神流町(かんなまち)恐竜センターは、日本にある恐竜博物館の中でも比較的、充実した施設であり、恐竜好きな子供達にとってはとても魅力的な施設と言えます。
しかし、立地場所が市街地から離れた山間部であるため、アクセスは簡単ではありません。
従って、神流町恐竜センターを訪れる場合には事前にアクセス方法をしっかりと考えておくことが大切です。
ここでは、最も気に掛けるべきアクセス方法を中心に、施設全般を紹介します。
目次
施設概要
神流町恐竜センターは、1985年(昭和60年)当時、日本において最初に恐竜の足跡が発見されたことをキッカケに村おこし(当時、神流町は中里村と呼称)のために、「恐竜王国」を目指した活動がスタートし、その一環として2年後の1987年に開設されました。
この恐竜センターは、博物館としての機能を有しているだけでなく、キャンプ場や食堂なども兼ね備えていて、恐竜王国としての中心的な施設になっています。
恐竜センター内には、神流町で発掘された恐竜の化石はもちろんのこと、古代生物の化石や海外で発掘された恐竜の化石なども展示されていて、とても見ごたえがあります。
恐竜好きな子供なら、一度は連れて行きたい場所です。
ちなみに、2003年(平成15年)に、中里村と万場町が合併して神流町と呼称するようになっています。
入館料は令和元年5月から、大人800円、子供(小中学生)500円になっています。
その他、施設の詳細については公式サイトが便利です。
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アクセス方法
恐竜センターの所在地である神流町は、周辺が藤岡市、下仁田町、秩父市などに囲まれた山間部にあります。
ここへのアクセス方法を大別すると、自動車と公共交通機関の2通りがありますが、利便性を考えると、自動車が断然おススメです。(恐竜センターの駐車場はもちろん無料です)
自家用車が無い方でもレンタカーなどを手配して自動車でアクセスする方が良いかと思います。
免許が無い場合など、公共交通機関を利用せざるを得ない場合は、バスの時刻や全体の工程を事前にしっかり計画しておくことをおススメします。
具体的なアクセス方法は以下の通りです。
自動車
自動車を利用する場合、恐竜センターの近くに高速道路は通っていませんから、一般道を利用することになります。
現実的なルートは下記の4つです。
(1)藤岡市から国道462号を通る
(2)下仁田町から国道254号、県道45号、国道299号を通る
(3)佐久市から国道299号を通る
(4)秩父市から県道37号、国道299号を通る
一般道の走りやすさという点では、ルート(1)かルート(2)がおススメです。上記4つのルートの詳細は下方に記載します。
◎首都圏からは
首都圏からアクセスする場合は、関越自動車道を利用して本庄児玉インターチェンジで降りルート(1)を利用するのが便利です。
一般道をあまり走りたくない人は、関越自動車道から上信越自動車道に入り、下仁田インターチェンジで降りてルート(2)を利用するのもひとつの手段です。
但し、遠回りする分だけ(1)よりも時間はかかります。
また、首都圏でも秩父方面に近い人や、高速道路を使いたくない人、ドライブを楽しみたい人などはルート(3)を利用するのも良いでしょう。
◎北陸・長野方面からは
北陸・長野方面からは、上信越自動車道を利用して下仁田インターチェンジで降り、ルート(2)を利用するのが便利です。
山道を走るのが好き、高速道に乗る距離は短い方が良い、と考える人は高速道路を佐久市内で降り、ルート(3)を利用するのもひとつの方法です。
◎新潟方面からは
新潟方面からは上越自動車道を南下して藤岡インターチェンジで降り、ルート(1)を利用するのが便利です。
一般道をあまり走りたくない人は、上越自動車道から上信越自動車道に入り、下仁田インターチェンジで降りてルート(2)を利用するのもひとつの方法です。
◎山梨・甲府方面からは
