日産自動車や神戸製鋼等後を絶たない企業の不祥事。背景には人材不足があり。

先日、日産自動車が、検査資格の無い者が検査をする不祥事を起こしましたが、続けて神戸製鋼が検査データを改ざんする不祥事が起きました。このように、企業による色々な不祥事は近年後を絶たない状況です。

これには多々原因があり世間でも色々言われていますが、ここでは、多くの原因の中の1つである人材不足について述べたいと思います。

人材不足といっても、単に人手が足りないというよりも、戦力が不足しているという意味です。もちろん、不祥事の直接的な原因とはならないケースも多々あるかと思いますが、現在の日本の企業の大半がこの問題に直面しており、間接的あるいは微小ながらも影響していることは否めないでしょう。

かつての日本は、戦後の高度経済成長によって世界有数の経済大国になりました。
しかし今や、バブル経済の崩壊により低迷する状況が続いています。

そのバブル崩壊の後に、あらゆる企業は生き残りをかけ、業務の効率化、経費削減、そして思い切った人員削減も行ってきました。

景気低迷が続く中、かつては行ったことのない業務改革や思い切った事業方針転換を余儀なくされた企業も少なくありません。

経費削減の結果、当時、電車やバスの吊り広告が激減して、車内が少し殺風景な感じがしたのをよく覚えています。

そして、多くの企業では新規採用者を見合わせたり、激減させたりしたのです。
この結果、就職の大氷河期時代を迎えたのですが、この大氷河期に入る頃の年齢層が多くの企業で人材として不足してしまっています。

私が勤める会社も例外では無く、現在40歳前後の人が極度に少なく、それが業務上の大きな負担につながっています。

氷河期に入ってからの新規採用人数は、私が入社した頃の採用人数に比べて20%~25%位になっていますし、最も少なかった10年程前の数年間は10%前後の時期もありました。

これにより35歳~45歳位の社員、すなわち現在中堅社員と言われる層が極めて少なくなり、50歳以上のベテラン社員が新入社員や30歳前後の若手社員を直接面倒みることもしばしばで、業務上の負担が大きく、円滑な業務遂行が妨げられています。

そして、40歳前後の人材は、企業の中でも最も重要な部署に配属されるため、「縁の下の力持ち」的な他の部署は、特にこの問題が深刻になります。

私の部署でもこれは大きな問題で、50歳代のベテラン社員達が30歳前後の若手社員を直接指導せざるを得ないため、目先の業務に追われてしまったりするのです。

そして、若手社員は経験も浅く、知識も乏しいため、中心者として業務を引っ張って行くにはまだまだ時間がかかるにも関わらず、50歳代のベテラン社員は一人そしてまた一人と、定年で辞めて行く現実があり、人材育成が急務・大きな課題ともなっています。

実は、これは私が勤める会社だけの問題ではなく、日本の多くの企業が抱える課題でもあるのです。

私は仕事上、他社と取引をしたり、他社へ業務を依頼したりする機会が結構あるのですが、問合せをすると「なんだこの回答は?」と思わせる回答が返ってきたり、報告書を確認すると「肝心な記述が抜けている」と疑問を感じたりすることもしばしばで、その内容のお粗末さには驚嘆することもあります。

その取引先の中には、いわゆる大企業と呼ばれる企業も含まれており、10年ほど前はこのようなことはめったに無かったのですが、近年はだんだん増加傾向にあります。

問題のある回答や報告書がある場合、相手企業に修正や改善を求めるのですが、そこで判明することは、担当者がベテラン社員から若手社員に切り替わっていることです。そう、中堅社員に切り替わるのでは無く、若手社員に急に切り替わるところが非常に多いのです。

そして思うことは「なんでこの担当業務を経験の浅い若い人にいきなり任せるの?」といった疑問ですが、同時に感じることは「どこの企業も人材が不足しているのだ」との実感です。

現在の日本では、長い景気低迷を背景に多くの企業で人材不足の問題を抱えているようで、そのしわ寄せに耐えられない企業が不祥事発生につながっている面があります。

今、日本の様々な企業を見ると、新規採用控えのあった時期の年齢層の社員を、地道に補って来た会社や、若手の社員を大きく人材抜擢してきた会社ほど活力があると感じます。

景気低迷が続き、超高齢者社会を目前にした日本、産業構造の大きな変革が求められていることをつくづく実感するものです。

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