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「サバイバルフーズ25」の25年目の状態を徹底的にチェック。購入時に役立つ情報満載。

サバイバルフーズ25は、アメリカ製の長期備蓄食糧で、25年間の保存が可能だと言われています。将来の何かの時の備えとして、二十余年前に購入したのですが、いよいよ25年目を迎えるので、今回、開封して、味覚や風味などを始め、この製品について徹底的にチェックしてみました。その結果を、細かくまとめましたので、購入を検討されている方には大いに参考になると思います。

目次

【1】サバイバルフーズ25とは

【1.1】製品概要

サバイバルフーズ25は、フリーズドライとも呼ばれるように、食材を凍結乾燥させて、長期保存を可能にするために、完全窒素封入の缶詰にした食糧です。

非常時にも役立つ長期備蓄を想定して作られた食糧なので、軽量でコンパクト、万人に向く味、完全に調理済を実現しています。

この製品は、マウンテンハウス(MOUNTAIN HOUSE)というブランド名で知られ、各種缶詰が詰め合わせになったセット製品が、一般に普及しています。

【1.2】製造元

製造者は、アメリカのオレゴン州にあるオレゴンフリーズドライ社で、この種の製品の専業メーカ、トップメーカといわれています。大規模な生産設備を有していて、その供給市場は全世界に及んでいます。

日本においても、輸入販売元であるセイエンタープライズ(SEI Enterprise,Inc.)が、総販売元となって、各種販売店などで販売されています。

【1.3】販売実績

スペースシャトルの機内食として正式採用された実績をはじめ、米国の陸軍や米原子力潜水艦などでも用いられました。日本においても、災害用の長期備蓄食糧として、全国地方自治体や企業などで採用されています。

【2】今回チェックした製品は

【2.1】購入経緯

日本は地震国でもあり、今後、不確かな時代が来れば、何かあった時のために食糧を備蓄しておくことも大事だと考えていましたが、一般に販売されている保存食は、保存期間が1年~3年、せいぜい5年といった物しかありませんでした。

保存期間が過ぎる前に、毎回買い替えていたのでは、無駄になるだろうと考えて、もっと長期間、保存可能なものはないのかと探した結果、90年代当時に国内で入手可能であった製品がこのサバイバルフーズ25だったのです。

いつか非常の時にと思って買ったこの製品も、ついに25年目を迎えることになったので、試食を含めて細かくチェックするに至ったのです。

【2.2】セット内容

今回チェックした製品は、ファミリーセットと呼ばれる「4人×5日=60食」を想定したセットです。セットの内訳は、1号缶と呼ばれる大きさ(直径:15.3 cm x 高さ:17.8 cm)の円錐形の缶詰が6個で、具体的には下表のようになっています。

名称 英語名称 内容量 個数
高級クラッカー CRACKERS 907g 3缶
チキンシチュー CHICKEN STEW 538g 1缶
野菜シチュー牛肉入り VEGETABLE STEW WITH BEEF 454g 1缶
牛肉とマカロニチリソース煮 CHILI MAC WITH BEEF 567g 1缶

6個の缶詰が47cmx33cmx19cmの段ボール1つに詰め込まれていて、缶や段ボールを含んだ総重量は、6.6kgになります。

段ボールに貼られていたラベル

缶詰6缶がこの段ボールに詰められていた

【2.3】製造時期

対象の製品は、段ボールの外側に印刷された、日本販売店における出庫年月日が1994年12月2日と印刷されたものです。

出庫年月日は1994年12月2日になっている

実際に開梱して中の缶ごとに確認すると、缶ごとの製造年月日、輸入年月日は下記のようになっていました。

名称 製造年月日 輸入年月日
高級クラッカー 1994/1/27 1994/2/21
チキンシチュー 1994/6/1 1994/7/18
野菜シチュー牛肉入り 1994/6/9 1994/7/18
牛肉とマカロニチリソース煮 1994/6/10 1994/7/18

これを見て分かるように、日本へは缶ごとに輸入されているので、同じ段ボールのパッケージ内の缶でも、製造年月日が微妙に異なります。

クラッカーは3巻入りですが、いずれも製造日は同じ1994年1月27日で6巻のうちでも一番製造日が古く、保存期間まで1年を切って、25年目に当たります。

クラッカー以外の他の3点は、あと約2ヶ月で25年目を迎えます。いずれも、間もなく保存期限に達する商品であることが分かります。ちなみに、実際に食べてみたのは、本年(2018年)3月~4月でした。