甲府などの山梨方面からのアクセスは、高速を利用すると遠回りになりますので、ルート(4)を通る一般道だけを利用するのが便利です。
◎その他の地域からは
その他の地域からアクセスする場合、ルート(1)~ルート(4)のいずれのルートが一番適しているのかを検討して、これら4つのルートから選択するのが最適です。
これ以外のルートの場合、険しい山道が多くなるため適切ではありません。
上記4つのルートの中では(1)と(2)が比較的、走行しやすいですから、他に立ち寄る場所や宿泊地域なども考慮して、可能な限りルート(1)かルート(2)の利用をおススメします。
ルート(1)藤岡市からアクセス
首都圏からアクセスする場合、関越道の本庄児玉インターが便利で、藤岡市を経て国道462号を通って恐竜センターへ向かう方法が最適です。
新潟方面からアクセスする場合、関越道の藤岡インターが便利で、藤岡市(県道23号、13号)を経て国道462号を通って恐竜センターへ向かう方法が最適です。
では、本庄児玉インターから恐竜センターまでのルートを見てみましょう。(藤岡インターからのルートも基本は同じです)
本庄児玉インターから恐竜センターまでは国道462号を通ります。
距離は47.1kmで所要時間は80分と言われていますが、実際の時間は1時間半くらいは見ておきたいです。
特に、神流湖付近は山道でカーブが多くて速度が出せませんから、思ったよりも時間が掛かります。
山道と言うほどではありませんが、ところどころ橋やトンネルがあるような道路で、山間部の道としては距離がありますから時間を取られるのです。
藤岡市に近い方は信号機が少しありますが、山間部の道に入れば信号機はありません。
道路幅は一般国道なみですし、川(湖)沿いの道路ですから坂道は少なく、そういう意味では走りにくいことはありません。
決して交通量の多いルートではありませんが、全路線が片側一車線ですし、速度の遅い車両が前を走行していると、予想よりもかなり所要時間が長くなる可能性もあります。
ちなみに、このルートの一部では降雨量によって通行止めとなってしまう場所がありますので、降雨の場合は注意が必要です。
実際、私が通行したのは台風19号が通過した3週間後くらいでしたが、被害の影響が残っていて、一部において補修中や片側通行の状態でした。
それだけ、多量の降雨や土砂災害などの影響を受ける可能性があり、そういうルートを通るという認識は持っておきたいですね。
以上のように決して速度を出して走行できるルートではありません。
思いのほか時間を要してしまう場合があることは認識して、旅程にはゆとりを持ち、普段よりも運転には注意を払いたいものです。
ルート(2)下仁田町から
北陸・長野方面からアクセスする場合、長野道の下仁田インターチェンジが便利で、そこから国道254号、県道45号、国道462号を通って恐竜センターへ向かいます。
実際に地図を見てみましょう。
下仁田インターチェンジから恐竜センターまでは45.6kmで、所用時間は70分と言われていますが、山道を通りますので、若干ゆとりを見ておきたいですね。
このルートでは、県道45号で尾根を抜けて行かなければならないのですが、実際は湯の沢トンネルと呼ばれる3キロほどのトンネルがあるため、ほとんど平坦な道路なのです。
このトンネルは、走りやすいのですが、なかなか出口が見えない感じがして、走行していると距離が長いと感じます。
トンネルを抜けるとしばらくして川と平行に走る国道462号を通ることになりますから、山道とは言いながら、高低差のある坂道はあまりありません。
4つのルートの中では最も傾斜のない一番走りやすいルートと言えるでしょう。
敢えてこのルートの難点をあげれば、ところどころ車幅の狭い点があるところです。
特に県道45号を通ってトンネルに到るまでの区間は山間部のローカル線というイメージがあります。
私が通ったのは台風19号の3週間後でしたので、その被害の影響で、県道45号を中心に補修中や片側通行などの場所が残っていました。
このルートでも、区間の一部では降雨量によって通行止めとなってしまう場所がありますので、降雨の場合は注意が必要です。
