジムシーですね。
ジムシーに関しては、ここには抜粋しきれなかったセリフがまだまだ他にもたくさんありました。
(4)モンスリーの名セリフ
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次は、最初はコナンの敵で、後に味方となったモンスリーについてです。
「全く大した子よ。殺してしまうのは惜しいわ」(第6話)
はるばるインダストリアまで来て、三角塔からラナを救いだし、捕われの身でありながらもレプカを投げ飛ばすなど、様々なコナンの姿を見て来たモンスリーがコナンについてつぶやいたひと言です。
少年でありながら、実行力や勇気、並外れた身体能力などを見て来たモンスリーが発したひと言は、主人公コナンの姿を物語っています。
「あの子は、お前が考えるより、ずっと凄い人間よ」(第8話)
捕われていたハズのコナンが牢を抜け出してファルコに潜入してモンスリーの目の前に現れた姿を通して、改めてコナンの凄さを強く感じていたモンスリーが部下に対して言った言葉です。モンスリーにとってコナンは、敵ながら凄さを認める存在であったことがよく分かります。
「島を占領しているのは我々よ」(第19話)
ハイハーバーを制圧したインダストリアの部隊員に対して、主力戦艦であるガンボートが爆沈されて気持ちが沈んでいる時にモンスリーが発した言葉です。部隊員の士気を高めようとする指導者としての力強さを感じます。
「ラナを助けてくれた?」(第19話)
沈没したガンボートの船室に閉じ込めていたラナの安否を気にしていたモンスリーが、突然目の前に現れたコナンにラナの安否を尋ねた時の言葉です。この言葉の裏に、コナンのことだから、きっとラナのことをきちんと助け出しただろうとの気持ちが含まれている感じがします。
「本当なのね、コナン」(第19話)
ハイハーバーに大津波が迫ることを知ったコナンが、居合わせた人々に直ぐに避難するように叫んだ時、一旦はその言葉を嘘だと思っていたモンスリーが、コナンの真剣な眼差しを見て本当だと感じて、コナンに問うたひと言です。言葉ではなく、真剣な眼差しで訴えるコナンに対して、理屈抜きに真実を知ったモンスリーでした。これは、未来少年コナンの名場面のひとつでもあります。
「負けたわ」(第19話)
ハイハーバーに津波が押し寄せたことを機に形勢が逆転したことで呆然となったモンスリーがポツリとつぶやいたひと言です。単に形成が逆転して負けただけでなく、コナンという少年の正義感や純粋さに負けたという意味を感じさせます。
「私はあなたの敵なのよ」(第20話)
飛行艇を操縦してインダストリアに連れて行って欲しいと願い出たコナンに対して、モンスリーが言った言葉です。
敵だとか味方だとか関係なく、純粋に、海に沈み行くインダストリアを心配するナンの姿を眼前にして、敵でありながら何でこんなことを言えるのかとの、モンスリーの戸惑いにも似た思いを感じるセリフです。
「わたし、あなたたちと一緒に行くわ」(第20話)
コナン達と共にインダストリアに戻って来たモンスリーが、インダストリアに到着した際に発した言葉です。
この時モンスリーは、未だレプカの部下と言う立場でしたが、既にコナン達と共に行動して行こうと決意していたことを感じます。この後、モンスリーはレプカに対して、武器を捨てて太陽エネルギーを平和利用しようと強く進言します。
「あなた一人だけなら逃げられるわ」(第21話)
三角塔に捕われていたコナンを助け出したモンスリーが、二入共逃げることは出来ないと察した時にコナンに向かって言った言葉です。
コナンだけでも無事に逃げて欲しいという、モンスリーの心情が表れた、心に突き刺さる言葉です。コナンはこの後、止む無く一人で逃げることになりますが、モンスリーを置いて行くことに対して、胸が張り裂ける思いを抱いていたことでしょう。
「船のことは、あなたが一番だわ」「しっかりね」(第23話)
インダストリアからの出向の準備を進めるため、サルベージ船の引き揚げ作業に当たるダイスに対して、モンスリーが語った言葉です。
今までとは違って、モンスリーがダイスを一人前の男として見ていることが表れた言葉です。この頃の二人は、お互いに気持ちが急接近していて、後の二人の結婚に繋がっています。
「バカね!」
モンスリーと言えば、このセリフです。
これは、何度も出てくるセリフですが、全てダイスに対して言っている点が着目すべきところです。
では、モンスリーの「バカね」を発するキッカケになったダイスのセリフをあげてみましょう。