【3】 開梱してみて

【3.1】開梱時の状態

缶詰6つは、1つの段ボールに梱包されていて、段ボールを開けるとそれらがきれいに並んでいました。

各缶詰の上側には、プラスチックの透明なカバーが取り付けられていたため、カバーを取り外した缶の上側はとてもきれいな状態でした。

開梱した時の様子

しかし、缶の底にはカバーなどが無かったこともあって、淵の部分が少し錆びている状態でした。

本品の保存は高温多湿を避けて保存とのことでしたので、ずっと押し入れの中に閉まっていたため、決して悪い環境に保存していた訳ではありませんが、さすがに二十数年経過すると多少の錆びは出てくるものだと感じました。

換言すれば、もし仮に湿気のあるような場所であれば、缶の錆びが大きく進行して、場合によっては缶に穴が開くことすら可能性としてはあるのだと感じました。缶詰とはいえ、長期間保存するのであれば、絶対に高温多湿は避けるべきだと、感じました。

ところで、全ての缶の上側に、プラスチックカバーがあるわけですが、実はこれが非常に大事だと感じました。もし、カバーがなければ、缶底のような錆びが少なからず発生するわけですが、ともすれば、缶切りで開ける時にその錆の一部が、食品の一部に紛れ込んでしまう可能性が出てきてしまいます。

カバーがあるおかげで、そのような錆びは発生せず、そのような可能性を防止してくれています。この点、専門メーカだけあって、しっかりしていると感じました。

缶の上部に取り付けられているプラスチックの蓋が重要な役割を果たしている

【3.2】各缶共通の特徴

全ての缶詰には、プラスチックカバー(蓋)の中に、缶切りが1つ付属していました。この缶切りは構造上、栓抜きの機能も持っていて、カバー内に保存されていたことから、状態は比較的きれいでした。

非常時では、他に開けたい缶詰があるかも知れませんし、栓抜きが必要な場合もあるかも知れませんので、缶切りが付属しているのは何かの時には心強く、ちょっとした配慮がされていると感じました。

各缶に1つずつこのような缶切りが付いている

プラスチック蓋は外してから、また取り付けることができるので、開缶後にこの蓋をすれば密閉することができます。割合と硬めのプラスチックで、缶にフィットしてしっかりと取り付けられるので、密閉度は高く感じます

そして、高級クラッカー以外のおかずについては、カバー内に「グルメモ」と称する、日本語の調理の仕方の説明書きが同封されていました。これは、日本の輸入販売元が、日本向けに入れたものです。

クラッカー以外には「グルメモ」と称する説明書類が添付されていた

どの缶を開ける時も、缶に穴を開ける瞬間に、「シューッ」という気体が流れる音がしました。これは酸化防止の目的で封入されている窒素によってできた管内の気圧と、空気中の気圧との差による影響であると推測しました。これだけ見ても、一般の缶詰とは保存方法が異なることが分かります

【3.3】セットとしての特徴

上記のように、このセットは家庭用で4人家族なら5日分、一日3食で合計60食分を想定しています。ただし、一日三食当たりのカロリー換算量はわずか1050kcal位で、非常時に最低限摂取する量を想定しているので、決してボリュームとしては多くありません

ファミリーセット標準仕様(「グルメモ」の内容の一部から)

個々の缶詰は、開封後も付属のプラスチック蓋をすることで、パチッとしっかり閉めることができて、それなりに鮮度等を保つことができます。

従って、それなりの期間、保存することができるので、一缶開けて食べ終わったらたら、次の缶を開けるというようなことをする必要はありません。極端なことをいえば、すべての缶詰を開封して、飽きが来ないように色々な料理を変えながら食べることができます。

【3.4】基本的な食べ方

基本的な食べ方は、ごはんやパンの代わりに食べるものが「高級クラッカー」で、おかずとしてシチューなどの他の缶詰を一緒に食べる、つまり、クラッカーと何かのおかずの缶詰を一品というのが一食の食事の構成内容となります。

そして、高級クラッカーについては、何か特別な調理をする必要はなく、缶詰を開けたら、食べる分をそのまま取り出して、一般のクラッカーと同じように食べるだけです。

また、シチューなどのおかずについては、どのおかずの場合も調理方法は全て同じですが、いずれの場合も大きく分けて、缶詰一個分をまとめて調理する方法と、必要な分量だけを調理する方法の2通りの方法があります。

まとめて調理する場合は、缶詰の中身を全て鍋に移し、水を加えて火にかけて作ります。必要な分量だけを調理する場合は、必要な量を器に入れて熱湯を注いで、蓋をして10分ほど蒸らして作ります。いずれの調理方法についても、添付されている「グルメモ」に詳しく書かれています。

必要な分量だけを調理して食べられるので、大人数ではない独り身であっても、或いは、たとえ一食分だけ作りたい状況であっても、一人一食ずつ食べられることから、柔軟に対応することができます。

