パック旅行によくあるような、有名な観光地をめぐるだけの旅行は、非常に面白くないと感じます。
もちろん、何か意図がある、或いは何らかの目的がある、又は何かに興味を持っているなどの場合は、それなりに意義はあるとは思います。
しかし、ただ漠然と観光地をめぐるだけの旅は、意義が薄いだけではなく、面白さに欠けます。
特に、海外へ行く場合は、せっかく日本では見られないもの、国内では接することができないこと、外国でしか経験できない機会がたくさんありながら、単なる観光めぐりに終始してしまえば、これほど勿体ないことはありません。
私の経験から単なる観光地巡りを脱して、少しでも楽しめる海外旅行のコツに触れます。実体験だけに、実感して貰えると思います。
目次
私が実際の観光で強く感じたこと
さて私が、観光地を観るだけの旅はつまらないと、強く感じたのは、学生時代にイギリスを訪れ、滞在の最後一週間、ロンドンに宿泊した時のことでした。
その時、誰しもが訪れるようなビッグベン、ロンドン塔、ハイドパーク、大英博物館、トラファルガー広場、ピカデリーサーカスをはじめとして、一週間まるまる利用して、いわゆる有名な観光地といわれるところへ数多く足を運びました。
滅多にない機会でしたし、珍しい物や興味深い物もありましたが、総じていえば
「写真で見た通りのものが、ただそこに存在しているだけ」
という感じでした。
その時、
「なんだ、これならなにも、わざわざ足を運んで見に来る必要なんかないじゃないか」
という気持ちが湧いてきたのと同時に、どこかに虚しさを覚えるような感覚さえありました。
そして、「何かが違う」という感覚も湧いてきて、結果としては2ヶ月のイギリス滞在の中で、最も充実感に欠けるとてもつまらない期間となったのでした。
その時の印象は、ロンドンに移動する前までの充実した日々とはあまりに対照的で、
「何がそこまでの差を生んだのか?」
と自分でも不思議なくらいで、自問自答した結果は以下の通りでした。
現地の庶民生活に触れる
ロンドンに出る前は、片田舎の小さな町に7週間、ホームスティをしていました。
そこでは、ホームスティ先の家族と一緒に過ごしたり、短期で通った学校のクラスメートと過ごしたりすることが多く、実際の現地での、なまの生活を味わう日々でした。
従って、イギリス人のありのままの生活に触れたり、文化や風習に触れたりする機会も多く、日本とは違う生活習慣などをそのまま身で体験することがとても刺激的で、たいへん興味深いものばかりでした。
つまり、現地の生の生活習慣に触れる機会がそこにはあり、単なる観光めぐりにはないものだったのです。
現地の人に接する
そして、何よりも人と接していたこと、特に異国でしか知り合うことができない様々な人と日常的に接し触れ合うことが何よりも楽しいものと感じていて、また貴重なことであったとも感じていました。
海外で現地の人の普段の生活に自然と触れることで、自然と交流も深まり、その人達を通して自ずと異文化に接するようになる、そんな体験こそが本当に面白いものだったのです。
日本で普通に生活していても同じですが、人と接しない閉じこもったような生活は退屈なものですが、人と接点がある生活は色々な広がりを持つものです。
海外などに赴く時こそ、普段は接することが出来ない、現地の人々と触れるまたとない機会ですから、これを無駄にしては勿体ないことです。
単なる観光地めぐりの場合、その場その場で人と接することはありますが、日々の生活を通して人と深く触れ合う機会はほとんどありません。
そういう意味で、現地の人達と深く接することができる旅行こそ面白みを増すことができるといえるでしょう。
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旅先の何に興味があるか
また、同じ観光地でも、有名だからという理由で行った場合は、あまり面白くありませんが、自分が興味をもっている観光地の場合は、楽しめるものです。
私は城に興味があったので、ウィンザー城やリーズ城へ足を運んだ時は、とても興味深く見ることが出来ました。
また、ビートルズが好きな私にとっては、ビートルズの生誕の地であるリバプールを訪れた時は、まさに夢のようでした。
