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夏至の日の入り時刻や冬至の日の出時刻が一年で最も遅い訳ではない。

以前、仕事がとても忙しくて、早朝出勤が何カ月も続いていた時期がありました。

忙しい状態で年を越し、以前と変わらぬ早朝出勤をした新年早々のある日のこと、

冬至を過ぎたのに日の出がぜんぜん早くなっていない。むしろ日の出が遅くなっている

と感じました。

日の出日の入り時刻と夏至冬至の昼の時間との関係は?

感覚との違いに不思議に思う

冬至は一年で最も太陽が出ている時間が短い日だから、冬至を過ぎれば日の出時刻は徐々に早くなるハズでは…

と不思議に感じた私は、何げなく職場でそのことを話題にあげました。

すると、ある人が

冬至や夏至は太陽が出ている最短、最長の日ではあるけど、必ずしもそれらの日に、日の出時刻や日の入り時刻が最も遅くなったり、早くなったりする訳ではないでしょ!

と言ってきました。

それを聞いていて

あっ!そうか。そういうものか。なるほど

と一応は納得したのですが、その後も気になっていました。

そこで今回、実際にどれくらいのズレがあるのかを確認してみることにしました。

日の出・日の入りとは

確認する前に、言葉の定義を整理しておきます。

まず、「日の出」ですが、デジタル大辞泉によれば

太陽の上縁が東の地平線に出た瞬間

を表し、「日の入り」については、

太陽の上縁が西の地平線に沈み切った瞬間

を表します。

分かりやすく言えば、日の出は太陽が東の空から見え始める瞬間を意味し、日の入りは太陽が西の空に見えなくなる瞬間を意味するといっていいでしょう。

次に、夏至ですが

太陽の中心が夏至点(黄道上で、黄経90度の点)を通過する時で、北半球では一年で昼が最も長く、夜が最も短い日のこと

を意味します。(同要約)

更に、冬至ですが

太陽の中心が冬至点(黄道上で、黄経270度の点)を通過する時で、北半球では一年で昼がいちばん短く、夜がいちばん長くなる日のこと

を意味します。(同要約)

上記で「黄道」とは、地球から見て、天球上を太陽が1年かかって1周する大円の経路のことを意味します。

以下の説明では、日の出から日の入りまでの時間は「昼の時間」と呼ぶことにします。

ちなみに日照時間という言葉は、直接日光が地表を照らす時間なので、意味が少し違います。

また、可照時間という言葉もありますが、太陽の中心が東の地平線に現れてから西の地平線に没するまでの時間を意味しますので、日の出から日の入りまでの時間とは差を生じます。

実際にグラフで確認

それでは実際にデータで確認してみましょう。

データは東京天文台が公開している今年(2019年)の長野(私の居住地)における日の出時刻、日の入り時刻をもとにしました。

端的にグラフにしてみましたので、それを見るのがいちばん分かりやすいと思います。

日の出時刻、日の入り時刻、昼の時間

グラフにおいて横軸は1月1日から12月31日の一年間の日付を、縦軸は時間(日の出時刻、日の入り時刻、昼の時間)を意味します。

縦軸については、時刻としての時間(日の出、日の入り)と長さとしての時間(昼の時間)を同じ軸に示していますのでご注意下さい。

各折れ線の意味は下記の通りです。

水色線:日の出
オレンジ線:日の入り
灰色線:昼の時間

また、昼の時間が最も長い日を縦の赤線で、最も短い日を縦の青線でそれぞれ示しておきました。

グラフをパッと見て直ぐに目につくことは、ピーク点がずれていることです。

夏至の場合

夏至は最も昼の時間が長い日ですから、グラフの昼の時間(グラフ中の灰色線)が最も長くなっている点になります。(縦の赤線

しかし、日の出が最も早い日のピークと、日の入りが最も遅い日のピークはこの夏至よりもずれていることがグラフから分かります。

より具体的な日付で見ると、夏至は6月22日ですが、日の出(グラフ中の水色線)が最も早いのは6月14日で、日の入り(グラフ中のオレンジ線)が最も遅いのは6月29日になっています。

それぞれ、一週間くらいずれていることが分かります。

冬至の場合

一方、冬至については最も昼の時間グラフ中の灰色線が短い日ですから、グラフの昼の時間が最も短くなっている点になります。(縦の青線

しかしグラフを見ると、日の出が最も遅いピークと、日の入りが最も早いピークは、この冬至よりもずれていることが分かります。

より具体的な日付で見ると、冬至は12月22日ですが、日の出グラフ中の水色線が最も遅いのは1月6日頃で、日の入りグラフ中のオレンジ線が最も早いのは12月6日頃になっています。

冬至の場合、それぞれ二週間余りずれていることが分かります。

ちなみに「頃」と表現したのは、秒単位のデータが公開されてなく、正確な比較が出来なかったからです。

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まとめると

以上を簡単にまとめると、

  • 夏至は、日の出が最も早い日と、日の入りが最も遅い日とのほぼ中間の日に相当し、それぞれから一週間ほどのズレがある。
  • 冬至は、日の出が最も遅い日と、日の入りが最も早い日とのほぼ中間の日に相当し、それぞれから二週間余りのズレがある。

そして、このことから言えることは、

  • 夏至より前から日の出は遅くなり始め、夏至が終ってからも暫くは日の入りは遅くなる
  • 冬至より前から日の入りは遅くなり始め、冬至を過ぎても暫くは日出が遅くなる

ということです。

換言すれば、夏至を起点に日の出が遅くなり始めたり、日の入りが早くなり始めたりする訳ではありません。

また、冬至を起点に日の出が早くなり始めたり、日の入りが遅くなり始めたりする訳でもありません。

冬至も夏至も、日の出時刻や日の入り時刻のピークとはズレがあるのです。

今回は、2019年における長野のデータを見てみましたが、地域やその年によっても少し差があるだけで、ピークがズレルという点では変わり無いようです。

ちなみに、私があの時に違和感を覚えたのには更に理由がありました。

冬至における日の出は6時56分でしたが、それ以降、日の出時刻は更に遅くなり、1月2日~1月11日の間が日の出時刻7時00分と最も遅い時期で、再び日の出が6時56分に戻るのは1月22日になっています。

つまり、

冬至より1ヶ月経過した日においても、日の出時刻は冬至の日と変わらない

と言え、そのことが

時間が経過しているのになかなか日の出時刻が変わらない

という感覚を強くさせていたのです。

実際に数値で確認してみると、人間の感覚との関係が良く分かって面白いですね。

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