更に、非常時を想定して作られているので、お湯を用意できない環境では、お湯の代わりに水を使うこともできます。また、水すらもない状況下では、最悪、そのまま食べることもできます。

【4】 高級クラッカー

高級クラッカー(CRACKERS pilot bread)は、本セットの半分にあたる3缶あり、エネルギー源となる食糧です。

高級クラッカーのラベル

【4.1】原材料と内容量

原材料には強化小麦粉(ナイアシン、還元鉄、ビタミンB1、ビタミンB2を含む)、ショートニング、砂糖、乳しょう、コーンシロップ、塩、ベーキングパウダーが使われていると記述されています。クラッカーなので、その実態は小麦粉といったところです。

高級クラッカーの缶の側面に貼付された日本語ラベル

内容量はクラッカーの枚数ではなく、重量で規定されていて907gとなっています。

高級クラッカーの缶を開けたところ

個々のクラッカーは形もサイズもまちまちで、直径にして65~70mmの円形、厚みにして6~7mmくらいです。実質的には約70枚が入っていて、20枚ほど入る紙の器が3つと、バラのクラッカーが10個ほどになっていて、紙の器は暫定的なお皿代わりとしても使えます。

3つの紙のお皿のようなもので分けられている。

【4.2】保存期間

開缶後はなるべく早めにとの旨の記述がありますが、付属のプラスチック蓋を使用して高温多湿を避ければ、8週間は保存可能とのことです。

除湿剤のようなものは特に同封されていませんが、プラスチック蓋による密閉度があるのと、クラッカーそのものが、少しくらい湿気を吸っても歯ごたえが変わらないような作りであるのとで、気になりません。

【4.3】歯ごたえ

日本国内の菓子メーカがよく販売しているようなクラッカーとは少し違って、どちらかというと、厚めのビスケットを噛んでいるという感じがします。

決して硬いというわけではありませんが、効率よくエネルギーを摂取することを考えているためか、密度が高い上、それなりの厚みがある分だけ、国内で市販されているようなクラッカーと比べた場合は重厚な感じがします。

密度があり重厚な感じがある高級クラッカー

【4.4】味とボリューム

日本でよく市販されているようなクラッカーとは少し異なり、どちらかというと甘みを大きくおさえたビスケットという感じです。

塩気は感じず、ほんのり甘さがある感じですが、どちらかというと味気が無いという感じが強いので、このクラッカーだけを相応の分量食べるのでは、正直、食べにくいです。

しかし、昔ながらの保存食である、「乾パン」に比べれば、まだ食べやすい感じはしました。缶を開けた時の風味(匂い)はほとんど感じられませんでしたが、近くで匂いをかげば、ビスケットのような、ほんのり甘さが伝わってくる風味があります。

【4.5】食べ方のポイント

そもそも、このクラッカーは、セットで提供しているシチュー等と一緒に食べるように用意されているものですから、それらと一緒に食べるのが良いでしょう。シチュー等に付けながら食べても良いでしょうし、シチュー等の水分を少なめにして濃い目に作れば、上に乗せて食べるようなこともできます。

クラッカーだけを食べるのではあまりにも味気が無いので、シチュー等と一緒に食べる訳ですが、そんなシチュー等も種類が限られていますし、何食も断続的に続いたりしますから、少なからず飽きてしまうことは否めません。

なので、何か別にジャム等を用意しておくとか、ビスケットに挟んで食べられるような食材を準備しておくとかすれば、少しでも飽きにくくなることでしょう。非常時ではないのであれば、クラッカーにあう料理を作って一緒に食べるのが良いでしょう。

また、クラッカーのみを食べようとすると、クラッカーには、水分がほとんどありませんから、口の中がパサパサした感じになり、どうしても飲み物が一緒でないと食べにくいです。本来いっしょに食べるシチュー類と共に食べるのであれば、あまり気にならないでしょうが、クラッカーだけを食べるなら、何か飲み物を用意しておくべきでしょう。

クラッカーは、パン食を中心とする西洋で生まれたものなので、パン食を好む人ほど抵抗感は低いと思います。逆に、パンをあまり好まない人や、「クラッカーなんか…」などと思う人には、あまり向いていないかも知れません。

炭水化物類をこのクラッカーで摂取しようとする保存食なので、クラッカーに抵抗があるような人は、コメ類や麺類も何らかの方法で別に保存しておくのが良いかも知れません。

【5】チキンシチュー

チキンシチュー(CHICKEN STEW)は本セットに1缶入っているおかずの一つです。

チキンシチューのラベル

【5.1】原材料と内容量

原材料には、じゃがいも、とり肉、にんじん、グリーンピース、コーンオイル、脱脂乳、増粘剤(デンプンリン酸Na)、塩、植物たんぱく、玉ねぎ、鶏脂、砂糖、調味料(アミノ酸)、香辛料、ガーリックパウダーが使われていると記述されています。