「お前さん、あっち(インダストリア)着いたら何するか分からんからねぇ」(第20話)
「着陸しても、変なマネするんじゃねぇぞ」
「ラナちゃんのようには軽くはないなぁ」(第22話)
「モンスリー。あのな。こうしてみると、君はなかなか美人だよ」(第23話)
「パジャマの飛行服とはいきだね」(第24話)
「そのパジャマ、似合うぜ」(第24話)
「美しい。きれいだ。本当にきれいだよ」(第26話)
これらダイスのセリフの直後にモンスリーは「バカね」と言っています。
いずれも物語の後半に集中していますが、初めダイスはモンスリーに対して茶化すような言葉を発していますが、その後、褒める言葉へと変化して行きます。
ダイスの言葉に応じるモンスリーも、反発する返事として「バカね」と言っていたのが、恥ずかしさを紛らわす「バカね」に変化して行ってます。「バカね」は、モンスリーの心の変化が表れているセリフと言えます。
以上、モンスリーの名セリフを集めてみましたが、如何でしたか。
セリフの多くは、コナンに感心する言葉や、コナンの凄さから出てくるものが多いことが分かります。
また、ダイスとのやり取りも見ものです。
(5)ダイスの名セリフ
「落っこちて、溺れちまえば良かったのに」(第2話)
損傷した飛行艇ファルコの修理のためにモンスリーがバラクーダ号に立ち寄った際に、ダイスがつぶやいた悪口のセリフです。
この頃のダイスは、モンスリーのことが虫唾が走るくらい大嫌いで、飛行艇が落ちて溺れてしまえばよいと考えていました。
「俺たちは海の男だ。なぁ。共に苦しみを分かち合い、嵐と戦い、はるかな水平線のかなたへ夢を求める男」(第6話)
ダイスがインダストリアに反逆する時に、部下に対して賛同を得ようとして”海の男”のロマンを語ったセリフです。
ダイスらしさが出た言葉のひとつです。
「バカ野郎。あのボートにはラナが乗っていたんだぞ!」(第8話)
コナンとラナを押せた小ボートをレプカらが撃沈させてしまった時に、ダイスがレプカに言ったセリフです。
ダイスにとって、ラナは愛しさを感じる大事な存在であったため、悲しみと怒りが入り混じった怒気の効いた言葉でした。
これを耳にしたレプカは、太陽エネルギーの秘密を得るために重要な人物ラナを殺してしまったと思い、顔面がひきつっています。
「お孫さんとは似てませんな~」(第11話)
ラナの祖父(ラオ博士)に初めて会ったダイスが口にした言葉です。
ラオ博士は、過去に負傷したことで独眼になり、顔面にも傷跡が残って厳つい顔に見えたこともあり、かわいい顔をしているラナ(お孫さん)とは対照的だという意味の言葉です。ちょっと軽はずみな言動をしがちなダイスの一面が表れています。
「レプカよりひどいジジイだ」(第13話)
ダイスはバラクーダ号にラナを乗せてハイハーバに戻りましたが、ダイスの過去の所業に恨みを抱いていた漁師のガルが、バラクーダ号を爆破して動けなくしてしまった時にダイスがガルを指して言ったセリフです。
ダイスにとっては、命ほど大切なバラクーダ号ですから、それを爆破する者は大悪人に相当するってことですね。
「キャプテンダイスだ」(第16話)
ハイハーバの問題児オーロと手を組もうとしたダイスが、オーロに対して名乗った時のセリフです。
バラクーダ号の再建を掛けた駆け引きであったことから、己を偉く見せ、海の男としての魅力をアピールしようとした姿勢が表れています。
「まったくたいした奴だぜ。あいつは」(第19話)
大津波が引いて一段落した時にダイスがコナンを指して言った言葉です。
大津波が迫る中にも、ラナやジムシーはもちろんのこと、島民や敵の戦闘員、更には敵対するオーロやモンスリーの命までをも救い切るコナンの偉業を目の前にして、少年ながらも凄い奴だと感じたダイスの口から思わず出た言葉です。この言葉には、コナンがいかに凄い人物であるかが表れています。
「ラナちゃんのようには軽くはないなぁ」(第22話)
負傷しているモンスリーを負んぶすることになったダイスが、負んぶした直後に発したセリフです。
ダイスが照れくささを隠すために言った感じがしますが、ここらへんからダイスとモンスリーの二人の距離(心)が急接近して行きます。
「ハイハーバーまでの航路を知っている奴がいないと困るだろうが!!」(第24話)
ギガントの航行を食い止めるために機体に乗り移ろうとした際、私も行くと言うモンスリーに対してダイスが強い口調で戻るように説得した時の言葉です。