このルートは、近辺を訪れる目的以外には利用することがありませんから、交通量はそれほど多くはありません。
また、下仁田近くに信号が若干ある他は、ほとんど信号機はありません。
しかし、全路線が片側一車線ですから、もし速度の遅い車が前方にいたら、思いのほか時間が掛かるかも知れません。
このように、このルートは坂は少ないといえ、あくまで山間部の道でトンネルもいくつもありますし、カーブも多くあります。
従って、速度を出しやすい道路ではありませんし、運転には注意をしたいところです。
旅行の日程や時間にもゆとりを持っておきたいですね。
ルート(3)佐久市から国道299号を通る
このルートは佐久市から国道299号を利用して、十国峠と呼ばれる山道を超えた後、そのまま299号を通って恐竜センターに向かいます。
ルート(1)や(2)などと比べると、十石峠という標高の高いところを通過しますので、その周辺は坂やカーブが多い山道ですから、走行はしにくいです。
可能であればルート(2)を利用する方をおススメします。降雨時や降雪時期などは避けるべきでしょう。
但し、佐久市からアクセスするのであれば、距離的には最短ですし、高速道路を利用する必要もありませんから、道路コンディションが良ければとても有用なルートと言えます。
十石峠には展望台もあって景色を楽しむこともできますから、ドライブが好きな人や自然の景色が好きな人、或いは紅葉の季節などに行く人などは、メリットは大きいと言えます。
ただし、ここは台風19号の影響で通行止めが長く続いたようなルートでもありますので、道路としてもカーブも多くあくまで山道ですから、運転には十分に注意が必要でしょう。
十石峠を抜けて山間部を下れば、あとはルート(2)と同様ですから、それ以降はそれほど走りにくくはないでしょう。
全体を通して、山道ですから交通量は少ないですし、信号機も基本的にはありませんが、遅い車両が前を走行していると遅延につながることはあるかも知れません。
ルート(4)秩父市から
これは秩父市から国道299号で北上するルートですが、東京西部や埼玉西部から高速を使わずにアクセスするには便利です。秩父市市街地からは一時間余を見ておけばよいでしょう。
ただし、途中には魚尾道峠と呼ばれるけっこうカーブや坂の多い山道がありますので、決して走行しやすくはありません。
また、秩父市自体が山に囲まれていますので、甲府市から国道140号を通って秩父市経由で向かう場合も、飯能市から国道299号を通って秩父市経由で向かう場合も、いずれも他の山道を通ることになります。
従って、距離としても長くなるだけでなく、坂やカーブなどが多くあるので不便です。
もし他に立ち寄る場合や、甲府市から向かう場合、ドライブが好きなどの理由がある場合を除いては、本庄児玉経由のルート(1)をおススメします。
他のルート
ここで紹介した4つのルート以外にも細かい山道を含めるといくつかのルートはあります。
しかし、他のルートはいずれも坂の多い山間部を通ることになりますから、何か他に目的が無い限りは利用しない方がいいでしょう。
カーブも多く坂も多く、とにかく走行しにくいですから、上記の4つのルートのいずれかにしましょう。
公共交通機関
さて、公共交通機関を利用する場合は、電車とバスを利用することになります。
まず、電車を利用して群馬県藤岡市の群馬藤岡駅(JR八高線)、或いは新町駅(JR高崎線)まで行きます。
そして、神流町方面(新町駅発、上野村ふれあい館行き又は、上野村しおじの湯行き)へ向かって「恐竜センター」停留所で下車します。
ちなみに、恐竜の足跡の地へ行く場合は、古鉄橋停留所で下車し、そこから徒歩45分です。(帰りは逆の順路で、上野村ふれあい館発新町駅行きです)
バス路線の大まかな順は、
(新町駅→…→群馬藤岡駅→…→万場→…古鉄橋→…→恐竜センター→…→上野村ふれあい館→…→上野村しおじの湯)
です。新町駅から恐竜センターの間は48.1kmになります。(下図)
