スギ花粉症の根本療法である舌下免疫療法の治療を始めて3ヶ月が経過します。
ようやく投薬が習慣になってきた頃で、色々な面で落ち着いてきました。
前回(その2)は、薬を始めて服用した時の様子や、治療開始から2週間でどのような副作用が表れたかについて述べました。
前回(その2)記事舌下免疫療法の体験談その2-服用開始後の副作用や今後への手応えは?!
今回は3ヶ月間治療を続けて来たことを背景に、身体に表れた副作用の状況の変化や、今までにかかった治療費、いよいよ迎える最初の花粉飛散時期に向けての手ごたえなどについて述べます。
目次
3ヶ月経過
さて、私が耳鼻科への通院を開始したのは昨年(2019年)の10月19日で、実際に舌下免疫療法の治療を開始したのが、その年の11月2日でしたから、3ヶ月が経過したことになります。
いよいよ2月からはスギ花粉が飛散し始め、春先にかけて本格的なシーズンを迎えますが、シーズンを迎えるに当って、今まで治療を継続してきた体験をまとめたいと思います。
今回まとめる内容は下記の4点についてです。
(1)服用の習慣
(2)副作用
(3)手応え
(4)費用
具体的には、
(1)服用の習慣は、薬を継続して服用する習慣化がカギであること
(2)副作用は、開始当初に症状が表れた副作用がその後どのようになったか
(3)手応えは、飛散時期を迎えるに当って効果がどれ程期待できるか
(4)費用は、今までに実際どれくらいの費用がかかり、今後どれくらい見込まれるか
について、述べて行きます。
(1)服用の習慣
服用方法
まず、服用の習慣についてです。
この治療方法は、ひと言で言えば、3年以上に渡って薬を飲み続けることに尽きます。
従って、薬を服用する習慣をつけることがカギと言えます。
実際の服用方法は、口内の舌下に薬を置いて1分経過したら飲み込むというものですから、水やお湯は要らず、簡単に服用することができます。
しかも一日一回の服用でよく、服用する時間帯については、一応「朝食前」と言われていますが、担当医は
「朝食時に合せて服用するのが望ましいが、実際は一日のうち、いつ服用しても良い」
と話していましたから、事実上は制約がありません。その時、
「なぜ、朝食時に合せて服用するのが望ましのか?」
と、その理由を問いましたが、担当医は
「万が一体調に何か異変が起きた場合でも、日中なら医療機関も開いていて対応しやすいから」
と話していました。
習慣化がカギ
そんな経緯から、薬を朝服用することに決めましたが、飲むのを忘れないようにするため、飲むタイミングを決めることにしました。
薬の服用前後の5分間は飲食禁止なので、朝起きてから朝食を摂るまでの間が望ましいと思い、顔を洗って服を着替えるタイミングに合せて服用することにしました。
これは、一連の身支度を整える時に合せて服用することで、忘れずに服用できると考えたからです。
実際に、このリズムで服用するようにしたことで、殆ど忘れずに飲むことができるようになりました。
それでも、この3ヶ月間では、朝飲み忘れたのが4回、完全に(その日)飲み忘れたのが2回ありました。
朝飲み忘れた4回はその日のうちに飲むことができましたが、完全に飲み忘れた日は、朝から晩まで多忙で、ずーっと時間に追われていた日でした。
その日は、頭の中に「朝飲み忘れたから後で飲まなきゃ」という意識はあったのですが、あまりの忙しさに、結局その日のうちに飲むのを忘れてしまったのでした。
とは言え、3ヶ月間で飲み忘れが2回ならまずまずだと思っています。
とにかく、顔を洗う時、食後の休息の時、などなど服用するリズムを決めて習慣化することが大切だと感じています。
また、習慣化することで却って「今日飲んだっけ?」などと混乱するケースも出てくるかと思います。(私も、実際にありました)
そんな場合は、何かチェックシートみたいなものに記入するとか、カレンダーに印をつけるとかなどの方法が有用だと感じます。
場合によっては、処方された薬の1つ1つに日付を書いておく方法も良いかもしれませんね。
服用に当たっての手間など
服用はそれほど煩わしくない
さて、薬の服用を習慣化すると、服用することの手間や煩わしさが気になるところだと思います。
しかし、私個人の感想としては、「気にするほどのことはない」というところです。
その理由は、服用に際して水が不要であること、服用する時間帯に決まりがないこと、があげられます。
要は、手間や煩わしさはほとんどないと考えていいと思います。
敢えて言えば、服用するタイミングとして、前後5分間は飲食禁止であること、服用後は風呂や運動は避けるべきこと、を注意して服用することが煩わしい点です。
逆に言えば、それ以外はあまり気に掛けることは無いので、薬を服用する習慣だけ身に付ければハードルは高くないハズです。
通院は少し煩わしいが