更に、学問都市にも興味があったので、オックスフォードやケンブリッジへ行った時は、歴史を感じさせる、その街並みを見物しているだけでも充実感に満ちていました。
有名な観光地だから行くのではなく、興味があるから行くというのが大切でしょう。
旅を面白くするコツ
どこかへ旅行に行くときは、単なる観光地めぐりだけでは面白くありません。
また、単にそこに非日常の生活があるから楽しい訳でもありません。
私は、上記のようにとてもとてもつまらない旅を経験したからこそ、楽しい旅に必要な重要な要素が何であるかを知ることができました。
旅行を充実させるコツを端的にまとめると、
(1)何に興味があって何を観たいか
(2)誰と一緒に行くか、現地の人とどう接するか
(3)現地の何に触れたいか、接したいか
(4)現地でしか得られない体験は何か
を良く考えることです。
(1)何に興味があって何を観たいか
まず、旅先の何に興味があって何を観たいかをよく検討することが大切です。
人は興味があることに対しては面白さや楽しさを感じますから、訪れる場所にある何に興味があり、何を観たいと思うかをよく考えるのです。
単に有名な観光地がある、誰しもが行く知名度の高い場所があるなどというだけでは、興味は持てません。
どこに行くにせよ、自分の興味や趣向と結びつくものが必ずある筈です。
せっかくの旅行ですから、自分の趣味などと結びつけて、充実したものにしたいところです。
(2)誰と一緒に行くか、現地の人とどう接するか
次に、誰と一緒に旅行に行くのか、現地の人とどう接したいかを考えましょう。
旅は一緒に行く人が誰であるかによって大きく変わります。一緒にいて本当に楽しめる仲間と行くのが一番です。
また旅は、旅先でしか知りあうことができない現地の人と接することができる貴重な機会とも言えます。
自分の生活圏から離れた未知の場所で暮らす人と接することで、他では得られない貴重な経験ができることは間違いありません。
誰と行くか、誰と接するか。人との接点こそ、旅を何倍にも楽しませてくれる要素なのです。
社員旅行やクラス旅行など、大人数の旅の場合は、気の合う人に「〇〇さん。今度の旅行は一緒に行動しよう」と事前に声を掛けておくのもいいかもしれません。
一人旅の場合、現地の人に積極的に声を掛けて行くのもひとつの手段です。
(3)現地の何に触れたいか、接したいか
そして次は、現地の何に触れたいか、接したいかをよく考えましょう。
これは、換言すれば旅行の目的みたいなものです。目的意識のないことは何ごとでもモチベーションは下がりますし、充実しません。
その旅行に対する目的をしっかり意識して、その上で何に触れ、何に接したいかをよく思慮するのです。
温泉めぐり、スキー、食べ歩き、史跡めぐり、大自然を満喫、海水浴、・・・などなど、そこには、目的とも言えるメインとなるテーマがある筈です。そのテーマを軸にして、どのように現地を巡るのかをよく考えましょう。
目的意識が強ければ、旅は充実します。漠然とではなく、目的を持ちテーマを掲げることが大切と言えます。
(4)現地でしか得られない体験は何か
そして、その旅先だからこそ得られるもの、体験できることをよく思案しましょう。
もしかしたら、人生の中で、その場所を訪れる機会は最初で最後となるかも知れません。
文化、芸術、民族、郷土、歴史、・・・などなどその地でしか味わえない要素は必ずあります。
「その地だからこそ」という何かを見つめて探しだし、その要素を大いに楽しみましょう。
他の地では得られないものがあるからこそ、充実させてくれます。
そして、振り返った時、その地を訪れたからこそ〇〇できたのだという貴重な旅にしたいですね。
以上、旅を充実させるために考えるべきことをあげました。
これらを良く考えれば、そこでしか経験できない貴重で充実した、素敵な旅行になることでしょう。
そして、万一にも実際に行った旅行先でつまらないと感じたなら、国内であれ海外であれ、その現地の人と接する機会を積極的に求めて行きましょう。
全く、想像もしなかった刺激のある旅に変えることができるハズです。