チキンシチューの缶の側面に貼付された日本語ラベル

内容量は重さで規定されていて、538gと記述されています。大きさの割に軽いと感じる人もいると思いますが、それは凍結乾燥されていて水分がほとんどないからです。中身は缶の上部まで入っています。缶の全量を食べる場合は、水2.4リットル(缶容量の8分目位)を沸かして作ると記されていますので、出来上がりの量は約3kgになります。

【5.2】保存期間

缶の側面に貼られた日本語の説明分には、「開缶後はなるべく早くお召し上がり下さい。残った場合は、付属のプラスチックの蓋をして、高温多湿の所を避けて保管致しますと1週間以内は食べられます。」と記載されています。

しかし、缶側面の英文には「However,product has been found acceptable up to 3 weeks after opening.」とあることから、チキンシチューに関しては開缶後、3週間の保存が可能と思われます

和訳分が1週間になっているのは、牛肉とマカロニチリソース煮の英文及び野菜シチュー牛肉入りの英文が「1 week after opening.」となっていることから、全てを最も保存期間の短いこれに合わせて共通の和訳文にしたためと思われます。

チキンシチューの缶を開けた時の様子

さて、チキンシチューの保存に関してですが、関心した点は、シチューのパウダー成分(粉)と、じゃがいもや鶏肉等の固形乾燥食材とが分離することなく、缶の中でまんべんなく混ざって入っていたことです。

つまり、運送等の振動などで、粉だけが缶底に分離するといったことが起きていないため、缶から中身を必要量だけ取り出そうとする場合に、かき混ぜたりする必要性がないのです。こういう点も、よく研究して作られていると感じました。

チキンシチューの中身(調理前の状態)

【5.3】歯ごたえ

歯ごたえに関してはフリーズドライ特有の感覚があります。豆腐を凍らせると高野豆腐のように少しゴムを噛むような独特の弾性を持ちますが、固形物として存在している、じゃがいも、にんじん、とり肉の歯ごたえが、そのような傾向を少しだけ持ちます。

チキンシチューの様子(調理後)

表現が難しいのですが、じゃがいも、にんじんは、本来のホクホク感、というより、作られたサクサク感という感じでしょう。

とり肉に関してはそれらよりも少し弾性が強く、分かりやすい表現をするのならば、スポンジを噛む感じです。あくまで、「感じ」であって、決してかたいとか、噛みにくいというわけではありません。

グリーンピースについては、特にそういった歯ごたえは感じず、日常たべるグリーンピースとあまり変わらないです。もっとも、日常食べているグリーンピースには、冷凍されているものも多いため、余計に違和感がない面もあるのでしょう。

そして、原材料として使われている玉ねぎですが、実際に食べる時には、固形物として全く認識することはできませんでしたし、当然、歯ごたえとしては何も感じませんでした。玉ねぎについてはシチューの中に溶け込んでいるということでしょう。

いずれにしても、噛み応えは通常と比べると違和感が残るのを否めませんが、具が豊富ということもあって、ボリューム感が非常にあり、がっちり食べているという感じがします。

【5.4】味と風味

缶を開けたばかりの状態の時には、ほとんど風味(匂い)を感じることはありませんでした。お湯で加えて蒸すと、チキンシチューの風味というよりもむしろ、カップヌードルのような、いい匂いがしてくるという感じでした。スープを口に運べば、チキンシチューの風味が伝わってきて、インスタントのシチューを食べている感じがしました。

味も、イメージとしては、インスタントのシチューを食べている感じで、ルーもとろみがしっかり出ていて、確かに普通に作るシチューとは違うものの、決して特別なものを食べるという味ではありませんでした。

さすがに、毎食これを食べ続ければ、飽きてしまうでしょうが、味そのものは飽きにくい味に仕上げている感じがしまいた。

チキンシチューをスプーンですくった時の様子。とろみがあるのが分かる。

使われている個々の具材は、通常の料理と比べれば確かに全く同じ味とは言えないのですが、具材が豊富な分だけ、具材そのものの味も味わうことができます。

新鮮な食材を使って作るような、本当においしい料理と比べてしまうと明らかに引けを取るのは当然ですが、保存食として考えれば、ここまでのレベルは立派といえるのではないでしょうか。

いずれにしても、25年目ですらこの味を出せると考えると、凄いことだと思います。

【5.5】食べ方による違い

【5.5.1】非常時の食べ方

非常時には本来の食べ方のようにお湯を使って蒸らしたり、火にかけて蒸らしたりすることができない場合があります。

そんな時には水を入れて食べるように書かれていますが、実際に水を入れて食べてみると、正直、おいしくないです。単刀直入にいえば、冷めたいシチューという感じですので、料理という感じがしません。

