私は一年間の浪人生活を経たのちに、大学に入学していますが、当時は共通一次試験と呼称されていた、今のセンター試験において、現役時代から180点も点数を伸ばすことができました。
同級生と比較してもその点数の伸び方はダントツで、当然、同学年の中では、私が最も点数を伸ばすことができていて、卒業した高等学校の教師の間でも、話題になるほどでした。
当時、
「なぜこれだけ伸ばすことができたのか」
また、
「他の生徒と差が付いた点は何なのか」
その秘訣についてまとめました。
メリハリをつける
最も大きかった点は、やはりメリハリをつけていたことでしょう。
当時、同級生の中には
「受験生は、部活動なんかやってはダメだ」
「浪人生は遊んじゃいけない」
「一日10時間は勉強しないと合格できない」
などと言う人がいましたが、私は心の中で「それは違う」と思っていました。
どちらかというと、
「なんで受験生はやりたいことをやってはいけないのか?」
という気持ちでした。
私は、高校時代にバスケットボール部に所属していて、「バスケ命」の生活をしていた延長で、浪人時代も毎日のように、後輩の指導のために部活に顔を出していました。
当時のバスケ部の顧問はバスケの素人で、特にコーチも居ませんでしたし、何よりバスケ命であった私にとっては、バスケの練習に参加することは、生活から外せないものでした。
とはいえ、頭のなかでは
「バスケばかりをやっていては、受検は失敗する」
と分かっていたので、むしろそれを励みとして勉強に打ち込んだわけです。
つまり、バスケの練習に出る以上は、
「今日の勉強は絶対にここまでやる」
と決め、決めたことは必ずやるようにしていたのです。
逆に、自分で決めたことができない以上は、練習には参加しないと心に決めていて、ある意味、バスケがしたいから勉強も頑張れたといえます。
この結果、やる時はやるとのメリハリが生まれ、ひとたび勉強に打ち込む時には、ものすごい集中力を持てたと思います。
要はメリハリをしっかり持ち、だらだらといたずらに長い時間勉強するよりも、たとえ短時間でも、しっかり集中して取り組むことが大切です。
毎日積み重ねる
学力は一日で伸びるものではありませんので、積み重ねが大事ですが、その積み重ねも、むらが無く、コンスタントなほうが望ましいです。
例えば、一日おきに5時間の勉強をするのなら、2時間でもよいから毎日励む方がよいです。
ムラが大きかったり、過度に無理があったりすると、なかなか継続できず、積み重ねられないものです。
実際に、一日10時間以上の勉強をした日もありましたが、その日の後半には、集中力が低下してしまって、あまり身に付かなくなってしまったことがありました。
そればかりか、翌日はその反動で、全くやる気が起きなくなって、勉強に手が付けられなくなったこともありました。
要は、無理のないボリュームを、毎日休まず、継続して積み重ねることです。
いろいろ手をつけない
受験勉強のための教材はたくさんありますが、やたらと手を付けないことが大事です。
あの参考書も、この問題集も、こちらの教材もと、いくつも欲張って手をつけても、中途半端になってしまうからです。
例えば、
「英語はこの教材と、この参考書を中心に進め、時間があればこちらもやってみる」
などと方針を決めたら、それ以上は手を広げないことです。
受験勉強用に作られた、きちんとした教材であれば、その教材をマスターすることで、その教材が目指す結果を得られるものです。
しかし、あちこち手を出すと、どれも中途半端になって、バランスよく学力を身に付けることができなくなります。
学力を伸ばそうと思うと、あれもこれもと色々と手を広げたくもなるのですが、たとえ欲張っても、実際にはそれほどできるものではありません。
この教材をやると決めたら、やたらと他の教材には手を出さずに、決めた教材を、とことんマスターすることが大事です。当然、教材を厳選することが重要です。
私の場合は、大手の予備校に通っていましたので、そこで使う教材を中心にして、まずそれを徹底的にマスターすることに努めていました。
そして、その教材では足りない部分を補う意味で、他の教材を揃え、補助的な教材として、並行して使っていました。
最低ラインを決める
あの勉強もしなければ、これもマスターしたい、それも身に付けなければ、などと欲張ってもこなせません。
実際に、計画を立ててみたところで、計画通り行かないもので、一般的には計画よりも、遅れる傾向にあります。
遅れてしまうと、気負ってしまい、焦りばかりが先行してしまいがちですが、それでは悪循環になります。
まずは、少し頑張ればこなせるボリュームの計画を立てて、基本的には、それを遂行するように努めます。
しかし、その計画はあくまでも計画であって、それを「努力目標」という位置づけにして、「可能であれぱ完遂する」ことにするのです。
そして、それとは別次元に、ボリュームを落とした、これだけは必ずやるという、最低ラインを引いて置くのです。
こうすれば、たとえ計画通りできなくても、
「最低限やるだけのことはやった」
ということになり、あまり焦ることもなく済みます。
以上が、私が受験を乗り越えて成功した秘訣です。万人に当てはまるやり方とは限りませんが、きっと何かしらの役に立つことでしょう。