都内で生まれ育った私が長野に引っ越してから約十年。
その間、「長野ならでは」と感じることが色々ありました。
そして今回、改めてタクシーの事情が全然違うと実感しました。
あっ!タクシーだ
きっかけは、先日、タクシーが路上を走っている姿を見かけて、ふと「珍しい」と思ったこと。
日曜の早朝にも関わらず、普通にタクシーを見かけたから少し驚いたんですね。
って書くと、「何が珍しいの?」って思う人もいるでしょう。
でも、長野にはタクシーが無い。
言い間違えました、きわめて少ないのです。
我が子がティストで100点満点を取るくらいの確率。
砂漠のど真ん中に泉が湧いているくらいの頻度かもですね。
とにかく、とても珍しいことなんですね。
長野は、タクシーを絶滅危惧種に指定すべきなんです。
都内とは大違い
では、都内ならどうでしょう。
もし、少し外出しただけでも、何台ものタクシーが目に入って来ます。
逆にタクシーに遭遇しないで過ごすことの方が無理。
都内の幹線道路沿いを、10分くらい歩いてみて下さい。
タクシーを1台も見かけないなんてこと、まず無いですよね。
川に行けば水がある。都内に行けばタクシーがある。
遭遇しない方が困難。
長野と都内とでは、とても大きな違いがあるのです。
タクシーはあるにはあるが・・・
と言うからには、タクシーは本当に無いのか。
そんなことはありません。
居るところに行けばきちんと居ます。
でも、生息地域が限られているんです。
例えば、長野駅の周辺。
それなりの台数のタクシーが待機しています。
まぁ、新幹線の停車駅ですから、ある意味では当然ですが。(熊が出没する駅ではありますが…)
でも、中心地から離れた他の駅だと、1台も待機していないのも普通のこと。
タクシー乗り場があっても、実際にタクシーを見かけないなんてことも珍しくありませんね。
電車の運行本数がけっこうある時間帯でも、1台も待機していない場合もあります。
「この駅、タクシーが待機することあるの?」
って思う駅も少なくありません。
長野では、驚くほどタクシーを見かけないのです。
路上でタクシーは捕まらない
このように、タクシーを見かけないくらいですから、路上で空車タクシーを捕まえるなんて無理ですね。
国道や県道などの幹線に出ても、まず無理。
存在しないものを捕まえること自体が不可能なのです。
恐らく都会で、カブトムシを捕まえる方が簡単でしょう。
もし、都内を歩いている時、疲れたならタクシーを捕まえようって話になります。
そんな時、交通量がある大通りで少し待てば、たいていは、空車タクシーは捕まります。
でも、長野では無理、無理、無理。絶対に無理なのです。
そもそも空車タクシーを捕まえるという感覚そのものが1ミクロンもありません。
概念が無いんですよ。
恐らく、その感覚を持つ人は、都会から来た人だけ。
実際、空車タクシーを捕まえようなんて考えている人は地元に一人もいませんね。
長野に住んでいる人は、タクシーは主要駅などで待機しているか、呼んで利用(迎車)するサービスだと思っているんです。
迎車を利用しようとしても
って話をすると、「じゃあ、タクシーを呼べばいいんだ」って思うハズ。
でも、実際は、そんなに簡単じゃあありません。
呼んでも、来ないんです。
言い間違えました。
呼んでも、なかなか来ないんです。
もし、東京でタクシーを呼ぶと、近くを通行中の空車を直ぐに手配してくれます。
なので、10分もあれば迎車が来てくれます。
でも、長野だと・・・。
私が、最初にタクシーを利用しようとした時、言われた言葉は、
「30分くらいお待ちください」
です。
「3分の間違いじゃない?時間軸、狂ってない??」
と、地球が逆回転するのではと思うほど驚きましたね。
もちろん、場所やタイミングによって変わりますが、これが普通です。
過疎化が進む利用がよく分かると思います。(県庁所在地でありながら、これが現実!)
長野の交通事情
「それなら、バスを利用すればいいじゃん。」
今、そう言いましたね。
でも、バス路線はそれほど網目のようにはなっていないのです。
「乗り換えて、あとは歩けばいいじゃん。」
そんな声も聞こえてきました。
まだ、長野の交通事情を理解して頂けていないようです。
通勤通学時間帯は別として、日中の運行本数は1時間に1本が普通。
路線によっては、2時間に1本ってこともあります。
なので、乗り換えなんてしていたら、往路と帰路だけで1日が終わり。
バスは役に立ちません。
有っても使えない、充電切れしたスマホみたいなもの。
だから、マイカーが必須。
車が無ければ生活ができないのです。
で、気になるのが、高齢者の運転免許証の返納。
返納したら、生活できません。
でも、高齢者の運転は危ないから制限する必要はあります。
とは言っても、現実は、公共交通機関がどんどん縮小する方向に動いています。
いったいどうすべきなのか・・・。
そんな、複雑な思いを抱くに至った日でした。
ちなみに、タクシー会社としてはいくつもあり、タクシーを呼ぶこと自体はできます。
配車数が都内と比べて圧倒的に少ないから、とても時間を要するのです。