サラダなどの一部の料理を除いて、普通の料理は暖かいから美味しいものです。日常食べるシチューでも、冷めた状態で食べるのはおいしくないですが、まさにそんな感じです。インスタントのシチューを、水で作ることを想像してみると、分かりやすいかも知れません。

ただ、水で作った場合、歯ごたえそのものはお湯で作った場合と変わりがないのが、よくできているところだと感じました。

さて、非常時の食べ方として、水すらない場合はそのまま食べるように書かれているのですが、実際に食べてみると、なにかポテトチップにも少し似た、サクサクのスナック菓子の感じがして、それなりに食べられる感じがしました。

水がない場合はこのように食べる。スナック菓子のような味で、意外と食べられる。

味わいだけを考えたら、水で作ったシチューよりも、そのまま食べた方が、むしろおいしく感じるかも知れません。スナック菓子ほどは塩気を感じないので、その分だけ分量を多く摂取しやすいのですが、さすがにたくさん食べると水分が無いと食べにくく、何か飲料水が欲しくなります

【5.5.2】非常時以外の食べ方

賞味期限の都合で、非常時でない場合に食べることがあるかと思います。今回の私の場合がまさにそうで、サバイバルフーズ25を利用するような非常事態がなかったため、賞味期限25年目を迎えて、食べることになったわけです。

非常時で無い場合、サバイバルフーズ25以外に、自由に食材などを利用して、オリジナリティのある調理をすることも可能になります。いろいろと手を加えるとキリが無いので、ちょっとした工夫で、味わいを変えられないものかと、少し試してみました。

まず、細かく切った玉ねぎを本品に加えて入れて熱湯を注ぎ、そのまま10分間蒸らしてから食べてみました。本来、チキンシチューには食材として、玉ねぎが入っているのですが、形としては残っていないのと、玉ねぎの味そのものはそれほど強くないので、玉ねぎを加えることで玉ねぎの風味が強くなって、味が引き立ちうまみが増しました

なにより、新鮮な野菜を加えたことで、前述したドライフーズ独特の歯ごたえだけでなく、玉ねぎ本来のサクサクした歯ごたえを感じることができるので、非常食を食べているという感覚がやわらぎました。

チキンシチューに細かくきざんだ玉ねぎを加えた様子

玉ねぎに限らず、チキンシチューに合いそうな食材を何か少しでも加えれば、その食材のうまみを活かせると同時に、印象が変わってきて、非常食という感覚が薄くなるので、好みで何かの食材を追加する食べ方はおススメです。

次に、お湯の代わりに、鶏肉と人参を煮込んで作ったダシのきいたスープを使って、作ってみました。これにより、味わいも風味も作り立てのシチューにとても近くなり、それこそインスタントという感覚がなくなる感じでした。しかも、鶏肉と人参が加わったことで、ただでさえボリュームいっぱいのところ、ボリュームが倍増という感じでした。

鶏肉とニンジンで煮込んだスープで作った様子。味わいが格段と違う。

単なるお湯の代わりに、独自のスープで作ると、ぜんぜん違いますので、非常時以外の食べ方としては、ぜひおススメしたいところです。

なお、普通にお湯を使って作る場合、最初にお湯は少なめにして、あとから必要な分を足す方が濃さを調節しやすいです。

【6】野菜シチュー牛肉入り

野菜シチュー牛肉入り(VEGETABLE STEW wit beef)は本セットに1缶入っているおかずの一つです。

野菜シチュー牛肉入りのラベル

【6.1】原材料と内容量

原材料には、じゃがいも、グリーンピース、牛肉、にんじん、とうもろこし、コーンオイル、増粘剤(デンプンリン酸Na)、植物たんぱく、玉ねぎ、塩、調味料(アミノ酸)、砂糖、香辛料、ガーリックパウダーが使われていると記述されています。

野菜シチュー牛肉入りの缶の側面に貼付された日本語ラベル

内容量は重さで規定されていて、454gと記述されています。チキンシチューと同様に、凍結乾燥されていて水分がほとんどないため軽く感じるかも知れません。中身は缶の上部近くまで入っています。缶の全量を食べる場合は、チキンシチューと同様、水2.4リットル(缶容量の8分目位)を沸かして作ると記されていますので、出来上がりの量は約2.9kgになります。

【6.2】保存期間

チキンシチューと同様、缶の側面に貼られた日本語の説明分には、「開缶後はなるべく早くお召し上がり下さい。残った場合は、付属のプラスチックの蓋をして、高温多湿の所を避けて保管致しますと1週間以内は食べられます。」と記載されています。