モンスリーは負傷しただけでなく、ギガントを阻止するためには命掛けになることから、その身を案じたダイスの優しさが表れた言葉です。愛しい者を守りたいというダイスの”心を鬼にして”発した言葉と言えます。ハイハーバーまでの航路を知っている者がいないと困るのは事実ですが、それはあくまでモンスリーを守りたいとのダイスの口実ですね。
「美しい。きれいだ。本当にきれいだよ」(第26話)
最終回でダイスとモンスリーの結婚式で、ダイスがモンスリーに語ったセリフです。
ダイスが真剣な顔をして語っている姿はとても凛々しく感じます。
以上、ダイスのセリフをあげてみましたが、如何でしたか。
ちょっとお調子者なところがあり、おどけたりもするダイスですから、セリフにもそんな一面が表れています。
それでも真面目に言うセリフには重みがあり、”海の男”というキャラクターと結びつくところも見られますね。
(6)他のキャラクターの名セリフ
最後に、他のキャラクターの名セリフも集めてみました。
「わしは大丈夫だ。コナン、あの子を守ってやれ」(第1話)
負傷したコナンの育ての親であるオジイが、コナンに対して語ったセリフです。
島に漂流して来たラナを守ってやれ、とのオジイの言葉の通り、コナンはその後、ラナを守るために行動して行きます。
「くじけるなコナン。仲間を見つけ、仲間のために生きろ」(第2話)
オジイが、息を引き取る前にコナンに言い残した最後の言葉です。
一人残されるコナンの身を案じて、力強く励ますオジイの言葉には重みを感じます。この後、コナンはオジイの言葉の通り、仲間を求めに旅に出て行きます。
「凄い女の子」(第8話)
バラクーダ号に搭載していた小ボートを自分で発進させて無我夢中で海中のコナンを助け出そうとするラナの姿を見て、船員のドンゴロスがラナを指して思わず口にした言葉です。
この時ラナは、船首に縄で縛られていましたが、口で縄を噛み切り、運転したこともない小ボートを自分で発進させてコナンを助けに向かいましたが、少女とは思えぬ勇敢で行動力ある姿を見たドンゴロスが感嘆して出た言葉と言えるでしょう。ラナの強さ、凄さが表れた言葉です。
「雑魚(ザコ)を始末した」(第8話)
バラクーダ号を制圧した戦闘艦ガンボートが、逃げて行く小ボートを撃沈させた時にレプカが言った言葉です。
実は、小ボートにはレプカにとっても重要な人物であるラナが乗っていて、そのことを知らされたレプカは、直後に顔が青ざめてしまいます。ザコだと思っていたのが、実はとても重要な人物(ラナ)であったのです。
「何もしゃべるな。しゃべったら殺す」(第9話)
コナンとラナの二人がサルベージ船へやって来たことをしゃべらせないために、パッチ(ラオ博士)が部下のテリットにくぎを刺して言った言葉です。もし、しゃべったら、本当に殺すような凄みのある言葉です。
「やっ!やったぞ!何て奴らだ!!」(第15話)
コナンとジムシーが、とても気性の激しいブタを捕まえられたのを目の前にしたオーロが、驚きの中に言った言葉です。
大きい体格をしてとても気性が激しいブタであったため、まさか捕まえることができるとは思っていなかったオーロですから、二人が目の前で捕まえたことは驚きの他はなかったのでしょう。
「ジムシー。謝るなら今のうちだよ」(第15話)
一度はオーロの仲間になりかけたジムシーが、嫌になってオーロの場所から立ち去ろうとした時に、オーロの妹テラがジムシーに言ったセリフです。ジムシーに思いを寄せていたテラの、ジムシーを引きとめたいという思いが表れています。
「これからは君たちの時代がはじまるのだ。」「コナン、ラナを頼む。これほど安らかな気持ちになれたことはない。」(第26話)
最終回で、臨終が近づいたラオ博士が、コナンやラナに対して語った言葉です。
新しい時代を切り開いてほしいというラオ博士の切なる思いや、ラオ博士が過去の過ちにピリオドを打てた安堵感が表れています。未来に向かって若い者が新しい時代を切り開いていく姿を象徴している、最終回ならではの締めくくりのシーンとも言えます。
以上、色々なキャラクターの名セリフをあげてみました。
ここに揚げきれなかった他のセリフもまだまだたくさんあり、出来ることならもっと揚げたいところでした。
しかし、限られたセリフを通してでも、未来少年コナンが名作品であることを改めて思い出し、感じ取って頂けたかと思います。
私が子共の頃に脳裏に焼き付いて忘れることができないアニメ。
それがこの未来少年コナンです。
数々のセリフの中に、大人が忘れてしまった大切な宝物を見つけることができるかも知れません。