唯一煩わしいと言えるのは、月一回の通院です。
薬は最大で30日まで処方できる決まりになっていますから、通常は1ヶ月に1回だけ通院することになります。
従って、薬が切れないように「今月はいつ通院するか」だけ気に留めて通院すれば、それほど難しいことではありません。
ただ、月に一回は必ず通院しなければならないという制約だけは逃れることはできませんので、これは覚悟するしかないと思います。
それでも、3回の通院のうち2回は事実上、薬の処方だけで済みますから、思うほど煩わしいものでもありません。考え方によっては、実質上、3ヶ月に1回の通院とも言えますからね。
(2)副作用
症状が和らぐ
次に、副作用についてです。
服用を開始してから直ぐに副作用が出たことについては、前回の記事(その2・服用開始ご2週間までの記録)で既に述べました。
その時の状況を要約して言えば、薬の服用直後に咽のかゆみと全身のだるさが出て、その日はその状態が一日中続いて行き、日を経るごとに少しずつ症状が和らぐのを感じたというものでした。
その後、そのような状況は直ぐには変わらなかったのですが、確実に副作用の症状が和らぐのを感じました。
そして、投薬を開始してから、1.5ヶ月くらい経過した頃には、投薬直後に感じていた咽のかゆみはほぼ感じない状態になりました。
但し、ちょうど1.5ヶ月くらい経過した頃に1回、朝飲み忘れて夜遅く服用したことがありましたが、その翌朝服用した直後には、少しだけ咽のかゆみを覚えました。
恐らく、前日夜と当日朝の服用間隔が短かったことに起因するのだと思います。
しかし、その後、3ヶ月目に入ってからは、同じような状況(朝服用するのを忘れて夜服用し、時間をあけずに翌朝服用)になっても、喉のかゆみは感じませんでした。
これは恐らく、身体が徐々に慣れてきたことのあらわれなのでしょう。
気になる副作用
だるさが残る
一方、副作用の症状が和らいだとはいえ、これとは逆に気になる点もありました。
まず、薬を服用することで、花粉症独特の身体のだるさを覚えたことは体験談その2でも触れましたが、これについては3ヶ月を経過した今でも少しだけ残っています。
もちろんその程度については和らいでいるので、あまり気にならなくはなっています。
しかし、喉のかゆみのように、明らかに症状の出かたが変わったと言えるほどは和らいでいないのです。
そして、気にならない程度ではあるものの、時として症状が悪くなって気になることもあるのが実態です。(詳細は後述)
頭痛や身体のかゆみも
また、薬の服用を開始して2週間くらいでは感じなかった症状も感じるようになりました。その症状とは、頭痛と身体全体のかゆみです。
頭痛については、一般に舌下免疫療法によって生じる副作用のひとつと言われていますが、本来は”頭痛持ち”でもない私が、以前と比べて、頭痛を感じる頻度が上がった気がします。
この頭痛の症状については、常に症状に悩まされるという訳ではなく、たまに少しだけ頭が重い感じ、ちょっと痛いような感じがするという程度です。従って、症状の軽重と言う意味では、決して重くはありません。
正直なところ、頭痛の発生が副作用による影響であると100%言い切ることはできないくらいです。要は、以前からの私の頭痛の経験を考えた時、恐らく副作用であろうと思えるのです。
また、身体全体のかゆみですが、これも頭痛と似ていて、何となくそのように感じる程度です。感覚的には、「薬の服用と関係がありそうな感じがする」というところです。
つまり、頭痛も身体のかゆみも、断言はできないけれど副作用なんだろうなという感じです。
体調に依存
だるさは体調の影響が大きい
さて、このように服用を始めてから3ヶ月間、副作用と思われる症状がいくつか表れて来ました。
これらの副作用は、いずれも緩和する方向に進んでいることは事実ですが、症状の表れ方は一定ではなく、その時の体調が大きく影響することを強く感じます。
生活していれば、睡眠不足になる時もあれば、疲労がたまる時期、風邪気味になることなどもあると思います。
こうした身体の状態が悪い方向に変わる時、即ち体調がすぐれない時は、その分だけ、副作用の症状も表れやすくなります。
これは、当たり前と言えば当たり前なのでしょうが、言い方を変えれば体調に対して敏感になると言えます。
体調がすぐれない時は、花粉に起因する独特のだるさが増幅されますし、逆に、かなりだるいと感じる場合は、必ずと言ってよいほど体調がすぐれない時です。
当然、体調が優れている時は、副作用の症状も表れにくく、表れてもあまりツライ思いをしません。
風邪をひいたとき
昨年末、つまり治療を始めてから2ヶ月くらいの時に、体調を崩して(風邪をひいて)寝込んだことがありました。
その時に感じた身体のだるさは、単なる風邪のだるさだけでなく、花粉で感じてきた特有のだるさを強く感じ、花粉の薬が影響しているのだと実感しました。