缶側面の英文には「However,product has been found acceptable up to 1 week after opening.」とあることから、和訳通り、開缶後も1週間の保存が可能と思われます。

野菜シチュー牛肉入りの缶を開けた時の様子

野菜シチュー牛肉入りについても、チキンシチューと同様、パウダー成分と固形乾燥食材が分離せず、まんべんなく混ざっていて、かき混ぜたりする必要はありませんでした。

【6.3】歯ごたえ

歯ごたえについては、チキンシチューと同様に、フリーズドライ特有の弾性を持っていて、固形物として存在している、じゃがいも、にんじんがそのような傾向でした。とうもろこしは、ほんの少しだけそのような傾向を感じましたが、グリーンピースはあまり違和感のある歯ごたえはしませんでした。

調理後の野菜シチュー牛肉入りの様子

牛肉に関しては、チキンシチューの鶏肉より小粒な感じで、鶏肉のような弾性を感じることはなく、比較的やわらかい反面、さばさばしている感じがしました。

玉ねぎについてはチキンシチューと同様、シチューに溶け込んでいる感じで、固形物として認識はできず、当然、何ら歯ごたえは感じませんでした。

チキンシチューと同様に、噛み応えは通常と比べると違和感が残るものの、栄養を考えているためか具が豊富で、ボリューム感がとてもあり、食べているという感じがします。

【6.4】味と風味

缶を開けると、チキンシチューとは違い、パウダー調味料の風味(匂い)を少し感じました。お湯を加えて蒸すと、やはりシチューというよりも、カップヌードルのようないい匂いがしてくる感じでした。実際に食べると、インスタントのシチューを食べている感じですが、とろみはしっかりしていました。

味はビーフの風味に、香辛料が少しきいた塩味で、いわゆる洋風の味付がされたシチューという感じです。味も風味もあまり特徴的なところがなく、平均的といういい方が一番ふさわしいかも知れません。

無難な味で、誰でも食べられる味、換言すれば、美味しいという人がいなくても、まずいという人もいないという味です。3つのおかずの中ではもっとも特徴のない味で、味としてはいまいちという感じです。

日常作るシチューと比べてしまうと、確かに違うのは明らかですが、決して特別なシチューという味ではありません。さすがに、連続して食べ続ければ飽きてしまうのですが、3つのおかずの中では、一番飽きにくい味になっています。

個々の食材に対する感覚もチキンシチューと同様で、具材そのものの味も味わうことはできますが、新鮮な食材による料理と比べればどうしても引けを取るのは事実です。しかしながら、25年目でこの味を出せるのは、やはり凄いと感じます。

【6.5】食べ方による違い

【6.5.1】非常時の食べ方

非常時の食べ方の1つとして、水を入れて食べる方法がありますが、実際に水をいれて食べてみると、やはりおいしくありません。これは、チキンシチューの場合と同じで、冷たいシチューという感じがして、料理という感じがしません。しかしながら、歯ごたえについては、お湯で作った場合と変わりがないのはチキンシチューと同じでした。

そして、水すらない場合に、そのまま食べるという方法がありますが、実際に食べてみるとチキンシチューの時と同じように、スナック菓子に近い感覚がありました。

水が無い場合は、これをそのまま食べることになる。

塩分をあまり感じない分だけ、スナック菓子より多量に摂取しやすいのですが、どうしても喉が渇くので、飲料水がないとキツイのが正直なところです。

【6.5.2】非常時以外の食べ方

基本的にはチキンシチューの場合と同じで、少し手をかけることで、味わいを少し変えることができます。味がちょっと変わっただけで、非常食という感覚がだいぶ小さくなるので、効果的です。

チキンシチューと同様に、細かく切った玉ねぎを入れてみましたが、玉ねぎの風味が強くなってうまみが増し、何よりもドライフーズ特有の歯ごたえだけだったのが、通常の料理のサクサクとした感覚を味わえるように変わる点が効果的でした。

野菜シチュー肉入りは、ちょっぴりスパイシーな味が特徴なので、あたたかいご飯に添えて、シチューライスにして食べてみました。その際、野菜シチュー肉入りは、加えるお湯を少なめにして作ることで、とろみを強くし、味付けも濃い目にできますので、カレーライスのようにとてもご飯と合うようになります。

オリジナリティを強くするなら、何かのスパイスや香辛料を加えると、より好みの味が作り出せて、とても食が進む料理にできるのではないでしょうか。

【7】牛肉とマカロニチリソース煮

牛肉とマカロニチリソース煮(CHILI MAC)は本セットに1缶入っているおかずの一つです。

牛肉とマカロニチリソース煮のラベル

【7.1】原材料と内容量

原材料には、牛肉、マカロニ、トマトペースト、いんげん豆、香辛料、植物たんぱく、塩、増粘剤(デンプンリン酸Na)、玉ねぎ、調味料(アミノ酸)、砂糖、ガーリックパウダーが使われていると記述されています。