新町駅から恐竜センターまではバスでおおよそ2時間になりますので結構辛抱が必要です。
バスの時刻については、日本中央バス公式サイト(https://ncb.jp/route/index.htm)から、奥多野線の時刻表・運賃表にアクセスすれば詳細が見られます。
バス停の時刻表はあくまで通過予定時間なので実際の時刻との相違には注意しましょう。
一日当たりの運行本数は7~8本ですから、往復ともほぼ乗るべきバスが自然と決まってきます。
降雨などの影響で運行中止になる場合もあるようですから、心配な方は日本中央バス前橋営業所(電話:027-287-4422)へ確認しておくのが良いでしょう。
バスの運行状況を考えた場合、他に立ち寄るなどの旅程は自ずと制限されてしまいますから、可能な限り自動車を利用することをおススメします。
施設詳細
恐竜博物館の施設としては、けっこう充実しています。2019年上野で開催された恐竜博では、多くの展示があってとても楽しめましたが、それに引けを取らないボリュームです。
常設の博物館としてはかなりレベルが高いのではないでしょうか。
国道沿いからも目立つ建物で、通りにも恐竜の像がいくつも目に飛び込んで来るのでインパクトがあります。
駐車場や敷地内にも恐竜の像がいくつもあり、いかにも恐竜センターって感じが伝わってきます。
建物の入口では、イメージキャラクターのサウルス君が迎えてくれました。
全体
建物は本館と別館に分かれていて、展示領域は両者あわせて9つのゾーンで構成されています。
本館は食堂や休息所、お土産店を含み、主に神流町を中心とした発掘品などが展示されています。
別館は、モンゴルで発見された発掘品が多く展示され、建物もモンゴルをイメージしたデザインになっています。
全体的に、世界各地から取り寄せた化石が多く展示され、種類も豊富で見応えがあります。
恐竜だけではなく、神流町で多くの化石が発掘されることから、それにちなんだものも多くあります。
食事
さて、せっかく訪れるのならゆっくりと見たい。そう考えると気になるのが昼食ですが、館内にはきちんと恐竜食堂と呼ばれる飲食施設が具わっています。
価格も比較的リーゾナブルですからいいですね。
もっとも、恐竜センター付近には、飲食できるような場所はほとんどありませんから、どこかに立ち寄るとしても、ここでしっかりと食事をするのが良いと思います。
しっかりとしたテーブルが用意されていてゆっくりとできますし、隣接した場所にはキッズコーナーもありますから、ひと息入れるのもいいですね。
キッズコーナーには恐竜に関する本が多数あり、どれもみな見ごたえがありました。これだけ本が揃っているところは、そうそう無いと思います。
グッズ
そして気になるのがグッズ販売ですね。
お土産コーナーはスペースとしては決して広くはありません。品揃えも豊富とは言えません。しかし、恐竜センターのオリジナルグッズがあるのは魅力的です。
また、他ではなかなか買えないような商品も目に付きます。
子供が気に入りそうなグッズなどは結構そろっている感じですね。
ちょっと知り合いに簡単なお土産をという場合にも、簡単な詰め合わせなどがありますから便利です。
公式サイトでは、オンラインショップもありますから、興味のあるグッズがあればこちらから購入するのも悪くないですね。
周辺情報
恐竜センターは、神流町が町おこしとして始めた施設ですから、これ以外には「これっ!」と言えるものは特にありません。
しかし、中でもちょっと気になるのは、関東最大級と言われる鍾乳洞があることで、なかなか見られない珍しい洞窟ですから足を延ばすのも悪くはありません。
また、ちょっと足を延ばせば温泉がありますし、川が通っていますから川遊びもできます。
また、公式サイトでも紹介していますが、付属施設としてのキャンプ場がありますのでキャンプの好きな方は良いかも知れません。
以上、神流町恐竜センターを紹介してきましたが、恐竜が大好きと言う方は、ぜひ一度は訪れたい場所です。
アクセス方法をよく考えて、ぜひ一度、足を運んでみては如何でしょう。