醤油やソースなどの調味料は、冷蔵庫内に保存しているでしょうか、それとも常温で保存しているでしょうか?
かつて、私の実家では、これらの調味料を冷蔵庫に入れて保存したことが無く、その環境で育った私は、こうした調味料は、常温で保存するのが当たり前だと思い込んでいました。
学生時代にアルバイトをしていた飲食店でも、客席に置いてある醤油は、営業時間外に冷蔵庫に保管することなど、していなかったこともあり、なおさら当たり前だと思っていました。
実際に、そのような保存状態で使っていて、腐ってしまったとか、味がおかしくなったとかの異変は起きたことがなく、ずーっと常温保存で問題ないという感覚でいたのです。
冷蔵庫保存なの?
結婚してまもなくの頃、妻が醤油を冷蔵庫に入れる姿を見て
「そんなの冷蔵庫に入れなくていいんだよ」
と言った記憶があります。
その時、調味料のラベルを示しながら
「何いってんの?」
と、勝ち誇ったように訴えかけてきた妻に対して、こちらが
「何いってんだ」
と思ったくらい、私にとっては常温保存が当たり前だったのです。
そして、妻が示した調味料のラベルを見て、
「なんだ。保存方法は常温保存って書いてあるじゃん」
と思いきや、別欄に
「開封後は、冷蔵庫に保存してお早めにお使い下さい」
との記述があるのを発見して、少し衝撃を受けたくらいでした。妻の冷たい視線を感じつつ…。
生まれてこの方、なん年もの間、常温保存が当然だと思い込んで来たことが、当然ではなかったのかとの思いでした。(ショック!!)
でも、今まで何も問題なかったし、飲食店でも常温で保存していたし、
「どうして?」
との疑問がずーっとぬぐえませんでした。
確認したら両方ある
そこで今回、身近にあった調味料3点(ソース1点、醤油2点)の表示を改めて再確認してみました。
その結果、保存方法については、やはり「直射日光を避け常温で保存してください」との記述になっていました。
しかし、3点ともそれとは別に「開栓後は 」という但し書きも記述してありました。
その但し書きは、ソースについては明確に「開栓後は冷蔵庫に」との記述がありました。
しかし、1.8リットル入りの調理用の醤油には「開栓後は、冷蔵庫または冷所に保存し、お早めにご使用ください」とありました。
また、330 ミリリットル入りの食卓用の醤油には、開栓後の取扱いとして「開栓後は常温で保存し、90日を目安にご使用ください」とありました。
これらから、醤油は必ずしも冷蔵庫に入れる必要はないことが分かりました。
以前、妻が私に示した商品は確かに「開栓後は冷蔵庫に」と記載されていました。
従って、ソースはともかくとして、醤油の場合は、商品によって保存の方法が微妙に異なるのだと改めて分かったのでした。
状況に応じた保存方法
醤油の場合は恐らく、発酵作用を応用して製造していることや、アルコールを微量含むことから、他の調味料と比べても比較的、保存が効くのでしょう。
従って、必ずしも冷蔵庫で保管する必要がない場合もあり、早目に使うのであれば、むしろ、風味を保つためにも、常温が望ましいのではないでしょうか。
醤油は、製法や含有成分が微妙に異なる商品もありますし、使用用途、内容量や想定使用期間などの違いもあります。
従って、これらのいろいろな要素を考慮して、開栓後の保存方法を決めて表示しているのでしょう。
いずれにしても、商品ごとにラベルの表記を確認して、それに従った保存方法にするのが無難ですね。
メーカの情報によると
と言うことで、商品のラベルに従えば間違いない訳ですが、やはり知りたくなるのはメーカの見解です。
醤油についてはキッコーマン、ソースについてはブルドッグが大手ですので、それぞれの公式サイトをのぞいてみました。
すると、
- 醤油:本来は保存食品に相当するので保存が効く
- ソース:スパイス等を多く使用しているので保存性が高い
ということです。
要するに、「どのように保存するのが望ましいか」とは別の話として、醤油もソースも保存しやすい調味料だということです。
世間でよく常温保存されている理由として、こういう背景があるのですね。
醤油は発酵食品、ソースはスパイスを豊富に利用。
考えてみれば、保存しやすいのは当たり前で、なるほどなっとく、という感じがします。
しかし、いざ実際の保存方法(開封後)になると、メーカは基本的に常温保存を勧めていません。
具体的には、
- 醤油:冷蔵庫に入れて1ヶ月以内。冷蔵庫保管をお奨めする。
- ソース:冷蔵庫の保存した場合の使用目安は〇〇日間です。
のような表現がされています。
ここで、着目すべきは「必ず冷蔵庫に」のような強い表現がされていないことです。
これらの意味を考えると、風味や鮮度などの品質面を考えた場合に、冷蔵庫保存が望ましい(推奨)と解釈できるでしょう。、
そして、醤油の場合は、「いつでも新鮮シリーズ(キッコーマンの製品)の商品は開栓後も常温で保存」という表現があります。
いつでも新鮮シリーズは、酸化を防止する密閉構造のため劣化しにくくなっているのですが、敢えて「常温で」と記述しているのは、冷えた調味料よりも常温の調味料の方が美味しいことが理由なのでしょう。
実際、料理にソースや醤油をかけて食べる時、その調味料が冷え切っていると、ちょっと嫌な感じ、美味しさを損ねる感じもします。
次に着目したい点は、保存温度と使用期間です。
メーカのサイトなどを見ていると、保存方法と関係する「保存温度」や「使用期間」に絡む言葉が出てきます。
具体的には「特に夏場は冷蔵庫に」とか、「冷暗所に保管」、「○○日を目安に使いきる」などです。
これから、温度が高い程よくない、使用期間が長い程よくない、ことが分かりますが、逆に言えば、冷蔵庫保存すべきかどうかの判断はこれらがカギになると言えます。
例えば、「冬場で、且つ早めに使い切ってしまう場合は、敢えて冷蔵庫に入れることもない」と言えるでしょう。
醤油やソースの保存方法。けっこう深いですね。
醤油やソースを保存する場合、それぞれの特性をよく理解した上で、季節や使用状況に応じた保存をするのが現実的と言えるでしょう。