牛肉とマカロニチリソース煮の缶の側面に貼付された日本語ラベル

内容量は重さで規定されていて、567gと記述されています。軽く感じるのは他のおかずと同様、凍結乾燥されていて水分がほとんどないからです。実際に食べる時に加えるお湯を考慮すると、出来上がりの量は約3kgになります。

玉ねぎは原材料に表記されていますが、実際に食べる時は、形としては残っていません。インゲン豆も外皮(緑)は形として確認することはできず、中の豆(エンジ色)しか認識できませんでした。トマトもペーストしてしか含まれていないので、他の2つのおかずと比べると、全体として、やや食物繊維が不足している感じです。

【7.2】保存期間

他のおかずと同様、缶の側面に貼られた日本語の説明分には、「開缶後はなるべく早くお召し上がり下さい。残った場合は、付属のプラスチックの蓋をして、高温多湿の所を避けて保管致しますと1週間以内は食べられます。」と記載されています。

缶側面の英文には「However,product has been found acceptable up to 1 week after opening.」とあることから、和訳通り、開缶後も1週間の保存が可能と思われます。

牛肉とマカロニチリソース煮の缶を開けた時の様子

牛肉とマカロニチリソース煮についても、他のおかずと同様、パウダー成分と固形乾燥食材が分離せず、まんべんなく混ざっていて、かき混ぜたりする必要はありませんでした。他のおかず2点と比べると、パウダー成分が固形乾燥食材に、よくくっ付いている感じがしました。

【7.3】歯ごたえ

歯ごたえ全般に関しては、他の2つのおかずと比べると、フリーズドライ特有の感覚はほとんど感じず、どちらかというと、自然な歯ごたえに近い感じでした。チリソースのとろみとしては、バランスの取れた感じがしました。

マカロニの食感はカップ麺の麺類に近い、歯ごたえですが、カップ麺は比較的食べなれていることもありますし、乾麺から料理する麺類も身の回りにはとても多くあるので、ほとんど違和感がありません。

調理後の牛肉とマカロニチリソース煮の様子

インゲン豆はやわらかい煮豆の食感で、ドライフーズを思わせる感じは、ありませんでした。

牛肉に関して言えば、他の2つのおかずと比べて最も小粒で、チキンシチューの鶏肉のような弾性を感じることはほとんどなく、その分だけ違和感がありません。

固形物としての野菜類が少ないせいか、他の2つのおかずに比べて、具が少し少なく、ボリューム感に少し欠ける面がありました。

【7.4】味と風味

缶を開けたばかりの状態の時には、ほとんど風味(匂い)を感じることはありませんでしたが、お湯を加えて蒸すと、何かちょっぴりスパイシーな香りが伝わってくる感じでした。

最初にひと口食べた時には、普通においしいと感じて、非常食という感じはしませんでした。味としては、中華風のチリソースとは全く違って、いわゆる洋風のチリ味で、どことなく少しカレーのような感じもしました。

辛さを含むインパクトのある味が、カレーのような感じをさせたのでしょうが、決してしょっぱくはないものの、スパイシーな分だけ、付属のクラッカーと一緒に食べやすい感じがしました。カレーのような風味が美味しさを感じさせたポイントだと思います。

あまり食べなれない味ではありますが、スパイシーな料理が好きな方にとっては馴染みやすい感じです。しかしながら、さすがに毎食続けばやはり、飽きてしまうことでしょう。

ドライフーズということもありますが、それ以上にスパイシーな味付けが、良くも悪くも、食材そのものの味覚・風味を隠しています。とはいえ、25年目でこれだけの味なら、十分といえるでしょう。

【7.5】食べ方による違い

【7.5.1】非常時の食べ方

非常時の食べ方の1つとして、水を入れて食べる方法がありますが、実際に水をいれて食べてみると、他の2つのおかずと同様、やはりおいしくありません。はやり、冷たい料理を食べているという感じで、おいしいとは言い難いですね。ただし、歯ごたえそのものについては、他の2つのおかずと同様、お湯で作った場合と変わりがありませんでした。

そして、水すらない場合に、そのまま食べるという方法がありますが、実際に食べてみると、他の2つのおかずと同様、スナック菓子に近い感覚がありました。

水が無いと、このまま食べることになる。

ただし、スパイスが効いている分だけ、どうしても飲み物が欲しくなるという点については、他のおかずとは少し違います。

【7.5.2】非常時以外の食べ方

基本的には、他のおかずと同様、少し手を加えることで、味わいに工夫をすることができます。それだけで、非常食といった感じがぬけますので、手を加える割には大きな効果が期待できます。