その時は、実際に身体が凄くだるくて、「この治療を続けるのはツライ」という思いも湧いてきましたが、風邪が治ってしまえばどうということでもありませんでした。
あくまで、一時的なことなので、我慢できたという感じです。
これは「治療中は体調管理に注意するに越したことはない」と強く感じた経験となりました。
副作用か体調不良か
さて、副作用の症状の表れ方が、体調に依存することは分かって頂けたかと思います。
しかし実際には、身体に表れる症状が、副作用によるのか、体調不良そのものによるのか、或いはその両者によるのか、判別しにくいことがよくあります。(卵が先か鶏が先かみたいな…)
大抵の場合は、単なる風邪だろうとか、副作用の影響だとか、風邪の症状が副作用によってよりひどくなっているなど、判別はできます。
しかし、判断しにくいケースもあり、その原因が不明なことが多くあるのです。
これは、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月と治療を長期に渡って継続すればするほど、判別しにくくなっていくと感じます。
それは、身体の状態に慣れてしまうと同時に、副作用の影響も徐々に小さいものになって行くからです。
しかし、これら判断しにくい2つの要因「身体が慣れる」、「副作用が小さくなる」は、良い方向に向かっていることの表れなのでしょうから、前進している姿と言えます。
そういう意味では、喜ぶべきことなのでしょう。
もしできることなら、薬の服用を中断して、副作用の影響なのかどうかを判断してみたいところでもあります。しかし、それはそのまま治療の中止を意味してしまいますから、残念ながらできませんね。
(3)手応え
以上、副作用の症状について書いてきましたが、これらのことから言えることは、花粉症に対する効果が期待できるということです。
もっと端的に言えば、花粉症の改善に対して手応えを感じます。
上記にも書きましたが、治療開始から1ヶ月半経過した頃には、服用直後の咽や耳のかゆみは全くと言っていいほどなくなりました。
また、花粉による独特の身体のだるさも残ってはいるものの、当初と比べるとゆっくりとは言え、徐々に軽減していることを感じます。
こうしたことから、身体のアレルギーに対する反応が鈍感になってきている、つまり、過剰な反応をしなくなってきていて、その結果、現れる症状も軽くなっていると言えます。
このことから、実際にスギ花粉が飛散した場合でも、以前に比べて症状が緩和できるのではないかと期待ができるのです。
この治療方法による効果には個人差があって、完治する人もいれば、改善する人、全く効果が無い人もいると言われています。
しかし、私の場合、3ヶ月と言う短い期間だけでも、「多少なりとも効果が得られそうだ」という手応えをつかむことはできました。もちろん、最終的にどこまで効果が得られるかは別な話でしょうが。
これを励みとして、今後も治療を継続してゆこう、励んで行こうと思っています。
いよいよ、もうすぐ最初の飛散時期を迎えますが、以前とは違った症状の緩和が期待できそうです。
(4)費用
ではここで、治療費について、現時点までを簡単にまとめておきます。
実際にどれくらいの費用が掛かるかは誰しも気になるところだと思いますから。
治療開始に当たって医師から聞いていた費用は、月当たり約2000円(患者3割負担時の患者負担分)でした。
実際にどうであるか、ここまで掛かった治療費を見てみましょう。
初回 診察+検査(10/19)5680円
2回 診察+処方(11/2)1650円
3回 診察+処方(11/16)1880円
4回 処方(12/13)1730円
5回 処方(1/22)1730円
初回の診察では、アレルギー検査を実施していますので、少し高額になっています。
私が選んだ検査方法は36種類のアレルギーを調べられる、ちょっと高額な検査方法でしたからなおさらです。
また、治療開始当初の11月は、通院間隔が短かった分だけ割高になっています。
しかし、それ以降は毎月ほぼ2000円弱ですから、当初から聞いていた「月2000円」は、ほぼその通りと言っていいのではないでしょうか。
もちろん、医療機関によって差はあるでしょうし、副作用の出かた次第で、必要な処置に伴う費用の増加もあるでしょうが…。
この治療費用については、治療が全て完了した時に、改めた数値をまとめる予定ではいますが、現時点の見込みとしては、最低限かかる費用としては、やはり「月2000円」を見ておけば良いと感じています。
以上、治療開始から3ヶ月経過するまでの体験をまとめました。
次回は、実際に花粉の飛散時期に入ってどのような反応があったかについて書く予定です。
次回連載花粉の飛散時期である2020年春先に掲載する予定です