他の2つのおかずと同じように、細かく切った玉ねぎを入れてみたところ、玉ねぎの風味が強くなって美味しくはなったのですが、玉ねぎは元から入っていますし、ニンニクパウダーの味も強く効いているので、ネギ系の味が強く出過ぎた感じがしました。玉ねぎを加えるなら、ごく少量にするよう注意が必要です。しかし、他のおかずと同様、新鮮な野菜を加えることで、歯ごたえが自然となる効果は大きいです。

このおかずは、緑の野菜に乏しいことから、見た目も良くなる意味を含めてグリーンピースを入れてみました。見た目が良くなるだけでなく、歯ごたえが自然な感じとなる効果もあり、更に、食物繊維も補給でき、何よりグリーンピースの食材の風味がそのまま伝わってくる分だけ非常食との感じが薄れ、このおかずには、けっこう合うのではないかと思います。

グリーンピースを加えると色合いも歯ごたえも良くなる。

そして、味がカレーを思わせることから、ライスに添えて、カレーライスのようにして食べてみましたが、これはかなりイケていました。

牛肉とマカロニチリソース煮は、ご飯と一緒に食べても良い。

ご飯にとても合い、オリジナリティのあるカレーライスという感じもしましたので、カレーライスの好きな方には馴染みやすいところがあるのと思います。

【8】総合評価と購入時の検討事項

【8.1】保存食として

保存するための食糧としての実力は、「25年以上あるのでは」と思わせるほどしっかりしていますので、申し分ありません。ただし、劣悪な環境での保存は望ましくありませんので、避けるべきです。

【8.2】味覚や栄養

全体の味覚としては、基本的に西洋の味になっていますので、洋食が好みでない人にとっては、馴染みにくいかも知れません。また、各種おかずの味は、付属のクラッカーと合うように作られてはいますが、仮に麺類やご飯類と一緒でも違和感はありません。

いずれにしろ、味付は万人に飽きないような味にまとまっていますので、たいていの人には受け入れられやすいのではないかと感じます。

味のイメージとしては、「1~3年の保存食の中でも、とりわけ味わいの優れた商品を、そのまま保存期間が長くできるように改良した製品」のようにイメージすると分かりやすいかも、知れません。

栄養については、色々は食材が使われている分だけバランス感があるようですが、1食当たりのカロリーは非常時を想定して低めに定義してあるので、通常時の1食として考えた場合は足りないと考えるべきでしょう。

【8.3】食べ方

食べ方としては、濃い目でドロドロの方が食べやすい感じがします。それは、クラッカーと一緒に食べやすいですし、食べている感じもするからです。調理する時は、使用するお湯を少なめにして作り、必要に応じて足して行くのがコツです。

また、そのまま食べるのでは、食事としてはふさわしくないので、きちんと調理できるだけの、十分な水を用意しておくべきです。可能であれば、非常時でも、お湯を沸かすことができる設備を準備しておくのが望ましいです。冷めた料理は本当においしくないですから。

非常時以外で食べる時は、少しでも手を加えると全然が味わいが違いますので、ぜひおススメです。特に、お湯の代わりに、何かでダシを取ったスープを使い、新鮮な歯ごたえのある野菜を1~2品加えるようにすると、それだけで、味わいが格段に違います。

【8.4】購入を検討するなら

私が試食して評価した製品は約25年前の製品ですから、現在販売されている製品よりもかなり古い物に当たります。しかしながら、25年前ですら、上記に記載した味や品質があることを考えると、その後の技術進歩が加わって、以前より完成された製品になっていることでしょう。

現在販売されている基本的な製品の内容は、当時とあまり変わらないようですので、検討される際には、私が掲載した内容と比較してみると良いと思います。日本の輸入販売元であるセイエンタープライズの公式サイトを見ると、私が購入した当時よりもはるかに多くの情報が掲載されていますので、現在販売されている製品そのものの情報は、こちらに記載されている情報で十分だと思います。

私が記載した製品と現在市販されている製品で、一番差が大きいと感じる点は、製品のレパートリーが、かなり増えているということです。これは、食べ続けると、どうしても飽きてしまうことや、色々な味の中から選びたいといった消費者の要望が反映されているようです。

実際に、製品を購入する購入先ですが、単なるネット上の価格だけで比較すると、楽天やAmazonなどの方が輸入販売元であるセイエンタープライズよりも全般的に安いようです。しかし、自治体や企業等が大量購入するなどの場合は、セイエンタープライズと直接交渉するほうが有利かも知れません。

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